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北方謙三 / 集英社文芸単行本 (22件のレビュー)
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あやごぜ
第二巻。 父祖の地に戻ったテムジンは、タイチウト氏から命を狙われているのを承知で自らの存在と“キャト氏の長であること”を知らしめる為に、旗を掲げて草原を駆け回り、テムジンの父・イェスゲイの死で弱体化…したキャト氏復興の為に奔走する日々です。 一方、ジャンダラン氏の長となったジャムカは、メルキト族と対立していて・・。 テムジンの元に徐々に兵が集まってきて、その中には弓の達人・クビライ・ノヤンのような強者も加わり、初期メンバーの“槍のジェルメ”と共にキャト軍の双璧をなしてくれそうですね。 とはいえ、軍の規模からみるとモンゴル族三氏の中では一番少ない状態です。 そんなキャト軍ですが、他と違うのは徴兵だけに注力せずに、テムジンが物資の調達・・とりわけ“鉄”を重視している事ですね。 昔からの家臣のモンリクが交易に長けていた事も幸いして、モンゴル族には無い製鉄のノウハウを取り入れる為、従者だったボオルチュを人材スカウトの旅に出したりと、他の氏族とは異なる視点からの地盤固めを着々と進める辺り、さすがテムジン!という感じです。 北方さんの『水滸伝シリーズ』でも梁山泊が交易に力を入れていたように、やっぱ経済大事ですものね~。 一方、ジャンダラン氏のジャムカも自軍の規模を着実に拡大していたのですが、メルキト族との戦で敗戦して負傷してしまいます。 大ピンチのジャムカを助けたのが・・我らがテムジン! と、いうことで前巻のレビューで“二人の邂逅が楽しみ”と書いていたのが、あっさり(?)実現しちゃいました。 “テムジンが、笑った。はっとするような笑顔だった。ジャムカも、笑い返した。” うん、いいですね~。 早速お友達になった二人が仲良くしている場面は、読んでいて爽やかな気持ちになるので、彼らの友情がずっと続けばよいな・・と願わずにはいられない私です。 さらに、テムジンは許婚だったボルテを妻に迎えて、キャト氏もいい感じになってきたかな・・と思っていたところに、まさに青天の霹靂のようなショッキングな事が起こります。 それをきっかけにタイチウト氏との戦に突入した挙句、大怪我を負ってしまうテムジンでしたが、この敗北がキャト氏の民の心を動かしたようで、結果意味のあるものになって良かったですね。 軍の兵力も徐々に増えてきて、さらに「鉄音」と呼ばれる工房も整い始めたキャト陣営。 今後テムジンがどのような拡大を見せてくれるのか、期待が膨らみます~。続きを読む
投稿日:2024.02.20
クルテク
読み始めは「これ誰だっけ?」という事もあったが、すぐストーリーに入り込め、読み進めることができた。 主人公の軍が少しずつ、大きくなっていく姿が面白い。
投稿日:2024.01.26
つゆこ
人を大切にする考えや工房を作ってものを作り出そうとするテムジンは先見のこと目があり、モンゴルを統一する才覚があったのだと思った。本に引き込まれ時間を忘れてしまう。
投稿日:2023.12.23
tomo@読書記録
テムジン率いるモンゴル族キャト氏をはじめ、その他の氏族、ケレイト王国などの主要人物が動きを見せ始める、まさに鳴動! 水滸伝の魯智深や林冲のようなお気に入りキャラはまだ出てきていないので、今後もキャラの…深掘りも楽しみです。続きを読む
投稿日:2023.09.09
につ
このレビューはネタバレを含みます
感想 テムジンが力を蓄え、徐々に大きくなっていく様が描かれる。急激に大きくなるのではなく、着実に一歩ずつ踏みしめながらという印象。他の氏族と違うのは交易や兵站などに力を入れていること。 周囲と異なることをやってこそ、祖国統一がなせる。織田信長などを思い出させる。いよいよ次巻で飛躍するか? あらすじ テムジンは、たった4騎でキャト領内を駆け回ることから始めた。臣下のモンリクは、テムジンの父のイェスゲイの頃より交易に力を入れるように言われており、それなりの蓄財があった。それを使って、武器や馬を調達する。テムジンは冬の間に根気よくゲルを周り、麾下は270騎まで増加する。 テムジンは、迫り来るタイチウトを何度か退け、集まってくる兵をまとめるも、編成しなおすことで兵と馬の質を揃えていたが、反発するものもあり、千の兵しか集められなかった。 一方、ジャンダランのジャムカは、タタルとの闘いで名を挙げ、5千の兵を集めるも、メルキトのトクトアに同じ兵数で挑まれてこれに敗れる。討たれかかったところをテムジンに救われる。 テムジンは鉄を手に入れ、キャトで鍛治、鉱脈探しなど時前で鉄を生産できるように体制を整える。 タイチウトが冬に4千の兵を連れてテムジンを討ちに襲ってきた。弟のカチウンを殺され、逆上したテムジンは1200の兵で正面からタイチウトにぶつかり、大敗する。しかし、その噂を聞きつけ、兵が2200に増える。 テムジンはタイチウトに仕返しするため、両者の本営を襲う。鉄や様々なものを生産する工房も次第に大きくなってきた。
投稿日:2023.09.01
みちょはちゃ
チンギス紀 二 鳴動 北方謙三 ∞----------------------∞ 鉄というものがどれだけ重要なものか。あとは道を開くということ。 即戦力になる兵士を集めるのではなくて、その人にあった仕事を与えるとか、地盤を固めるところから初めているというのが、地道で、且つ氏や民のことも真剣に考えてる素晴らしい長なのだなと思った。とはいえ、人はかなり殺しまくり。 この頃はまだまだ10代半ばの子供なんだけど、結構な大人たちが彼について行こうと決心するのが、やっぱりすごく魅力があったんだろうな。 この本の中では「目」が違うらしいし、存在感は圧倒的だったんだろう。 ラシャーンは誰にも女ということを見せない人だったけど、タルグダイと一緒にいるうちに女になったんだろうな。自分と体格の似たホエルンを見てハッとしたんだと思う。カチウンは前夜から予知して死ぬと分かってて飛び出したというのは、他の兄弟と変わらずに心は兵士だったのかと。 テムジンが妻帯。タルグダイも妻帯。呪術師って妖しいようで結構信用されてる。 2023/01/27 読了 (図書館)
投稿日:2023.01.27
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