【感想】芸術闘争論

村上隆 / 幻冬舎文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ユウロ

    ユウロ

    正直、村上隆という人には良いイメージがなかった。「オタクの表象の上澄みのいいとこ取りで商売しているエセ芸術家」だとオタクのひとりとして軽蔑すらしていた。しかし、私がアートシーンに興味を持っていることを知った知人から薦められ、興味本位でこの本と「芸術起業論」の二冊を購入してみた。起業論のほうは今読んでいるのでこちらから。

    一読して、かなり引き込まれた。なんだか私、村上さんを誤解していたみたい。村上さんはルックスも独特なので(すみません)誤解されることが多いんだろうな…と気の毒にすらなった。この本は、それくらい真摯に現代アートシーンを解き明かしたわかりやすい名著だ。村上さん自身が買われる作品というのが「オタクのようでオタクほどもクオリティが高くない…ちょっと下手な作品。そんな作品を見るとシンパシーで癒される」と書いてあり、意外なほどのピュアな魂に驚いてしまった。

    正直、もっと傲慢で俺様テイストの鼻持ちならない文章なんだろーなーとあまり期待していなかったのだか、村上さんが先人(特にアニメーターの金田伊功氏)に払う敬意とリスペクトは素晴らしいじゃないか!と思った。あと、かなり努力家で苦労人のようで、パブリックイメージとのズレにいろいろ目からウロコの一冊だった。

    現代アートの仕組みと仕掛けについて、絶好の教科書だと思うので興味ある方にはぜひ読んでいただきたいです。
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    投稿日:2020.08.20

  • フライドブック

    フライドブック

    日本人芸術家への指南書。同氏の「芸術起業論」の続編だが、未読でも問題ない。日本人が全く分かっていないARTを構想→鑑賞→作成→発表の4ステップそれぞれで説明。

    私は芸術家でもなければ、ちゃんと芸術を見たことがない人間で(ウォーホールについても聞いたことがあるな程度)、芸術というものを理解する入門書として読んでみた。

    イギリスやアメリカから始まった現代美術ではルールが存在しそれに則ってハイブロウカルチャーとして作品が作られていること、それが構図・圧力・コンテクスト・個性の4つであること、それを持った作品をキュレーター・ギャラリー・画商が作家の物語をさらに付加して売ること。

    また、読んだ後に調べたら、氏は最近はYoutuberとのコラボも行っているそうだ。氏のアンテナの鋭さは率直に素晴らしい。氏の作品も鑑賞できるようになっていきたいと思った。

    そのために、まず素人としては現代美術までの美術史を勉強しようと思う。芸術という日本人がてんでオンチな世界へのガイドブックとして、読んでよかった。
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    投稿日:2020.05.06

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