【感想】海峡に立つ ~泥と血の我が半生~

許永中 / 小学館
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • Ghost Rider

    Ghost Rider

    2021年1月19日読了。

    許永中、「戦後最大のフィクサー」と呼ばれた男。
    自叙伝。

    自分で書いているので、少し盛り気味だとは思うがこの世の中、こういう世界に身を置いている人もいるのかと、違った意味で感心してしまう。

    在日二世として大阪で生まれた許永中、貧しい家で育つが本人も言うように地頭がよかったのか、大学に進学する。

    それから、大阪で頭目を表し堅気とはいえ、半分やくざのような稼業で生計を立てる。
    (少なくとも本書を読んだ私はそのように思える)

    この人、どんだけ金を動かせるのか?と。
    ポンと何億も届けたり、受け取ったり、そりゃ1億って結構かさばりますよね?
    どこまで本当かは読んだ人にお任せするということで。

    本書、第6章に記述があるが、許永中氏はほとんど書面を交わさない。

    「人様からの頼まれ事では利を得てはならない」

    これは理解できるし、私もこうありたい。しかし

    「信義を守るためにも記録は残さない」ともある。

    これは、この世界ならではの話でしょう。
    とはいえ、この先に「私から信用しないと、私みたいな者、信用しないでしょう」というやり取りも書かれている。

    これもわかる。信用されたければ、まずは相手を信用すること。

    なるほどですね。
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    投稿日:2021.01.21

  • 改野由佳

    改野由佳

    前半の被差別や在日の暮らし、巻末の対談に考えさせられることが多かった。現在、上皇として暮らしている平成天皇の生前退位にも、こんな期待を込めて見つめている人々がいる、ということにも驚いた。もちろんそんな思いでいるひとばかりではないだろうけど。
    やはり、誰でも他の誰かの代弁はできないということだろう。
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    投稿日:2020.09.21

  • ukkarihachi

    ukkarihachi

    巻末の歴史学者、崔氏との特別対談。
    日韓関係が何故改善されないのか、に対する視点がとても良かった。どちらが正しいのか、でなく『一緒に負ける』姿勢が大事など、希望が持てる見解。

    投稿日:2020.07.17

  • yashiti1

    yashiti1

    様々な本で登場するフィクサー、許永中の正体が、少し垣間見えた気がした。
    やはり、バブル、国会議員、ヤクザがはびこった70年代からの話はダイナミックで面白い。
    大学時代、20代、30代、こんな経験、人脈が出来たら、たしかに無敵だったろうなぁとも思うし、義理を重んじ、弱いものを助けるスタンスは、本当にかっこいいなあとさえ思ってしまった。続きを読む

    投稿日:2020.01.13

  • sanman

    sanman

    あんまり興味を持てなかった。銀行もテレビ局も政治家もDAIGOのおじいさんもお相撲さんも野球も永中さんも俳優も同じ穴のムジナ。ってことがわかった。あっ警察も。冤罪なのかもね。

    投稿日:2020.01.13

  • memo

    memo

    存命のうえに本人著作だけあって臨場感が凄い/ 許永中といえばイトマン事件であるが、そのまえに小学生の頃から回想され初恋なども語られる/ 頭のいい人なのだろうし、剣呑な自身の印象をリセットしたかったのかもしれない/ そして〝い聯合〟〝酒梅組審良連合〟〝会津小鉄〟〝菅谷組生島〟〝古川組初代〟〝柳川組〟〝大谷貴義〟〝山段〟など当時は力のあった団体や人物にまつわるエピソードが良い/ 特にボンノ引退シーンにおける生島から直接の伝聞は価値がある/ 「伝説のやくざボンノ」では生島は描かれず三代目と二人で会ってさばさばと別れるシーンであるが、竹中と生島は同席し涙ながらに抱き合った二人を見たという/ どうしても死後に第三者によって書かれた本は物語的になってしまう/ 知りもしない本人の心情などを書くのは無理がある/ また、KBS京都買収はもちろん、イトマン事件・石橋産業事件など許永中が懲役を打たれる直接の事件に関して詳細である/ ずっと冤罪を訴え、検察の起訴内容などからもそれは明らかなのに、世間の色メガネは外せない/ 検察の顔のために有りもしない罪をかぶったシーンなども印象的である/ 一つ気になるのは、文章から滲み出るナルシズムである/ あと、雅叙園観光やコスモポリタン池田のことをもっと掘り下げて欲しかった/ 言えないことも言ってしまうのがこの手の本の醍醐味だろう/ 許永中のことを書いた「住友銀行秘史」と「反転(田中森一)」も合わせて読むと面白い/ それぞれの立場による見え方の違い/ 相談があると必ず弱い方の味方になった/続きを読む

    投稿日:2019.10.02

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