【感想】道然寺さんの双子探偵(2) 揺れる少年

岡崎 琢磨 / 朝日文庫
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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ブクログレビュー

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  • chisa

    chisa

    岡崎琢磨さんの作品。
    熊本地震で被災した人たちで、それぞれに傷ついている人がいる。
    助けたい思いがなかなかうまく回らない悲しさと言うか世知辛さも感じた。

    投稿日:2024.01.20

  • ひだまりトマト

    ひだまりトマト

    「道然寺さんの双子探偵」の二冊目。日常の謎ミステリーですね。
    2016年4月の震度7の熊本地震に天啓を受けて、書き下ろした小説だそうです。
    岡崎さんは東京にいて、郷里の九州の地震の報に愕然とされたとの事。あまり大きな地震を経験することが無い九州地方の事なので、想像を絶した想いにいたって作品に導かれたようです。
    物語は熊本地震によって、転校を余儀なくされた少年が、双子の中学校の同学年で転校してきた事から始まる。
    レンとランそして新たに加わった、捨て子の赤ちゃんのリンと、一海をはじめとする道然寺の大人たちの人間模様が、岡崎さんの愛情あふれる筆で描き出されています。
    「きみが誰かに守られたと感じたとき、そこにはきみを守りたいという、誰かの思いがあったんだよ」の言葉がささりました。
    あとがきで岡崎は「それでも私は、震災を忘れてしまわないため、物語の中に書きとどめることに何か意味があることを信じたいのです」とつづられています。
    作家さんも読者のわたしたちも、物語を通して復興の想いをあらたにできますね。いまだに復興は進行中ですから。
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    投稿日:2022.12.17

  • ゆみこ

    ゆみこ


    「ほかの誰かが苦しいからって、あなたが苦しんでいないことにはならない」

    お寺で育つ中学3年生の双子のランとレン。善意を信じるランと悪意に敏感なレンの前に、熊本地震の被害から逃れてきた少年が現れる。
    .
    シリーズ2作目。今作は長編で、ある少年との関わりを通じて双子探偵や一海さんの心境にも変化がある。実際に起こった熊本地震を取り入れて、地震の恐怖やそれに伴う人間関係や環境の変化が描かれていて、考えながら読んだ。過酷な状況でも、周りとどうしても比較してしまい、自分は苦しむべきでないと思ってしまうかもしれない。でも「ほかの誰かが苦しいからって、あなたが苦しんでいないことにはならない」という台詞から、もっと自分の心に素直になってもいい、助けを求めてもいいのではないかと気付かされる。今のこの時世もそうかもしれないな。
    .
    ネタバレは避けたいけど、色んな人が出てくるが完全な悪人がいないのもこの物語の良さ。
    .
    考え方の合わない教師に対しても、優れていた点を述べていたり自分自身の未熟さを振り返れる一海さんに幸あれ。
    .
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    投稿日:2021.08.28

  • o.c.beats aka K.YOKOYAMA

    o.c.beats aka K.YOKOYAMA

    シリーズ2作目。
    今回道然寺の双子というよりは副題の揺れる少年、雄哉と司の2人が中心。
    震災の影響、トラウマ。そして非行といじめ問題。
    様々な要素が絡み合って重い作品になっていました。
    衝撃的な事件を経てラストに進む。
    最後は救われたかな。
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    投稿日:2021.01.03

  • ちこ(´・ω・)

    ちこ(´・ω・)

    「お参りに来る少年」
    態々部屋に飾った後に。
    自分自身は何もしていなくとも盗みを働いていたのは事実であり、万引きなどでは無くとも供え物でも盗難であり犯罪に当るからこそ後ろめたかったのかもしれないな。
    最後に口にした名前を彼が伏せたかったのは、きっと彼女が反応した通りの理由でこの場に居ない彼の一番の友人という点が大きかったのだろうな。

    「絆の在り処」
    彼の友人になった時期は。
    始まりはどんな理由であったとしても彼は一人の友人として傍にいるのであり、可哀想などの気持ちが無いと言えば嘘かもしれないが友情に偽りはないだろう。
    彼の母親の精神状態が気になるが、簡単に踏み込める内容ではないだろうし一波乱ありそうな予感がするが以前の様な家族間に戻れると一番いいだろうな。

    「失われた灯火」
    良かれと思い行った言動。
    彼女から見たら虐めにしか見えず気弱な彼だからこそ標的にされていると思ったから行動に移したのだろうが、先にどちらか一方にきちんと話を聞くべきだったな。
    強引なやり方で彼等を引き離す事に成功した際に、騙されていると分かっていながらも口出ししなかった彼も同罪とまではいかないが少しは非があるのでは。

    「心の揺動」
    彼の母親が地震を怖がる理由。
    過去の出来事はどれだけ時が経とうと記憶に残り続けるだろうし、彼女の様に身内を亡くした際に自分のせいかもしれないと思い込むと尚更傷として深く残るだろうな。
    両親に話した事はあるのか分からないが作文の書き方からして、一人でずっと抱え込み再び大切な人が亡くならぬ様にと日々恐怖と戦っていたのだろうな。

    「少年たちを揺らすのは」
    全ての終わりは彼等の想い。
    これまでの事を考えると確かに学内を通し彼等の関係を知っているのは教師であるだろうが、あの場面を見ても夏の間からの付き合いの彼等以上の行動をとれたのだろうか。
    彼が自分の想いを言葉に出しあの場でさらけ出したからこそ、相手を煽る様な危険な行為ではあるが彼も自分の行いを反省しあの二択を迫ったのだろうな。
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    投稿日:2020.01.11

  • 有浅ひなこ

    有浅ひなこ

    震災といじめを題材にした話でありながら、仏様という存在があるせいか、温かみの感じられる話だった。これだけ親身になって行動出来る大人というのはなかなか居ないもので、賢い子供たちと一緒に解決していこうというのがとても良かった。続きを読む

    投稿日:2019.11.18

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