【感想】IQ2

ジョー イデ, 熊谷 千寿 / ハヤカワ・ミステリ文庫
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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7
5
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ブクログレビュー

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  • エスカイア本八幡

    エスカイア本八幡

    IQ1に引き続き兄マーカスを殺害した犯人探しを軸に、ジャニーンとベニーのギャンブル中毒カップルを助けたり相棒ドッドソンとシェリースの出会い話などのエピソードが絡んでいく。ドッドソンとシェリースが教会で出会いとジャーニンがアイゼイアの友人デロンダ宅で匿われている間の会話は最高に楽しいです。ドッドソンやデロンダなどの助演だけでなくジャニーン・ベニーのゲスト陣も強烈なキャラクターで読ませますが、主人公アイゼイアも一人でミステリーパートを受け持ち楽しませてくれます。どちらかだけでもつまらなくなるし良いバランスでは無いでしょうか。今回でマーカスの死について解明され、それによって尊敬する兄が聖人ではなかったことに気づいてしまいます。次回作からが本当のシリーズ開始になるような感じがします。がんばれアイゼイア‼続きを読む

    投稿日:2022.06.29

  • don

    don

    IQシリーズ。亡き兄の元彼女から依頼を受け、中国ギャングと相対するアイゼイア。それと交互して死んだ兄の事件の真相を追う。終盤に2つの物語がつながるまでどういう時系列なのかわかりにくかった。
    しかしアクションあり、推理ありでエンタメとして気軽に読める作品と思う。またアイゼイアやドットソンが少しづつ成長していくのも読んでいて楽しい。続きを読む

    投稿日:2022.06.09

  • がと

    がと

    このレビューはネタバレを含みます

    スクラップ場で兄のマーカスを轢いた車両を発見したアイゼイアは、事故は偶然ではなく明らかな殺意をもって計画された殺人だったと確信し、執念深く調査を再開した。そんなとき、かつてマーカスの恋人だったサリタから「妹を救ってほしい」と依頼される。昔からサリタに密かな片想いをしていたアイゼイアは張り切り、フィアンセの出産を間近に控えたドッドソンを再び相棒に誘って、サリタの妹ジャニーンがいるラスベガスへ向かう。だが、それはカジノの高利貸しと中国系マフィアとメキシコ系ギャングの三つ巴に足を突っ込んでいくことを意味していた。〈IQ〉シリーズ第2作。


    前作のクールなアイゼイアから一転、今回のアイゼイアはコンプレックスまみれで人間関係が拗れやすい困った若者に。亡くなった兄の元恋人への想いは過剰に膨らんで暴走気味。アイゼイアのカッコつけが加速したせいでドッドソンも「敬意を示しながら話すことはできねえのか?」と懇願しだす始末。これに関してはマジでドッドソンの言うとおり。
    しかし、そんなドッドソンへの冷たい態度も、サリタへの過度の期待も、兄を殺した宿敵の心理状態に近づくことで謎を解く伏線となり、アイゼイアの抱える孤独が敵と鏡像関係になる構成はやっぱり上手いなぁと感心。今回、さまざまなギャングたちの姿が “気がついたら今のように生きるしかなかった” 存在として、アイゼイアと対比されているように思う。そしてアイゼイアも自身が本当に必要としているものに自覚的にならなければ、同じ道を辿る可能性もあると示唆される。
    対してドッドソンはビジネスの面では不安要素だらけなものの、フィアンセのシェリースを心から愛し、かつてのようなバカもしない。そんなドッドソンの環境を無意識に羨んでいるアイゼイアが、そんな自分を受け入れられずに憎まれ口を叩いてしまう負の連鎖にはやきもきするが、最後には読者の知らんとこで仲直りしてドッドソンは無事産まれた息子のミドルネームに「アイゼイア」とつける。もう勝手にせえ。
    今作もクライマックスはギャングの抗争。ラモーナの死をきっかけにしてピタゴラスイッチ的に発生した抗争を利用したアイゼイア、8年の間に非情になっちゃって…。フランキーとマンゾの愛憎関係、バルサザーが死んでから彼が唯一の友人だったことに気づくレオ、ルワンダ内戦を生き抜いたセブとガヒギの絆など、ギャング側の私情も、語りはコンパクトだが熱い。
    初登場のシェリースはめちゃくちゃイケてる女で、推しキャラの最愛の女がイケてるって最高だな〜! 前作では打算まみれのビッチ扱いだったデロンダも、今回はチャーミングな姉貴役。ラモーナとロコスの女たちのねじれた関係や、デロンダとジャニーンのシスターフッド、人身売買に手を出していた父を決して許さないヴァン姉妹など、女性の書き方も悪くなかった。
    そしてなんといっても人種のごっちゃ煮としてのLAの書き方ったら。特に片脚を失いながらケンブリッジに通ったセブと、黒人とヒスパニックのハーフだった母と中国系マフィアの父のあいだに生まれ、同じくケンブリッジに通って弁護士になったサリタの対比は、よく考えるとエグい。「アフリカ系アメリカ人の土地にいるアフリカ人。そのふたつはそれぞれの大陸と同様にまるでちがう」というセブの述懐に、映画『ブラックパンサー』を思い出すのは必然だろう。(チャドウィックさん R.I.P)
    丸屋九兵衛の監修がついて註が増え、特にNBA知識がない私はとても助かった。解説も大変ためになった。(でもあの解説を載せておきながら帯で〈暗黒街のホームズ〉をまだ使ってるのはどうなの?)

