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服部真里子 / 文春e-Books (4件のレビュー)
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kaizen
#服部真里子 #短歌 冬の終わりの君のきれいな無表情屋外プールを見下ろしている p8 雨の昼わたしを訪ねる人のいてうつむきがちなハンカチ落とし コンドルがどうして好きだったんだろうテトラポッドを湿らせ…る雨 p9 はつなつの光よ蝶の飲む水にあふれかえって苦しんでいる p16 湖の近くに家があると言うなるべく嘘に聞こえるように p17 諍いをそれとなく避け出かければ貴和製作所に降る天気雨 p19 広野(こうや)へと降りて私もまた広野滑走路には風が止まない p56続きを読む
投稿日:2018.01.24
iwanoaida
春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が近寄ってくる 上記の短歌をインターネットで見かけ、気になっていました。購入のきっかけは装丁がカワイイことです。くるみ製本だけど上品。表紙の模様が箔押しになって…て贅沢なかんじです。 短歌はどっしりとして華やか。ゆっくりとした速度で聞こえてくる。以下、好きな短歌を挙げます。 粘膜のような光を載せたまま昼を眠っている海だった はめ殺し窓のガラスの外側を夜は油のように過ぎるも 花曇り 両手に鈴を持たされてそのまま困っているような人続きを読む
投稿日:2018.01.03
iiyudana
白杖の音はわたしを遠ざかり雪降る街を眠らせにゆく(雲雀、あるいは光の溺死) きみの靴 きみの不機嫌 透過して少年野球の声が聞こえる(夏の骨) 樅の木の線対称のいくつかを収めた冬のカメラを磨く(冬のカメ…ラ) 海を見よ その平らかさたよりなさ 僕はかたちを持ってしまった(地表より) 封筒のおかあさんへという文字の所在なく身をよじっている夜(塩の柱) 感情を問えばわずかにうつむいてこの湖の深さなど言う(湖と引力)続きを読む
投稿日:2016.09.28
宮本知明
「Tシャツにかがやくタグを切りはなす 微風、快晴、会いに行けるよ」「当たらない星占いがきらきらと折りたたまれて新聞受けに」「ガラス戸に触れて夜の深さを測る ちいさな雪と書いて小雪」「何らかの口止め料の…ようにして眠るキャベツを受け取っている」「見下ろせばほとんどひかり父親がラジオ体操第二を踊る」短歌の作り手はまだ20代の女性。瑞々しく明るい句が多い。時に若さならではのユーモアも見せてくれる。読後はとびきり澄んだいい気持ちだ。続きを読む
投稿日:2015.06.23
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