【感想】芸術起業論

村上隆 / 幻冬舎文庫
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
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ブクログレビュー

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  • ヤマンタ

    ヤマンタ

    ん〜〜面白かった!村上隆の個展に行く前に読んでおきたかった。一般消費者としてこの精神にどれぐらい共感できるかと言われたら3割ぐらいかなと思うけども、現代アートはそれを体現する人消費する人の考え方もまるごと文化で、面白いな〜!と気づいた。なんか色が綺麗…もいいけど、そうじゃなくて良いんだ!てかそうじゃだめだ!という意見は救いだし、宗教的でもある。続きを読む

    投稿日:2024.02.22

  • ill

    ill

    このレビューはネタバレを含みます

    アーティストの制作方針、制作の手順など学ぶことが多かったが、その反面村上隆の自分の半生を語る面も多く、もう少し実用的な方法などがわかるといいなと思った。

    いやでも、それは自分で見つけるんや。

    人によって方法は違うんだから正解を求めるんじゃねえよ。自分で考えて自分で試してかませよ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.02.21

  • Sadahiro Kitagawa

    Sadahiro Kitagawa

    全体を通して語られる、日本の美獣業界の痛烈な批判。本当のことだけど、そこまで言わなくてもというほど繰り返される。(もちろんそれだけではない)
    日本の美大では、世界のアートのルール{文脈)を教えず、技術を磨くことにこだわり、その結果、欧米でも通用するアーティストが生まれてこない。
    しかし、それはアートに限らず他の業界にも当てはまるかもしれない。アメリカのルールを知ろうともしないで、国内のマーケットに閉じこもってしまうというのはよくあることなんではないだろうか。
    村上隆は欧米と日本のアートの世界の間に風穴を開けてくれたのだから、そこを突破口にして、日本のアーティストは世界へと出て行ってほしいと思う。
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    投稿日:2022.01.31

  • C4zip

    C4zip

    日本芸術界の変遷が、西洋芸術のブランド権威を借りてきているとあり腑に落ちるところがありました。欧米のルールであるアートヒストリーの文脈を分析して村上隆さんがいかに戦略を組み立てて西洋芸術界に挑戦してきたかが理解できる本でした。単純に漫画やアニメ文化の翻訳ではなく、オタク文化・日本文化・日本の歴史を昇華させて西洋へ翻訳輸出したことで海外に受け入れられた背景もわかりました。そして、ルイヴィトンというブランドと組むなどのクロスカルチャーな活躍ができたこともその下地があってのことだと頷けました。今までこの辺をうまく理解してこれなかったので、この本から合点が行きました。

    昨今、ハイアートという成金趣味的な金持ちのためのアートは一時期の熱狂からは大分冷めているように思いますが、その潮流でどれだけ商売人足ることが重要性なのかを説かれているのでアーティストにとって一つの辛い現実を叩きつける内容になっているものの、成功するためのハウツーとして若手アーティストを後押ししたい気持ちが伺えます。アートティストは社会的弱者、本当にそうだと思います。

    10年以上前の本ということもあり、今のアートシーンとは一致しない面もありますが、アニメ漫画宮崎駿が好きな人間が成功した事例を見れたことはよかったです。
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    投稿日:2021.12.28

  • nb-mr993

    nb-mr993

    西洋のルールと価値基準が支配する現代アート界において、極東島国の芸術家としてどのように闘っていくのか、ということを徹底的に戦略的に考え抜いて実行に移す。そこには曖昧な自慰行為としての「自己表現」が入り込む余地など一切なく、むしろ企業のマーケティング戦略に近い。

    いろいろ賛否両論はあるだろうけれども、村上隆以前/以後で日本のアート界の景色が全く変わったことは間違いない。
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    投稿日:2021.12.13

  • slow-future

    slow-future

    芸術は経済的価値を得てこそ---すなわち市場で評価されてこそ---真の価値を得る。芸術家とは起業家であり、芸術のみを追求していればよいのでは決してないことをくり返し説いています。

    作者本人も認めているように、「怒り」を原動力(もしくは起爆剤)として活動しているようです。なぜ自分の芸術は理解されなかったのか、なぜ日本人の芸術家は欧米で評価されないのか、なぜそもそも彼らは海外で勝負しようとしないのか・・・。そうした怒りの疑問に突き動かされて、今日の地位を築いてきたことがよくわかります。

    同じ日本人として共感ともいえなくもない気持ちを覚える箇所もあれば、みずからの手厳しさに酔っていなくもないように読める箇所もあり、複雑な印象を与える本書。

    気づけば徹夜していたと語る知人に対しては、それくらいの努力で世界と勝負しようとしているのかと失望する作者。その反面、みずからが芸術に対して抱く飽くなき情熱に対しては、それを業として受け止める作者。こうした矛盾すらも人間なのだから、芸術家なのだから、よしとする作者。

    芸術家の読者であれば理解できるのかもしれませんが、個人的には得るものは少なかったです。

    最後に、良かった点を挙げます。
    口述筆記であるからなのかはわかりませんが、インタビュー形式でもないのに丁寧語で書かれている点は読んでいて新鮮でした。
    続きを読む

    投稿日:2021.09.06

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