【感想】AI時代の新・地政学(新潮新書)

宮家邦彦 / 新潮新書
(7件のレビュー)

総合評価:

平均 2.6
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ブクログレビュー

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  • たけ坊

    たけ坊

    タイトルと中身の乖離が…。2年以上にわたって連載してきたコラム。AIがもろに関わるのは1章のみ。
    ただ面白い話もあり、例えば中国人とアラブ人とで共通点があるとか、無責任で大衆迎合的ナショナリズムをダークサイドと呼んだり、日本のシンクタンクと官僚組織の現在についてなど。続きを読む

    投稿日:2020.12.09

  • yasz

    yasz

    今年(令和2年)のGWは昨年まではテニスを楽しんでいましたが、今年は緊急事態宣言が出ていてスクールはお休み、なので今回の連休は読み終わった本をできる限りレビューを書く予定にしています。

    恒例のGWの部屋の大掃除で発掘された本です、地政学という言葉に数年前から反応するようになりました。2年程前に書かれて昨年の今頃読み終わった本ですが、おさらいも兼ねて当時読んだ時に興味を持った部分を振り返ってみたいと思います。

    以下は気になったポイントです。

    ・冷戦時代までの伝統的地政学理論の大前提(活動領域は陸と海のみ)は変化しつつあるのが現行のIT革命である、今後は従来の陸海空に続く、第4、5の戦域として、サイバー領域と宇宙空間がますますクローズアップされてくるだろう(p6)

    ・人類史とは人間と機械の戦いの歴史でもある、モビリティ(蒸気機関)、エネルギー(燃焼型エンジン)、コミュニケーション(情報処理)という3つの革命を通じて、勝者と敗者は常に入れ替わってきた。(p23)

    ・アルファ碁は全ての手を読むのではなく、ある手が「適切か否か」「どの程度有効か」のみを判断学習させることで、短時間で最善の一手を直感的に見いだすことが可能になった。これが機械にできるのなら人間にできないはずはない(p50)

    ・中国人と中東人の相違点を方程式にすると、中国ー酒ー豚肉ー小姐+石油=中東、となる(p61)

    ・昔の国際政治は、スペインを筆頭に英仏独伊露などの欧州勢に加え、20世紀になると日米も新規加盟した、現在は米中露のみ。日本はEU、インド等と共にマイナーリーグである(p89)

    ・ウェールズがイングランドに併合されたのは16世紀中頃、イングランドとスコットランドが統合されたのは18世紀はじめ、19世紀はじめにアイルランド王国と合併してUKとなるが、1922年にアイルランドの大半が同国から脱退して今に至る。スコットランドやアイルランドは独立王国だったので、彼らが独立を考えても不思議ではない(p125)

    ・ハンガリーの地政学的天敵は、東のスラブ、南のイスラム、西のゲルマン、16世紀にオスマン帝国に敗れ、国土の東南部と中部を、北西部をハプスブルク家オーストリアに分割支配された。(p127)

    ・ハンガリーに限らず欧州大陸で生き残るには以下の条件が必要、1)強い軍隊、領土を拡大、2)領土が取れない場合は隣接地域を中立化、3)それができなければ敵の敵と結ぶ、4)敵が多ければ、敵の同盟を分断する(p128)

    ・17世紀、スウェーデンは、フィンランド、エストニア、ラトビアの一部を支配しており、バルト海はスウエーデンの海だった。1809年、フィンランドをロシアに奪われ、ナポレオン戦争後はノルウェーと連合王国、1905年まで維持した(p134)

    ・バラバラの北欧3国が長期間平和を維持した最大の理由は戦略的分業に成功したから、ロシアと国境を接するフィンランドには勇猛果敢な陸軍、スウェーデンには抑撃能力を誇る空軍、ノルウェーはNATO援軍を受け入れる(p135)

    ・米国200周年(1976)は東部13州の行事に過ぎない、アメリカは50の独立した州からなる(p141)

    ・トランプが席巻した地域はいわゆるラストベルト、リーマンショックの最大の犠牲者(白人・男性・ブルーカラー・低学歴)の集団である。クリントン陣営や大手メディアはこれら「物言わぬ没落白人中産階級」の破壊衝動を過小評価した(p144)

    ・米国は昔から南北の葛藤がある、独立以降(1976)も絶えることなくその矛盾は1861年の南北戦争で顕在化、北部理想主義が勝利し1862年の奴隷解放宣言となった、それでも実質的差別は続き1950年代の公民権運動として続き、オバマ大統領誕生で集結した。今回のトランプ現象は、2回とも勝利した北部理想主義に対する、南部現実主義の挑戦ではないか(p146)

    ・国歌の戦略を4つに要約すると、1)敵を1つにしぼる、2)正しい同盟国を選ぶ、3)負ける戦争を戦わない、4)勝てる戦争を、できれば戦わずに勝つ(p206)

    2020年5月4日作成
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    投稿日:2020.05.04

  • aperitivo

    aperitivo

    このレビューはネタバレを含みます

    残念ながら、評価できない本
    タイトルは非常に興味を唆るが、週刊新潮のコラムを、ただ1冊にまとめただけ。
    少し骨のある内容と期待しても、すぐぶつ切り。
    編集は考えて仕事して欲しい。

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    投稿日:2019.08.17

  • bigtree34

    bigtree34

    このレビューはネタバレを含みます

    元外交官の三宅氏による、週刊新潮に2015年末~2018年4月まで連載されたコラムの書籍化。

    AIにより地政学の常識は大きく変わっている。「水面下の刺し合い」が主戦場となる可能性があると語ってます。

    前半はAIより変わる地政学。中盤はトランプ、北朝鮮、中露の現状分析。後半は要人に宛てたメッセージと日本のとるべき行動。

    特に面白いのは後半の要人へのメッセージ。ユーモアが効いてます。

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    投稿日:2019.04.15

  • H.Sato

    H.Sato

    このレビューはネタバレを含みます

    日本でシンクタンクが育たない最大の理由は官僚が製作立案を事実上独占しているから。研究者も玉石混交。

    2017年にベルファーセンターが「AIと国家安全保障」報告書を出した。

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    投稿日:2018.11.30

  • ganki88

    ganki88

     著者の数年にわたるレポートの集積。率直にトランプ勝利を見通せなかった事を認めている点は好感が持てる。
     その道に携わっている専門家が見通せない世界情勢。アメリカ一極集中の減退とともに不確実性が増している故か。本書はポピュリズムの蔓延に着目して論じている。
     元々本書で言うポピュリズムの原因は、グローバリズム。それに伴う格差の増加。アメリカニズムと言われたようにアメリカ発のものであるのは、壮大な皮肉であろうか?あの、何でもアメリカナイズしてしまいそうな、そんな同時多発テロ頃のアメリカの存在感を思えば、隔日の感がある。
    続きを読む

    投稿日:2018.11.23

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