【感想】世界史を「移民」で読み解く

玉木俊明 / NHK出版
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ginkan2

    ginkan2

    このような大きなテーマを新書で、かつ、この分量で描くのは難しいですよね。どの章も今ひとつもの足りませんでした。時代を絞るとか、視点を統一するとかした方が読み易い気がしました。

    投稿日:2023.09.29

  • Kenji Takahashi

    Kenji Takahashi

    著者は少し論理的思考を訓練すべき。

    著者には基本的な論理的思考力が欠如しているように思う。例えば火縄銃の伝来のところでも、伝わっている火縄銃は複数の種類があるので、よく知られているように種子島で一回で伝えられたのではなく、異なるルートから伝来されていたはずである、としているが(そしてあたかもそれが常識で常識を知らない我々は。。。という感じの口調だったが)、

    一つの船に複数の種類の銃が載せられているというのはよくあることなので(というか一種類の銃しか載せていない船などないのではないだろうか)、複数の種類の銃が伝来していることが、必ずしも異なるルートから伝来されているわけではなく、そのようなことを言うためには、しっかりとその異なる銃は、それぞれ同じポルトガル船に乗っていることはありえない、ということを示さなければならない。それがなければ、異なる種類の銃が伝来しているので、実際には分かっていないだけでさまざまなルートから伝来したのだろう、というぐらいの慎重さが必要である。

    このように著者は一般常識が移民の視点から見ると、間違いである、とたびたひ主張するが、読んでいる限り、どこが間違っているのか、論理的に説明がなされておらず、論理的なほころびは素人目にも明らかである。

    著者は、歴史研究者としての基本的な思考力や資料を慎重に検証する批判的思考力に欠け、また著述がかなり独断的であるように思われた。このような著者が大学で教鞭をとり、本書のような一般向けの書物を書くことができる日本の現状は憂うべきものである。
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    投稿日:2020.03.31

  • 中村優太

    中村優太

     移民と世界の発展の関係を述べた書。移民を言葉の通り移動する民族と捉え、遊牧民・ヴァイキング・黒人などの多種多様な民族にスポットライトをあてている。この本を読めば現代文明に移民が欠かせないことが分かるはずだ。
     私は現代社会において、移民がネガティブな印象を持たれている状況に疑問を抱いている。市民は移民が雇用や治安を悪化させてるという偏見を抱きがちで、本当に移民が与えている影響を考慮しようとはしていない。そのため私は移民が社会、特に政治体制にどう影響を持つかより深く研究したいと思っている。本著はこの考えに対して、歴史の面から多大な見識を与えてくれたため深く感謝している。
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    投稿日:2020.02.19

  • 沙都

    沙都

    歴史を暗記で覚えようとしていた過去の自分にこう言いたい。歴史は流れで覚えろと。おかげで、こういう本を読むときは毎回苦労するハメになります……

    内容としては、古代の移民から、中世の商人たち、奴隷貿易から現代の難民まで、様々な「移民」について各章ごとに、簡潔にまとめられている印象です。なので読みやすいことは読みやすいのですが、自分みたいに基礎知識が抜けていると、言葉がサラサラと流れていってしまうこともしばしば……

    やっぱり印象的なのは、現代に近い話かなあ。イギリスとスコットランドの問題、難民の問題、EUの問題、それの元を辿っていくと、ヨーロッパ諸国の帝国主義的な拡大や、領土の勝手な分割による民族問題などがあります。そのあたりが割とわかりやすく解説されていたので、今後その関連のニュースを見るときは、もうちょっと身近に考えられそう。

    アメリカの拡大と移民の話も、個人的に面白かった。国を拡大していくにつれ、人口も増え格差が表われ、その不満を覆い隠すために、アメリカに移民を渡らせたヨーロッパの国々。そして、国の労働力不足を補え、また広大な土地を持っていたため、大量の移民を受け入れることができたアメリカ。

    結果、アメリカは押しも押されぬ大国になったわけですが、こういう流れがあったと分かると、別に英雄が出てこない歴史も、それはそれで面白いなあ、と思えるわけです。

    様々な名も分からない人たちの流れがあって、今の世界があると思うとロマンチックな気もするのですが、その負の遺産も一方であるわけで……日本も移民をめぐって揺れている時期でもあるので、そんなことも考えないといけないなあ、とも思いました。
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    投稿日:2019.12.01

  • ganki88

    ganki88

     世界史を「移民」の観点から記した本書。

     昔から現在に至るまで、人の移動というのは妨げる事はできないと思わせる。

     特に、北欧ヴァイキングの項は気になった。略奪者としてのイメージが強いが、その本質は商人の比重が強い「移民」という観点は面白い。

     一種の武装商人であり、流通に欠かせない存在である。
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    投稿日:2019.07.27

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