【感想】世界史を変えた新素材(新潮選書)

佐藤健太郎 / 新潮選書
(21件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • mizthewhiz

    mizthewhiz

    買ってからようやく読了

    好きな著者のひとりで、特に化学について楽しく伝えてくれる。

    今回は炭素文明論から有機・無機関わらず素材全般を取り上げた一冊。

    歴史的な出来事や、現在まで生きる様々な事象を材料と結びつけ、色々な知識を得ることが出来る。

    やや硬い表現も多く、言葉を調べながらとなったが、とても楽しめた。
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    投稿日:2024.01.17

  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    NDC501.4
    「金、鉄、紙、プラスチック、シリコン……新素材が文明を動かす。「材料科学」の視点から、人類史を描き直すポピュラー・サイエンス。「材料科学」の視点で描く驚異のグローバル・ヒストリー! 金、鉄、紙、絹、陶磁器、コラーゲン、ゴム、プラスチック、アルミニウム、シリコン……「材料科学」の視点から、文明に革新を起こしてきた12の新素材の物語を描く。「鉄器時代」から「メタマテリアル時代」へと進化を遂げた人類を待ち受ける未来とは――ベストセラー『炭素文明論』に続く大興奮のポピュラー・サイエンス。」

    目次
    人類史を駆動した黄金の輝き―金
    一万年を生きた材料―陶磁器
    動物が生み出した最高傑作―コラーゲン
    文明を作った材料の王―鉄
    文化を伝播するメディアの王者―紙(セルロース)
    多彩な顔を持つ千両役者―炭酸カルシウム
    帝国を紡ぎ出した材料―絹(フィブロイン)
    世界を縮めた物質―ゴム(ポリイソプレン)
    イノベーションを加速させる材料―磁石
    「軽い金属」の奇跡―アルミニウム
    変幻自在の万能材料―プラスチック
    無機世界の旗頭―シリコン
    AIが左右する「材料科学」競争のゆくえ

    著者等紹介
    佐藤健太郎[サトウケンタロウ]
    1970年、兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。医薬品メーカーの研究職、東京大学大学院理学系研究科広報担当特任助教等を経て、現在はサイエンスライター。2010年、『医薬品クライシス』(新潮新書)で科学ジャーナリスト賞。2011年、化学コミュニケーション賞
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    投稿日:2023.08.24

  • ミイ

    ミイ

    金、鉄、紙、炭酸カルシウム、ゴム、磁石、アルミニウム、プラスチック、シリコンなど、人類の進化の歴史を変えた素材たちについての読み物。
    それぞれの素材の歴史や人類に与えた影響を難しすぎない範囲とレベルでエピソード紹介してくれるので楽しく読める。
    炭酸カルシウムに一見違和感があったが、セメント・肥料・石灰など幅広い活躍ぶり。ゴムタイヤの商業戦争のトピックがおもしろい。
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    投稿日:2023.03.12

  • rafmon

    rafmon

    時代は一人の天才による発明や思想、戦争のような外圧などにより大きく変転する。イノベーションにより歴史が変わり、青銅器文明、鉄器文明など象徴的技術で時代を区切る。まさに、初期の世界史は、素材の歴史だったのだ。

    雑学では無い、テーマ毎にきちんと整理された知識が学べる。初耳な事も多いし、確かにと合点する論拠も多い。一口に素材と言っても金属類だけでは無い。寒冷期を生き延びる為に毛皮が重要。毛皮はなめす必要があり、加工には唾液から、柿渋などのタンニンを用いるなど、ここでも技術の発展があった。死活問題として、毛皮を扱えた者だけが生存できたという超重要なターニングポイントでもあったのだ。

    これだけではないが、もう一つ面白いなと思ったのは紙の話。これが東西の芸術作品の歴史にも影響したのだという。先に紙を使いこなした東洋では、書道や水墨画など紙を画材とする芸術が発展。ヨーロッパにおける紙の大量生産は木材からのパルプ製造法を発明を待つ必要があり、西洋の芸術は彫刻が重要な位置を占めた。

