【感想】お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?

エノ・シュミット, 山森亮, 堅田香緒里, 山口純 / 光文社新書
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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ブクログレビュー

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  • 黒い☆安息日

    黒い☆安息日

    このレビューはネタバレを含みます

    「働かざる者食うべからず」は基本的人権を尊重しているのか?
    働けない人、働いてもそれが経済活動にリンクしていない人(家事のみをしている等)…これらの人には衣食住の権利がないのだろうか?

    ベーシックインカムという考え方がある、どんな人にも最低限人間らしく生きるための収入を与える、人としてきていくうえでの不安を最低限払しょくさせる考え方である。この本では、このベーシックインカムを主題にしている。その理論の経済学社会学的説明や推移などが書かれている。

    が、タイトルの「じゃベーシックインカムが制度化されたとして何をしますか」という部分は全くとっていいほど触れられていない。大げさに言うなら「タイトル詐欺とも言える。実はそこがとても残念だった。

    ベーシックインカム制度については、あったらいいなぁと思う反面、現実的には無理だろうなと思っている。配給制や原始共産制が成功した試しはない。人間はそこまで立派に成長していないんだと思う。ベーシックインカムを搾取しようとする連中はたくさん出てくるだろうし、あえてそこに引っかかりにいく連中もたくさん出るだろう(パチンコに費やすなど)。生きていくに困らない収入があればしたくない仕事はしなく済むのだろうか?キツくて辛い仕事は、現実にそこにあると思うんだが、それはAIやロボットで全て賄えるのだろうか?

    そういうところにもっと触れてくれるのかと思ったら、そこは置いといてぇ、なんだもんなぁ。
    最終章、京都の本町エスコーラの章で「ベーシックインカムがあったら何をしたいのか?それは今できないのか?ベーシックインカムのある社会が理想ならそこに近づく実践をしようじゃないか」的な記載があって、そこが大きな救いだった。

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    投稿日:2021.07.28

  • 未青

    未青


    ベーシックインカムについてその理念や方向性をメインに描かれたもの。ベーシックインカムできるかできないかではなく、ベーシックインカムが考える世界で「あなたはどう生きるか」を問うている。

    また、ジェンダーや民主主義など多面的な立場からベーシックインカムを述べていて、労働や経済が社会の様々な問題に大きな影響を与えていることを実感した。続きを読む

    投稿日:2021.03.25

  • Abra Gittel

    Abra Gittel

    ベーシックインカムの前提にある思想として、働くことと収入を得ることは別のことと考えるそうだ。
    お金のためならどんな悪いことをしてでも稼ぐという考え方の対極にある発想だろう。
    しかし、やっぱり、働くことと、収入を得ることは、つながってなければ無意味だ。
    動物たちも、食べ物を得るために動いている。
    いくらベーシックインカムで収入が得られても、音楽とか絵画とか、好きなことだけやって生きることに、人間は耐えられないだろう。退屈でしょうがなくなる。
    食べ物を得るため、住む場所を確保するためにこそ、知恵を絞り、体を動かす意味が生じる。
    そして、そこに本当の楽しみがある。
    ぎりぎりクリアできる程度のゲームであってこそ、楽しめるのだ。
    難しすぎても、簡単すぎてもいけない。
    現実の世界は生きるのが難しすぎる。だからベーシックインカムにより人生ゲームの難易度を下げて、クリアできるレベルにする必要があるのだと私は思う。
    続きを読む

    投稿日:2020.11.05

  • グアルデリコ

    グアルデリコ

    ベーシックインカムにまつわる基本的考え方や、ベーシックインカムの考え方の普及に向けた活動の紹介、理論などを紹介した著作

    投稿日:2020.09.17

  • kouama

    kouama

    1・2章がとりわけ読みやすく考え方も凝縮されている。以降はちょっと難しい内容も多い。
    6章も理解は難しかったのだが、「AIにより雇用が減るからベーシックインカム」という考え方に対するカウンター?留保?を提言していて(現在の生産性向上は自然搾取であり持続可能ではない。自然との対話的関係が必要)、非常に重要だと思った。ギフトエコノミーというキーワードを覚えておきたい。続きを読む

    投稿日:2020.03.28

  • A...  ....C.151051005

    A... ....C.151051005

    2019年3月15日 36冊目(3-7)
    ベーシックインカムについて。
    ○ビル・ゲイツはロボット税を提唱。他方、技術革新による職の減少は不可逆的だから、賃金とは別の所得保障の仕組みが必要だとの考えもあります。

    これまでの当たり前とは異なる考え方。良いか悪いかはわからないが、新しいものを取り入れるという意味では良い。個人的には理想。
    続きを読む

    投稿日:2019.03.15

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