0
森本あんり / 岩波新書 (12件のレビュー)
レビューを書く
商品詳細ページへ戻る
総合評価:
"powered by"
shyamazaki69
2018年初版の本ですが、これは名著ですね。「正統」と「異端」とは何か?について、著者の専門である宗教史・宗教社会学を軸に論じ、それを現代政治に敷衍している内容。後半の宗教史的な部分は(予備知識が薄い…ため)やや難解でしたが、全体を通して著者の言わんとすることは明確で、言われてみればその通りなのですが、ともすると私自身も持ってしまっている誤ったイメージ(正統と異端に対する)を正してもらった気がします。続きを読む
投稿日:2022.07.09
reso100
正統と異端に関して、カトリックをベースに社会現象も含めた議論は非常に難しかったが、基本的な考え方に関して多くの切り口を備えておくことの重要性を再認識させられた.キリスト教を基に議論が展開されていたが、…仏教の話も出てきて著者の目のつけ方の深さを実感した.宗教的な、特にカトリックでいう「正典」「教義」「職制」の議論は正典である聖書の成立過程を追うことで正統との関連性を解き明かしてくれた感じだ.異端がでてくるから正統が確立していくという、やや矛盾した論理は最後に述べられた次の文に集約されるのではなかろうか."日本に真正の異端が生まれ、その中から腹の据わった正統が生まれることを願いつつ、筆を擱く."続きを読む
投稿日:2021.01.15
tsounapi
トニ・モリスン「他者の起源」の日本語版序文の解説を読み、著者に興味が湧いたので読んでみた。 著者のフィールドであるキリスト教史において「正統・異端」がどのように生まれ、機能しているかから始まり、ゆく…ゆくは現代のアメリカや社会を覆う正統なき異端の時代を、見事に読み解いている。 「正統・異端」という宗教性を持った構図は宗教(キリスト教やイスラム教)に限定されず広く社会全体の仕組みに根差していると前置きをした上で、私たちが盲目的に信じている正統や権威を成り立たせているのは、キリスト教でいう教会や聖書(正典)にあるのではなく、背景にある信憑性構造(どこでも、いつでも、誰にでも信じられている、かのように思えるもの)であり、おおまかな限定性を持つものだからこそ、対比として明確な異端との対立構造を持っている、というのは非常に興味深かった。 2020年11月現在、アメリカ大統領選挙では正統たりえないトランプをバイデンが僅差の末に下したが、「反対派に投じた人も含めアメリカの代表となる」と発言したバイデンに対して、アメリカにおける正統とみなされているものはわずかであるが変わりつつあるのだろうか(現在の選挙制度に対しての疑義も投げかけられている)。 そんな中日本では何故かトランプ待望論が続いているというおかしな状況だが、著者曰く「日本ではあるべき異端は生まれず、全て政治的な問題になってしまっている」と評されている中、待望されている異端は生まれてくるのだろうか。 抽象的な表現や固有名詞が多数出てくるので容易には読めなかったが、非常に刺激を得れたので、時折読み返したい。続きを読む
投稿日:2020.11.17
kenta6
丸山眞男による「L正統」と「O正統」の定義をやんわり否定し、そもそも正統と異端が何であるかを論じている。丸山の定義に説得力を感じていた、自分の浅さを恥じた。
投稿日:2020.11.16
ignacio
・O正統とL正統 ・異端が正統を作る「異端は弾圧されたから姿をけしたのではなく、姿を消したから異端なのである」P59
投稿日:2020.07.18
asiantamtam
トランプ政権に対する民主主義の論評かと思ったが神学だった。丸山眞男、キリスト教に精通していないとなかなか読み下せないかも。結構難解でした。まずは神学から始めるかな。
投稿日:2019.05.15
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
クーポンコードの形式が正しくありません。半角英数12桁で入力してください。
エラー(エラーコード: )
本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック
スマートフォンの場合
パソコンの場合
このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?
ご協力ありがとうございました 参考にさせていただきます。
レビューを削除してもよろしいですか? 削除すると元に戻すことはできません。