    斯様に社会には技術との因果関係があり、それにより随分様相が異なってくる。現代で言えば、インターネットやスマホだろうか。スマホ以前とスマホ以降では、道でヒヤリとする頻度や電車の乗客の首の角度が違う。あらゆる情報が表に出されるせいで、検索に引っかからない店は無きものにされてしまう。これが続くとどういう世界を迎えていくのか。まさに時代の転換点にいるのかも知れないし、いつの時代もその過渡期だとも言えるかも知れない。
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    投稿日:2023.02.23

  • pctr

    pctr

    素材が拓く歴史があり、歴史を通じて接し方が変わる。

    ◯金:近年、無用の価値だけでなく、有用な価値も発見。
    ・細長く延ばすことができ、伝導性に優れているため半導体電極とチップをつなぐ配線に使用(スマートフォン1台に30mg使用)
    ・ナノ粒子は有害物質分解、プラスチック素材製造の触媒機能がある

    ◯陶磁器:ファインセラミックスは高強度・高耐熱により、スペースシャトルにも用いられる。

    ◯コラーゲン:三重らせんの長い繊維として存在する得意なタンパク質。
    ・再生医療に不可欠な材料

    ◯鉄:安く大量に生産される材料。他の金属と合金にすることでさらに優れた性質を発揮すること、磁石になるうること。
    ・錆びない鉄、ステンレス

    ◯紙(セルロース):
    ・ブドウ糖のセルロース、アミロースの配列の違い
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    投稿日:2022.03.28

  • ahddams

    ahddams

    簡単過ぎず、難し過ぎず。
    前著『炭素文明論』は「世界史×科学」の分野があることを指し示してくれた。日常に潜むSTEMに嫌気がさした時、自分が『炭素文明論』を読んだという事実を思い出すと幾分か心が落ち着く。

    本書も例外ではなく、大当たり!
    世界史上に見られる新素材12種を順番に追い、解説にも簡単と難解の落差が見られない。(つまり全編通して分かりやすい) メモ代わりにしたいところだが、ここに全12種は収まりきらんのでいつもながら数点ピックアップ…

    金:貨幣から今やスマホにまで搭載されており、その輝きは「太陽の色に似ている」とは…思わず溜息が漏れた。
    相対的に白金(プラチナ)が歴史上持て囃されなかった理由も明らかになる。(20世紀になってようやくカルティエが、貴金属として白金をジュエリーに採用したんだとか)

    鉄:世界史の授業でもお馴染みのキングオブ金属。(ヒッタイト…取り敢えず懐かしい笑) 地球上に沢山存在するゆえに民衆も簡単に手にすることが出来たという鉄。それを更に強化した鋼や錆びなくしたステンレスに変えた叡智に改めて感服する。それで人類が繁栄すると早くに分かっていたら、何百年も錬金術に勤しむ必要なんてなかったろうに。(浅い見解…)

    炭酸カルシウム:「千両役者」とは、これいかに⁉︎ なるほど、チョークにセメント…、果ては真珠まで⁉︎ セメントと同じ素材を使ったらそりゃ丈夫な貝殻が出来るよね…中身の真珠もそれとは、本当に何にでも化ける。。鮮やかに飛び六方を踏む役者を見送った後みたいに、章が終わっても呆然としていた。

    シリコン:別名「ケイ素」。炭素とは兄弟元素…周期表の並びもテキトーではなかったか笑(思えば常識) 炭素と違って生物とは結びつけない分、材料として役に立ってくれている。シリコンバレー誕生秘話も何だか熱量を感じて面白かった。

    メタマテリアル(超越物質):初耳…上手く活用できれば「透明マント」の開発も夢ではないらしい。
    当時の段階では作り出せない未来の材料・製品を夢見た過去の人達みたいに、自分達も「メタマテリアル」の先にある透明マントを羨望しているのかも。

    佐藤氏による「世界史×科学」は、今日もこうして一読者の中に夢ある反応を生み出したのでした。(つづく。つづける!)
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    投稿日:2022.02.12

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