【感想】ウタカイ 異能短歌遊戯

森田 季節 / ハヤカワ文庫JA
(5件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
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ブクログレビュー

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  • 雑読者

    雑読者

    このレビューはネタバレを含みます

     登尾伊勢も朝良木鏡霞も、歌にも恋にも真剣に生きているからこそ、迷いや悩みが尽きないのだと思います。けれど、それでも登尾伊勢が歌会の大会の中で朝良木鏡霞への恋の濃度を深めていき、それに伴い歌垣が強くなっていったのが分かりました。お互いに真っ直ぐ愛をぶつけ合う2人がとても良かったです。

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    投稿日:2024.02.04

  • 大吉堂

    大吉堂

    短歌で戦う異能バトルもの。って、どういうこと!? 
    なんて思っている間もなく物語の展開に飲み込まれて巻き込まれます。
    しかも部活もので全国大会展開、しかも百合青春恋愛もの。燃えます、たぎります。全てが短歌を介して成り立つという妙技。続きを読む

    投稿日:2023.09.13

  • Anno

    Anno

    短歌によって周囲の環境を変える異能「歌垣」を使い戦うスポーツ、「歌会」。
    歌聖高校一年生の登尾伊勢は、ライバルであり恋人である先輩の朝良木鏡霞への恋心を歌に乗せ、歌会の全国高校選抜トーナメントへ挑む。


    短歌を使った異能スポーツバトル風の、青春百合SF小説です。数年前、ハヤカワ文庫の百合SFフェアというなかなか尖ったフェアが開催されており、そのフェアで文庫化された小説。短歌を詠むことで周囲の環境を変え、その力をぶつけ合って戦うスポーツがあるというちょっと変わった設定の本です。

    主人公の伊勢が詠むのは、最初から最後まで一貫して先輩でありライバルであり恋人である鏡霞への恋と愛。トーナメントの出場権を賭けて戦う伊勢と鏡霞の戦いは一話の序盤で決着がつき、伊勢が勝つのですが、その後も鏡霞への愛を胸にトーナメントに挑む伊勢は真っすぐで鮮やかで、自分勝手で愛らしい。若くて無鉄砲な感じが可愛いです。ファンも多そうだけどアンチも多そう。

    個人的にはトーナメント出場者の愛宕原豊火の読む歌が雰囲気あって好きでした。
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    投稿日:2023.06.24

  • しくろ

    しくろ

    短歌を表現する歌垣、その幻想でバトルする百合。バトルとしてはそこそこな感じ、どちらかというと百合。オレツエー百合。 メンタルに左右されまくるけど自分勝手な愛が一番強いのはなんともなぁ、とも思うけどね。 まあでも話は読みやすいし面白い。短歌も現代的で読んでわかるから面白かったしね。続きを読む

    投稿日:2020.05.18

  • とろマル

    とろマル

    2013年に一迅社から刊行された作品が、ハヤカワ文庫の百合SFフェアに伴い文庫化されたもの。

     「歌会」という短歌を用いた架空の競技を題材に、登尾伊勢と朝良木鏡霞という二人の歌人の百合が綴られる。今回の百合SFフェアで復刊された作品の中では、女性同士の恋愛というものに一番真正面から取り組んだ作品ではないか。

     歌会の競技者は短歌を詠むことで環境を疑似的に変化させる異能『歌垣』を持っており、それをぶつけ合うことで競い合う。歌垣の効果は人それぞれであり、例えば主人公伊勢の歌垣は「紅龍の登り口」といい、炎の竜を召喚して相手にぶつける。伊勢と鏡霞の二人は同じ高校に通うトッププレイヤーで、ライバルでありながら恋人同士でもあるという関係である。

     本書の面白い点は、この二人が第一話でいきなり決着をつけるという点だ。普通はクライマックスになりそうなマッチアップだが、クライマックスのあとも二人の関係は続いていくのである。「恋って永久不変のものでもなんでもないんですよ」とは作中の朝良木鏡霞の台詞だが、そうと知っているからこそ、いまの恋心を無器用に確かめ合う二人が魅力的な一冊。
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    投稿日:2019.08.01

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