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サンジャイ・マドハヴ, 吉川邦夫, 今給黎隆 / 翔泳社 (1件のレビュー)
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ふえるわかめ
地味なタイトルに見えるけど、今更C++でゲームという題材で出版されるだけあって流石に質が高かった。今まで読んだことのあるゲームプログラミング入門の本では一番だった。この本を読む前までは10年前に出た「…ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術」という本が一番だった。 特に良いのは、WindowsとMac両方に対応するためにクロスプラットフォームなコード設計になっている恩恵で、Linuxでも動かすことができる点。実際、Debian 9-10、x86_64、Intel HD 630という環境で動かしながら読み進めた。いくらか修正は必要だった。あと13章の遅延レンダリングを用いたポイントライトがうまく適用されないのがまだ未解決。 使用しているライブラリは、SDL2、OpenGL (3.3)、GLEW、SOIL、FMOD、rapidjson。このうちFMOD以外はDebianのリポジトリに用意されていて、パッケージマネージャでインストールできるので楽だった。 提供されているサンプルプロジェクトはゲームと呼べるようなものではなく、解説しているテクニックのデモ版のような簡単なものだけど、このコードをベースに遊べるゲームに仕上げることは可能だと思う。 C++のコーディングスタイルは完璧とはいえないものの読みやすいと感じた。個人差はあると思う。ActorとComponentと呼ばれるものを組み合わせたものをベースにした設計は把握しやすかったし参考になった。C++11の新しいものはおそらく意図的にすぐに理解できるものだけを積極的に使っている。トリッキーなのはない。 各章ごとに参考文献が羅列するだけでなく的確に紹介されているのも良かった。そもそもゲームプログラミングに必要な技術全体が1冊に収まるものでもないだろうし、この本で扱っているのは各分野への入り口の基本的なことであって、本格的にやるにはもっと深入りしないといけないだろうから次にどこに進めばいいのか案内してくれるのは助かる。続きを読む
投稿日:2019.10.27
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