【感想】法律から見えてくる「ホテル業界」 辣腕弁護士が読み解く「法律」「命令」「条例」の法秩序とは

村上 実 / NextPublishing
(1件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • ぱっしょん

    ぱっしょん

    日々ホテルを利用するゲストは、さまざまな目的で来訪しますが、『ホテルマンによるサービス』を楽しみに訪れる方も数多くいらっしゃいます。
    本書を読むことで、ホテルマンには「オモテナシ」だけではなく、リスクヘッジやイレギュラー対応に備えるための法理解が重要なのだと気付かされます。
    また、日ごろ使っている『ホテル』というものは、実に多様な法律・条例のもとに成り立っているのだなと知らされます。

    この本は、ホテルマンの中でもとりわけ、フロントやレストラン等の現場で実際にサービス提供しているスタッフ・マネージャークラスの方に読んで欲しい。
    さらに言うならば、法律には全く明るくない、知識ゼロの方には是非とも読んでいただきたい。
    とてもとっつきやすく読みやすい内容になっています。

    本書は、ホテル運営にまつわる法律やトラブルの中でも、近年トレンドになっているものを9つ集めた内容になっていて、以下が本書で取り扱っている項目となっています。

    ①旅館業法改正について
    ②クレーマー対策&ホテル側のミスによる賠償
    ③スキッパー対策と損金
    ④情報漏洩問題
    ⑤消費税10%と軽減税率
    ⑥電子決済とデジタル社会
    ⑦入管法改正と外国人採用問題
    ⑧パワハラ・セクハラ問題
    ⑨ホテル事業者として知っておくべき建築基準法
    本書より加筆抜粋

    それぞれの項目について、ホテルマンや法律家が集まり、業界あるある等を議論し、その内容が会話形式で記述されています。
    そして次の項で、法律家による法目線での解説文が記述されていて、とても分かりやすい。

    本書はホテル事業者に向けた書籍であるため、解説文も法的に突っ込んだ内容までは記載していません。
    むしろ、『このくらいまで理解しておけば十分ですよ』という線引きをしてくれているので、安心して読み進めることができます。

    意外と知らなかったことも沢山ありました。

    例えば、ホテルのマッサージサービス。
    予約や注文はホテルで受けるが、実際の施術は外部業者さんにて執り行うホテルは多いと思います。
    このスキームで顧客が施術による怪我をした場合、損害賠償責請求の相手は、施術会社ではなくホテルになるケースもあり、これを『名板貸責任』というようです。

    著者はオータパブリケイションズ専務取締役の村上さんなのですが、オータパブリケイションズと言えば、ホテル業界に勤める方であれば一度は耳にしたことがあるかと思います。
    ホテル業界誌HOTERESを出版している会社さんですね。
    長く業界を牽引してきた同社だからこその本書だと思います。

    特にホテル業界にお勤めの方はぜひ!
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    投稿日:2022.05.05

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