【感想】指名手配

ロバート・クレイス, 高橋恭美子 / 創元推理文庫
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
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ブクログレビュー

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  • kemukemu

    kemukemu

    残念ながらスコット&マギーは登場しない。
    でも、章ごとに視点が変わる面白さは、前作同様でキレキレ。

    主人公の探偵エルヴィス・コールの一人称視点を中心に、依頼人で逃亡中の少年の母デヴォンや、逃亡中の少年タイソン、コールの相棒ジョー・パイクなどの三人称視点で、読者を飽きさせない。

    今回特に、冒頭の「登場人物」欄ですでに「悪党」と紹介されているステムズとハーヴェイ、通称「でかい男とばかでかい男」のパーツが良い。
    二人の描写は多く、その「悪党」ぶりも半端なく描かれている、が、この二人のやり取りを読んでいるうちに、なんだか愛着が生まれてくる。
    この不思議さは、いい。
    「訳者あとがき」でも「このコンビでスピンオフができるのではと期待した」と言わせるほどで、まるでドン・ウィンズロウの小説に出てくるような「悪役」の愛らしさが、ますます読者を魅了する。

    今回コールは、父性の片りんを見せている。
    あまり詳細には語られていないが、どうやら以前関係のあった女性の連れ子のようだ。
    逃亡中のタイソンに対する「乱暴」でも「暖かい」接し方も、コールの「父性」への憧れとも感じられる。

    「探偵稼業」という王道のお仕事小説ではあるものの、コール&パイクやその他の登場人物が読者を魅了するキャラクターで溢れている……いっきに読んでしまう原動力なんだろう。
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    投稿日:2023.05.18

  • sunnyvale

    sunnyvale

    警察犬マギーのシリーズではありません。
    「指名手配」は探偵コール&パイクシリーズ17作目で、「サンセット大通りの疑惑」以来19年ぶりの邦訳(訳者あとがきより)です。
    ロバート・クレイスのWikiにある作品リストだとわかりにくいですね。

    マギーが登場する「容疑者」は当初単発作品のつもりだったのではないでしょうか。
    しかしこの作品が作家を復活させるほどの人気を得たので、
    新たに得た読者層を続編「約束」に導いてコール&パイクに出会わせ、
    マギーは?と思っているうちにコール&パイクの魅力にひきつけて本流のシリーズに誘う仕掛けかな。

    仕掛けにはまった私は「指名手配」でさらに2人に魅了され、
    それと共になぜコールとパイクはこんな女性や子どもを守ろうとするのか不思議になって、入手難しいコール&パイクシリーズ1作目から読むことになりました(笑)
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    投稿日:2022.08.20

  • fattycatlover

    fattycatlover

    このレビューはネタバレを含みます

    ロスの探偵エルヴィス・コールのシリーズ。

    残念ながら警察犬マギーは出てこない。

    コールは、息子が大金を持っていたので調べてほしい母親からの依頼を受ける。
    息子は仲間たちと金持ちの家に盗みに入っていたが、仲間が殺される。
    行方不明になった息子を探すコールだが、
    盗みの仲間だけでなく、息子の行方を知る者が次々と殺されていく。

    息子の情報を得ては、その証言者を殺してしまう二人組、
    ひどい男たちなのだが、
    なぜかだんだん親近感?感情移入?してしまう自分がいる。
    とくに、昔フィドルという楽器を、酒場で見知らぬ若者と演奏した場面とか。
    著者に乗せられているだけだと思うが、
    映画を作るならそっちが主人公になるかもしれないぐらいだ。

    コールがかつて事件で知り合った母子と交流が続いていて、良かった。
    あと、鑑識官ジョン・チェンは出てきた。

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    投稿日:2022.04.10

  • korosk

    korosk

    コールとパイクは勿論のこと、逃亡中の少年タイソン、その母親のデヴォン、皆んなキャラが立っていて、次のページになって仕方がなくなる。間違いなく面白い!

    投稿日:2020.01.04

  • NASU88

    NASU88

    「容疑者」から続いているロバート・クレイスブーム。まだまだ面白いよ。章ごとに話者を変えて多視点で物語を展開する手法は、安易かもしれないが物語にスピードと映画的(テレビ的)な立体感を与えてくれている。
    単なるゲームオタクが何で強盗一味に加わったのか、あたりがちょっと曖昧だし、ママに溺愛されてるタイソンがここまで大胆な犯行を繰り返すか、などの疑問は残るが相変わらず物語は一級品。
    共犯者の中の女王様アンバーに入れあげて、自分たちに迫る危機(ハーヴェイとステムズは本当に怖い)を全く認識しないタイソン&アンバーには腹が立ち、「アンバー絶対殺されるな」と思ったけど、最後に本当にヒロインになってた。これがリアルなのかもね。
    ハーヴェイ&ステムズのメキシコの酒場でのエピソード(ステムズがフィドルで流しの天才ギター青年と対決する)が秀逸というか不思議。ここまで書き込むところがまたオフビートな魅力かな。
    4.2

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    投稿日:2019.12.01

  • geta22

    geta22

    正義のコンビと悪のコンビ。

    登場人物がみんな個性豊か。
    バッハ、アイアンバタフライ、ワーグナー、トーキングヘッズ、ジミヘン、メタリカ。こんなアーティスト名が出てくるのが悪のコンビの時。好きになったよ続きを読む

    投稿日:2019.07.16

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