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冲方丁 / 文春文庫 (196件のレビュー)
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総合評価:
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てりやき
このレビューはネタバレを含みます
起承転結を考えると3.7ぐらいですが、自殺志願者を集めて、集団自殺という単純なものではなく、途中からピアカウンセリングのようになっていったのが面白かったです。主催者もピアの一員であること、しいていえば余命幾ばくかの子がカウンセラーみたいではあるけれど、そういう視点で読ませてもらったので面白いなと思いました。
投稿日:2024.03.24
ふわっとろ
よくある、時間が経つごとに1人ずつ殺されていくパターンかと思ったらそうではなくて、十三人目の死体が発見されてから十二人で最後までずっと話し合うお話でした。 最後はとても上手くまとまっていると思いましたが、中盤があまりわたしの好みの展開ではなかった為、星3つとさせていただきます。 この本を読んで、死にたいと思う気持ちも「ほんの少しのきっかけで変えられる」ことが自分の中で一番残りました。
投稿日:2024.03.21
uri
希死念慮がある10代の男女が集団自殺を図ろうとするが、あるアクシデントがあり実行できない。 そのアクシデントを解決する為に、ぶつかりながらも皆で話し合い、そして最後は読者が望んだ通りの結末を迎える。 … 若い子同士で「何故死にたいのか」と本心を曝け出せたら何かが変わるのだろうか。実際死を選んでしまう少年少女達は、口にする事すら憚れる思考になっている様な気がする。 でもこの作品の様に、大人には言えないけど同世代には悩みを打ち明けられ、乗り越えられる世の中であって欲しいと思った。 この作品は登場人物が多く、病院のフロアマップも分かりにくかったので中盤まで内容を理解するのに時間が掛かった。私は本で読むより、映画を観た方がグッとくる様な気がする。 続きを読む
投稿日:2024.03.19
よし
まず単純に面白かった。 ラストはきっとこうなるだろうと思っていたが、さらにその先があるとは思わなかった。 登場人物が多くて最初は戸惑うが、それぞれの個性や、死にたい動機のお陰でしっかり理解できた。 間…延びしてだれてしまったり、説明不足で納得できなくなったりすることもなく一気に読めた。 公開中の映画はどうだろうか? 原作をしっかり踏まえているのであれば見てみたいと思う続きを読む
投稿日:2024.03.15
生活委員会
死にたい気持ちはどうして生まれるのだろうか。 死にたい。という人は多い。 私が思うに死を根本に望む人はそんなにいないのではないか。だって怖いし。 一般的な死にたいは病の一種としてそういう風な思考にな…ってしまう状態の時もある。また生きている状況的に死ぬしかない、死ぬ方が楽である。という考えからでてくるかもしれない。 死ぬことが目的で死ぬ、変な言い方になるかもだが苦痛を回避するために死を選ぶのではないか。 本当は皆んな幸せに生きたいはずである。幸せの尺度は人それぞれだが。 作中それぞれの登場人物が死を共通点としてお互いに同じ時間を過ごすことで改めて死について話すことで何かを感じとっていくのではないだろうか。 死にたいって誰かに話したかった。続きを読む
投稿日:2024.03.10
海外おやじ
冲方氏の作品は実は初めて。 映画化されている模様で、ローティーンからヤングアダルト向け小説の印象でした。途中までやや単調な印象も、最後のツイストはなかなか良かった。そのツイスト含め、ティーンに向けたメッセージ色の濃ゆい作品か。 ・・・ 済みません。結構批判じみた物言いになりそうです・・・。 実は個人的にあまり読み口が良いとは感じませんでした。というのも、やはり12人をそれぞれ特定するのがなかなか簡単ではありませんでした。 解説によると12という数字が過去の映画作品へのオマージュになっているようではありますが、文章でありありと12人個々の性格を理解するのは私には少し難しかったです。結構イけた(理解した)と思いますが、最後2人くらい、印象が今一つ(混合して)でありました。 その点では、映画化してヴィジュアルで印象付けを行うという戦略は、よりよく作品を理解してもらう上では良かったのではと思います。 ・・・ そしてもう一つ。リアリティが個人的に感じられず、ちょっと没入しづらい感じでした(自殺話にリアリティがあったらそれこそ怖い、というのもありますが)。 12人の自殺したい子たちがローティーン(一番若い子が14歳)というのは、可能性としてはあるかもしれませんね。ただし、彼らが廃病院に一堂に会し、これから自殺するべく準備し、そのさなかで起きる議論、というのはこれまた現実感が少し感じられなかったです。 私のようなくたびれたおじさんが、仮にも消えたいとき。それは「もうやだなあ、疲れたなあ」と思い、自分で苦境を改善する余地がないとき、そのような状況が永遠に続く(かのように思える)とき、とか、そういうときです。 若者ならば、その時辛いのは分かるのですが、「あと数年たち、親元を離れれば、自由に生きられる」と思ってしまうのです(不治の病の場合は除きますよ)。だって、ほら、君たち、議論する気マンマンじゃないですか。そのエネルギーがあれば、世界は変わるかも、とかおじさんは少し感じます。 もちろん、中学生・高校生の時は、ちょっとしたことで傷つき、恥ずかしさのあまり死んで消えたくなることもあるとは思います。そうしたことも十分斟酌しなくてはいけません。その点ではおっさんがとやかく言う話ではなく、ターゲットと思われる中高生あたりの若者が読むべき本なのだと思います。 ・・・ ただ、最後の終わり方は、(多少陳腐?な風合いもありつつも)良かったと思います。 細々と内容は述べませんが、そこに私はコニュニケーションの偉大さを見ました。個人の考えは意外に偏狭で、喋ってみると実は(他人からして)全く問題でないことも多いですね。言った本人も他人に話してみたら「あれ?ほんとだわ。全然大したことないね」と当の本人がすっきりしてしまうこともあるわけです。 そのような解決法を提示するかのような結末・コニュニケーションの力を、大人も子どもも再認識してもらえると、将来はちょっと明るくなるかもしれません。 ・・・ ということで初めての冲方作品でした。 結末のツイストが良かったので、本嫌いな新大学生の息子にまずは押し付けて反応を見てみたいと思います。その後高校生の娘にも押し付けてみたく。ああ、でもちょっと厚めなんですよね。本嫌いには微妙な厚さ。やっぱ映画を先に見せた方がいいかな??
投稿日:2024.03.04
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