【感想】かげきしょうじょ!! 6巻

斉木久美子 / メロディ
(9件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
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ブクログレビュー

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  • らじヲ

    らじヲ

    少女たちがオーディションの通過を目指して努力してる姿って良いですねぇ…。
    アイドル系のこういうのには興味がないのだけど、やはり宝塚をモデルにしていることから、すでに選ばれた彼女たちがさらに努力している姿がグっとくる。
    自分も頑張らなくちゃな。
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    投稿日:2022.06.04

  • タカツテム

    タカツテム

    久しぶりにスピンオフ無しの巻。けれど、冒頭に描かれる彩子の過去が疑似スピンオフに成りつつもいい感じに本編に組み込まれているね


    現実は期待以上のものにはならずジュリエットのような激しい恋をした経験もない。自分の予想を超える経験が無い彩子にとって、目の前で見せつけられた愛の素晴らしいジュリエットを超えるなんて不可能に思ってしまう
    でも、その感覚は紗和も同じ。というより紗和の方が難易度の高い役柄に挑もうとしている。
    考えてみれば、役者は観客に対して実在しない筈の景色を見せるのが役目なのだから、経験したものを全てとしそれが自身の限界であるなんて規定してしまう時点で役者として間違っているのかもしれない

    紗和が授けた「出来ることをすればいい」との考え方。これも経験の内から演技の糧を取り出す考えであり、彩子が囚われていた考えと大きく違わない
    最大の違いは彩子の考え方が自分に限界を設けるものであるのに対し、紗和の考え方は自分を積み上げて限界を越えようとするもの
    だからこそ、この考えを受け入れた彩子は自分の経験の中に、予想を超えていた出来事を見いだせたのだろうね
    自分を見てくれる人なんて誰も居ないかもしれないという閉じた考えから、「沢山のお客様のなかの誰かが私を見つけてくれるかな」と開かれた考え方に変化した彩の成長は目覚ましいもの

    それだけに、こういった場面が描かれた後に安道の「こちらの想像を~」という台詞を見ると感慨深い気持ちになってしまうね


    愛も彩子も自身の経験から演技の糧を見出した。紗和は似通った意識を演技に活かした
    なら、ティボルトのような経験も人を恨んだ経験も無いさらさがどう自分だけの演技を見出すかと言えば……
    ここでも歌舞伎が関わってくるんだねぇ

    紅華に入れる事をスタートライン、舞台に立てると喜ぶさらさ
    そんな中で暁也が煌三郎から語られるのは冗談のようなプレッシャー。煌三郎にとってはさらさとの繋がりを持つ為に若い衆を脅しつけたような話。だけど、これを聞いてしまったさらさには冗談では済まなくなった
    さらさはどうしようもない境遇によって夢が絶たれた。自分よりオドオドしていた少年がその夢に近づいていくのを間近で見ていた。その上で本当はさらさが掴み取りたかった夢を暁也が掴めるようにアシストしなければならなかった
    そこには並大抵ではない悔しさと願いが籠められているように感じられてしまうね

    そうした経験と意識によって成立しているさらさの演技は安道によるロミオという大きすぎる壁を前にしても揺るぎないもの
    一つ一つの仕草や表情からさらさの演技プラン、もしくはティボルトが何を考えているかを観客に伝えてくるような演技は予科生の中で群を抜いているもの。また、歌舞伎の見得を思わせる見せ場を用意したさらさの綺麗な姿にはゾクゾクさせられる
    また、暁也との回想が差し込まれる事でここでの表情がそのまま、暁也に助六の夢を託さざるを得なかったさらさ自身の経験と結びつく構図となっているのも良いね
    「お前にやられるとはな」との台詞で暗闇に消えていくさらさのティボルト。彼女はどれ程の悔しさと愛しさで敵役に自身が欲したものを託したのだろうかと想像してしまうね


    そしてオーディション後に描かれるのは誰が選ばれて誰が選ばれなかったのかという点
    選ばれたなら実力が認められた、選ばれなかったなら何かが足りなかった。そういった悲喜交交が描かれているね
    その光景から一人外れて自分の名を見上げていた彼女は何を思っていたのだろうか……
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    投稿日:2021.10.20