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    投稿日:2020.09.16

  • sakura-garden

    sakura-garden

    このレビューはネタバレを含みます

    LAの探偵IQ,ラスベガスへ。尊敬していた亡き兄の昔の恋人の頼みで,義理の妹の窮状を救いに行くが。

    ラスベガス編と,1の最後で見つけた兄の死の手がかり追跡編が交互に進んで,最後にすっと交差するという作りになっています。
    面白かったんだけど,1と比べると鮮烈さは欠けますかね・・・それはしょうがないか・・・。
    中国マフィアやらメキシコギャングやら?今回も色々な裏社会の悪党が登場します。まあ彼らだけが特別に悪というわけではないと思いますが,すっきりする終わりにはなっていました。
    しかし,兄の死の謎が2巻でもう解決してしまうとは思わなかった。解決というか,新たな敵を生んだという感じかもしれませんが。
    ジャニーンはアホだよね。最後で,この話はなんだったのかなと思ったわ。。ドッドソンの奥さんのキャラは意外でした。こんなアホに巻き込まれて気の毒・・・,そりゃドッドソン,迷う余地なさすぎだわっていう。ドッドソンファミリーには幸せになってほしい。
    なお,この話の良心はわんこです。ピットブルだけどな。

    ラスト,次はIQがついに町の便利屋から飛躍していく感じになるのでしょうか。ドッドソンとのコンビも健在。原作は4まで出ているようです。早く読みたいなー。

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    投稿日:2020.08.23

  • niwatoko

    niwatoko

    「新しい私立探偵」というふれこみで読んだ前作がおもしろかったので読んだんだけど、うーん……。
    主人公アイゼイアの印象が薄かったような。
    メキシコ系、中国系、アフリカ系のギャングの話が絡み合って(アフリカ系の話はあまり知らなかったので興味深かったんだけど)、わけわからないうちに進んでいったような。

    そして、なんだか、すべての結末が想像とは違っていて、なんとなく腑に落ちない、というか……。
    アイゼイアの兄マーカスが轢き殺された理由は、なにかすごい陰謀があったり、だれかを守ったりしたから、ということでなくて。
    そのマーカスの恋人で、アイゼイアのあこがれの女性サリタはそこまですばらしい人っていうわけでもなくて。
    結局、セブが実はサリタにゆがんだ恋愛感情をもっていたのがすべての発端だった、みたいなのは、なんだかなあ、と思ってしまったんだけど。
    ルワンダ出身のセブのこと、あんなにおとしめるのもどうか、とか……。なんだか彼には同情していたので……。

    でも、事件解決して、上に書いたようなことがわかって、アイゼイアがいろいろなことに気づいた時点で、なんだか突然おもしろくなったように感じたんだけど。アイゼイアがやっと目を覚ました、というか。ここから2巻をはじめてくれたらよかったんじゃないか、と思ったんだけど……。

    次作読むのは迷うところ……。
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    投稿日:2020.06.16

  • winder

    winder

    面白かった!一作目より断然、こっちのほうが好み。ドッドソン、好感度上げてきたなぁ。ラストは、ピットブルのラフィン大活躍。アイゼイアにロマンスは訪れるのか?次作が楽しみ!

    投稿日:2020.01.02

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