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文聖姫 / 平凡社新書 (3件のレビュー)
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総合評価:
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hamakoko
https://kinoden.kinokuniya.co.jp/shizuoka_university/bookdetail/p/KP00032295/
投稿日:2022.09.07
山葵
朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」の元記者(女性)によるもの。北朝鮮にとって「同胞」であり、また記者でもある著者は、われわれ外国人が北朝鮮を観光したところで絶対にみることのできない、「より本物に近い」北朝鮮…を見ているといえる。特に前半部分ではそんな貴重な体験が豊富に盛り込まれており、とても面白い。 タイトルの通り、経済に中心がおかれており、市場や百貨店における商品の値段の差や工場に付設されている寄宿舎の食堂の値段などについて細かく書かれているのも興味深いが、地方に移動する際に列車に寄ってきたコチェビ(浮浪児)たちとのやり取りなども「同胞」だからこそ見ることができ、そして書くことのできる内容であろう。 そんな著者だが、あとがきによると2018年に国籍を朝鮮から韓国に変更したという。これまで自由に行くことのできなかった韓国にも自由に行けるパスポートをとること、それ自体は責められることではないが、苦難の行軍時代の北朝鮮を知っている著者のような人が、今後、北朝鮮を自由に見て回ることができなくなってしまった、という点においては少し残念な気もする(もちろん、こんな本を出版した時点で国籍を変えなくても北で自由に取材することはかなわなくなってしまったかもしれないが)。続きを読む
投稿日:2019.04.08
にいさん
あまり新書という形で北朝鮮の、しかも北朝鮮の市民の「生活」を知る機会もあまりないと思うので貴重な一冊。「一握りの超富裕層と大多数の飢餓市民」という構図は、全く間違いではないにせよ、正解でもないことがわ…かる。北朝鮮も経済政策に悪戦苦闘しているし、もはや社会主義的な経済とは言えない面も多い。金正恩はどんなにひどい人かと思われているが、意外に経済政策を進めたり、南北融和を模索したりしている一面もあることは注目しておくべき。もっと言えば、日本国内のマスメディアを通じて作られる北朝鮮のイメージには、どのようなバイアスがかかっているのかにも気づく必要があるともいえる。 経済政策や南北融和の一方で、やはり世界的には経済制裁を受けたりして何かと課題が多い北朝鮮の話題。時にはこういう本を読むと、「生活」という面から北朝鮮のことを見直す機会になるかもしれない。続きを読む
投稿日:2019.04.03
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