  • saya

    saya

    このレビューはネタバレを含みます

    彩ちゃんに佐和ちゃんが
    「私も人を殺したことがないのだけれど」
    と言うところが良い。友達でライバルならではの
    アドバイスの仕方だなと思う。
    人を恨んだことがあまりなくて仮想敵を作ってみた
    今一番ライバル視している人
    と、さらさに誰かと問われても秘密と答えるところも
    なんだか素敵だった。

    教師として平等に評価を心がけているけど
    どうしたって自分が見出した才能のある子を応援してしまう
    というの、実際あるだろうし、それはそれで
    表立って贔屓するのでもなければ素敵なことだと思う。
    そういう子が花開いていくのを見るのは
    教師冥利に尽きるだろう。

    ミュージカルの舞台は総合格闘技というくだりがあったが
    確かに歌がうまいとかダンスが美しいとか
    そういった”一発必中の華麗の技”で逆転することは
    観客目線で見ていても実際ある。

    さらさの班は先生がロミオの役で、確かにきついけれど
    良い経験でもあると思う。
    一瞬でその場の空気を身にまといすべての人の意識を自分に向ける。
    良い役者さんは本当に、一瞬で人を惹き付ける。
    大先生が
    「俺には芝居に遊びはあっても遊びの芝居はない。いつだって本気」
    とさらさの前で言っていた回想があったが
    本物に触れた経験があるさらさにとって
    本気でやってくれる安藤先生は寧ろ燃料になったのだろう。

    歌舞伎の見得っていうのは1番美しい動きの時間を
    自分で止めてここだよ、見なよ
    俺のかっこいいところはここだよってお客様に合図する。
    助六になれなかった辛い経験だけれど、
    全てはさらさの身になっているのだなとも思う。
    さらさは立ち聞きして事情を知った上で
    自分から暁也に彼氏になってくださいと言ったとは思わなかった。
    そういう”大人の事情”を含めた、
    助六になると涙ながらに言う暁也への
    諦め、侮蔑、羨望、いろんな感情が綯交ぜになったであろう
    過去の自分を投影したさらさのティボルトの最期の表情は見事だった。

    ジュリエットになれず、悔しい愛ちゃん。
    悔しいと感じられるくらい真剣に打ち込めるようになったことは、間違いなく進歩だろう。
    愛ちゃんのジュリエットは本当に素晴らしかったが
    14歳にしては大人すぎたという落選理由は納得がいく。
    だから、可愛らしいジュリエットだった彩ちゃんがえらばれた。

    食事に誘ってもらったのを断って、
    友達ってこういう時に一瞬にいるものでしょう? と
    ずっとさらさを待ち、探す愛ちゃんがとても可愛らしいかった。

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    投稿日:2021.04.05

  • しま

    しま

    このレビューはネタバレを含みます

    0巻読んでから一気に7巻まで揃えて読みました。
    どの巻も面白いのですが、6巻のさらさの演技シーン、ここまでテーマになっていた"演じる登場人物の感情"について、最後の最後の感情のみさらさの表情だけで一切文章での説明が無いのが特に素晴らしいと思いました。

    陽に振り切っているようにみえて、きちんと影があるしそれを(無意識かも知れないけど)自覚している、その上で明るく前を向こうとする主人公、さらさがとても魅力的です。

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    投稿日:2019.08.04

  • meglinq

    meglinq

    歳を重ねても好きな漫画が複数あるけれど(幸せなことです)次巻が待ち遠しいのがこの漫画。いそいそと読んであっという間に読み終わりまた次巻を待つという。
    今巻はオーディションとその結果。山田彩子のジュリエットとさらさのティボルト(希和のティボルトもあったけど深くやったのはその2人)どちらも心を打つ。山田彩子の同級生の気持ち、さらさの歌舞伎への想い。得られないものをこい諦めるその想い。羨望。
    次巻も楽しみ。
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    投稿日:2018.10.06

  • マンガタリ編集部

    マンガタリ編集部

    オーディション。
    それぞれが内にある「源」を探り、「実力」を振るう。
    学内用のであり、プロの前には圧倒されるような
    ものであっても、今の彼女たちのすべて。
    「原石」たちの輝きが次々に花開きます。
    でもそこはオーディション、必ず合否がある。
    それぞれの開眼と魅力のほとばしり、
    そしてそれが篩われていくまでの見せ方に引きこまれます。
    この先の展開がますます楽しみです。
    続きを読む

    投稿日:2018.09.12

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