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ユゴー, 小倉孝誠 / 光文社古典新訳文庫 (4件のレビュー)
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天道虫
平野啓一郎氏の「死刑について」にて取り上げられていた本。読んだ後ずっしりと気持ちが重くなる感覚。日本では存続している死刑制度だが、その存在について改めて考えさせられる一冊だった。 またこの作品をユゴー…が20代のうちに書いたといのには驚いた(出版時26歳だという)。本当に死刑囚の手記を元に書いたのかと思うほどに責苦に溢れた主人公の心情を細かく表現し、読んでいると心が苦しむ場面も多くあった。 死刑囚も一人の人間であり人権がある。これとどう向き合っていくのか、自分なりに考えたい。続きを読む
投稿日:2023.12.06
flounder532002
或る死刑囚の死刑台に登るまでの苦悩、戦慄を描き、死刑制度反対を唱えた作品。解説と訳者あとがきが厚く、時代背景、同時代の識者の考え方がよくわかった。日本ではまだ死刑は続いており、社会的排除や見せしめでは…なく、被害者の気持ちを慮っての意味合いが近いのであろうが、被害者の復讐の代行という意味であればおこがましい。キリスト教国との風土が異なるのだろうが、死刑制度にメリットは無く反対である。2022.10.8 続きを読む
投稿日:2022.10.10
のっぴ
ある男性が死刑判決を受け、ギロチン刑にかけられる寸前までを書いたもの。手記のような形式。男の名前、罪の内容は明らかにされず、人間的な部分は一切排除されている。死刑という未来のなさをより際立たせる感じだ…った。 ユゴーの死刑反対の論考もある。死刑の目的は社会に害をなす者の排除、罰を与え被害者の復讐を果たす、見せしめによる犯罪の抑制の3つがあげられている。しかしユゴーは排除するならば終身刑でよい、復讐は神の領域であり、社会や人間がするものではない、また社会は矯正に努めるべき、そして死刑に犯罪の抑止効果はない、と主張している。死刑制度は日本では賛成派が多い。「日本では死刑は当然」と思考停止に陥ることなく、死刑について目をそらさずにいたい。群衆のエンタメにも使われるから難しいよなぁ…続きを読む
投稿日:2021.10.11
saigehan
昔家で豚が飼われていた。当時一番チビだった私の自転車も当然一番小さく、豚のいる柵の手前に止めるよう父親に言われていた。毎回暗闇から威嚇され、私はガチガチに恐怖に震えていた。ある日、知らない人にロープに…繋がれ、豚が引っ張られているの目にする。当然のように抵抗し、悲痛な叫び声をあげる豚。「やっとあのジャイアン野郎がいなくなる!で、でもあいつ豚だから、殺されちゃうんだよね。。。」と衝撃な光景を目の前に「なぜ殺してしまうものをわざわざ飼うのか。可哀想ではないか。人生とは非情であり無情だ」わからないながらも思った。続きを読む
投稿日:2021.01.23
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