【感想】全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】

中野剛志 / ワニの本
(38件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
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5
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ブクログレビュー

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  • 白田

    白田

    感想や読書メモが残してなかったため、再読。
    基本編に引き続きとても分かりやすい文章で、MMTや新自由主義、インフレとデフレ、レントシーキングなどについて、「アメ型成長戦略」「ムチ型成長戦略」を軸に書かれている。
    ただ、筆者の思想というか特定の人への批判が強いので盲目的になるのもなあといった印象を受けた。
    そこを差し引いても、新たな視点をわりと容易に得られるのでおすすめ。
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    投稿日:2024.01.13

  • Masahiro Sera

    Masahiro Sera

    何かで聞いたことがあったMMT(Modern Monetary Theory)の唱道者である著者が、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』に続いて書いたもので、おそらく内容的にも同じことが書かれてあるのでしょう。

    これからの政策で必要なことは、
    ①財政支出を拡大して、デフレを脱却すること。つまり緊縮財政から積極財政へと転じること。
    ②これまでの「ムチ型(企業利潤主導型)成長戦略」から、「アメ型(賃金主導型)成長戦略」へと転換すること。
    とまとめにある。

    とにもかくにも、デフレは悪だと。
    そして、一見放漫な政策と思えるMMTこそが、このデフレ脱却には効果があると。
    MMTは、「自国通貨を発行する政府はデフォルトに陥ることはあり得ないから、高インフレにならない限り、財政赤字を拡大しても問題ない」という単純明快な理論。
    日本は自国通貨(円)を発行し、国債をすべて円建てで発行しているので、デフォルトすることはない。
    政府の債務は、民間の債権。つまり、国債は国民の資産。政府は、国債の償還のために徴税する必要はない。政府は、借り換え(国債の償還のために、新たに国債を発行すること)を繰り返せばよい。
    従って政府債務は「将来世代へのツケ」にならない。
    しかも、国債を発行して財政支出を拡大し、インフラや教育、技術開発のために使えば、将来世代に「ツケ」どころか「資産」を残すことができる。
    一方この理論は異端で、財政規律を守るべきだと言うのは本流だとも聞く。
    どちらの意見も聞いて(知って)、どうあるべきかを判断すべきなのだろうな。

    話題のMMTの考え方や、効能とされることが分かった。
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    投稿日:2023.10.19

  • itomona

    itomona

    著者の話のエッセンスは前著(「基礎知識編」)で言い尽くされている。それぐらいわかりやすくシンプルということだ。本書は、なぜその主張が世の中に広がらないのかを論じている。その着眼点や議論の進め方は切れ味鋭いが、それは著者の立ち位置がユニークでブレないからこそ、生み出されたものだろう。ただ、この議論が実際にグローバル化にブレーキをかけ格差是正につながるという道筋を具体的かつ現実的に描けているかというと若干心もとない。新自由主義がやはりシンプルで勢いのある議論を展開しながら、肝心なところで“トリクルダウン”という甚だ怪しい理屈に走ったことが想起されるが、著者の議論が同様のものでないことを祈りたい。194頁で「実際に起きていることは、将来世代の納税者から国債保有者へと、同じ世代の国民の間でお金が移っているだけなのです。右のポケットにある小銭を左のポケットに移したようなものなのです。」「もちろん、将来世代の納税者から国債保有者に富が移るということは、 格差を拡大させる方向に働く所得配分になります。だからこそ、増税、とりわけ逆進性がある(低所得者の方が負担感の大きい)消費税の増税によって、国債の償還を行うべきではないのです。」としているが、では、インフレ期に増税が必要となった時、どのようにして累進的な課税を実現するのか?単に“民主政治を実現する”というだけでは心許ない。もちろんこうなると経済の話ではなくなるが、本書の議論はすでに経済の話だけに収まっていないので、そこのところも論じられて然るべきだろう。続きを読む

    投稿日:2023.07.29

  • おにゃんこぽん

    おにゃんこぽん

    基礎知識編が面白すぎたので、続編である本書も読んでみた。
    非常にわかりやすく書かれているので、面白く読ませてもらったが、言っている事は、基礎知識編とあまり変わらないように感じた。
    基礎知識編を二回読んだ方が良かったかも。続きを読む

    投稿日:2023.02.08

  • rafmon

    rafmon

    「全国民が読んだら歴史が変わる」とタイトルに記載されるように、論壇でも賛否あり、誤解も多いが、デフレ対策の本質を射抜くテーマである。最近選挙でも「日本だけがなぜこの30年間賃金が上がらなかったのか」現政権への批判と共に主張する候補者が散見された。平均年収は変わらず、税負担は増え、至近寺は物価高騰、スマホやネットなどの通信費や高騰する電気代も加えた家計の固定費も上がり、国民の生活は益々苦しくなっている。真面目に働く日本人がなぜ。ヒントはこの本にある。

    経済政策は、「思想決定説」と「政治決定説」に区分される。つまり、経済思想で判断するか、政治力学で判断するか。政治力学というと、外交戦略も絡むだろうが、本著では主に既得権益を取り上げる。この二説のどちらが正しいということは無い。

    本著の一番の肝であり、私が面白いと思ったのはMMT、現代貨幣理論を詳しく噛み砕いて説明している点だ。素晴らしい。賛否あるが、端的に言えば、自国通貨発行権を有す国は、通貨発行する事で景気対策すべきだと。通貨はそもそも徴税のために普及させるべく、先に国がばら撒いたものだから、事前に徴税する必要はない、と。アベノミクスやれいわ新撰組が近い思想を持っていたと思うが、とにかく、これが主論の軸になる。

    炭素税は二酸化炭素排出を抑制するための仕掛け。消費税は、消費抑制の仕掛け。三橋貴明も同じ事を言っていたが分かりやすい。では、税に頼らず、通貨発行によりインフレ誘導し、賃金アップで消費刺激に繋げるとして。何故、その好循環に至らなかったのか。デフレを望ましく思う既得権益。そことゲームチェンジした所で登場するレント・シーカー。そもそも、通貨発行やインフレ誘導に否定的、現状変更したくない認識共同体や経路依存性の問題。しかし、諸悪の根源はグローバル化による自己決定権の喪失や賃金中和反応ではないか。

    この手の本で興奮したのは久しぶり。もっともっと、勉強したくなった。
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    投稿日:2022.08.13

  • eieiei2653

    eieiei2653

    今までは「今は、国債のほとんどを国内貯蓄で消化しているから金利は低いが、外国人が国債を買うようになったら金利が上昇する」と自分も思っていた。
    しかし、赤字財政支出は、それと同額の民間貯蓄を生むのであって、民間貯蓄が財政赤字をファイナンスしているわけではないみたい。
    これはやはり目からウロコ。

    サミュエル・ハンチントンなどの保守派の知識人たちは、1970年のインフレは民主主義が過剰になったせいだとした。
    ほんとは(ベトナム戦争による軍備費のかくちょう、石油危機による原油高、変動相場制によるドル安など)

    新自由主義「グローバル化」は良くない。
    移民により労働者の実質賃金の下落、雇用数の減少。
    大企業だけが潤う

    アメリカの民主党は、階級よりも「アイデンティティ」に焦点を当て、その結果「進歩的新自由主義」とかした。
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    投稿日:2022.03.26

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