【感想】甲子園という病(新潮新書)

氏原英明 / 新潮新書
(12件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 岳東

    岳東

    高校野球が好きで毎回各大会を楽しみにしている1人です。
    東京都では、清宮君が出てきた1年生から3年生までは、東京都高野連の対応、メディアの対応は異常なほどでした。両者からは何がなんでも早実を甲子園へという雰囲気が感じられました。本書で指摘しているとおり当時はメディアの力は凄いなと感じていました。
    本書を読み、また違う角度から高校野球を楽しみたいと思いました。
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    投稿日:2023.01.01

  • daisennkei

    daisennkei

    野球に限らずスポーツ全部に言える問題ですね。
    難しい問題だと思う。

    自分も若い頃、結構真剣にスポーツに取り組んでいて上のほうを目指していましたから、監督の気持ち、選手の気持ちはとてもよくわかるつもりです。(親の気持ちは???)続きを読む

    投稿日:2022.11.16

  • toro2007

    toro2007

    高校野球ファンなので興味深く読みました。

    甲子園での試合は素晴らしい事に異論はないですが、勝利至上主義、投手の酷使やメディアの騒ぎ過ぎなどには以前から疑問を持っていました。

    本書を読んで、指導者やメディアを初めとした周りの大人たちのエゴから問題が引き起こされていると分かりました。

    特に深刻なのは指導者の問題だと思います。本書での「プロ野球選手は経験が豊富で技術はあるけど、それは能力であって指導力ではない」「指導に関する基軸がないから日本の指導者は経験論でしか語る事ができない」という指摘は重要です。

    日本では現役で活躍したアスリートをすぐに監督やコーチにしてしまうケースが野球以外にも多いですが、彼らが自己流の指導を押し付けて選手を潰している事が少なくないと思います。

    本書でも指摘されていますが、やはり指導法が学べるような機関を作って、きちんと論理的に指導できるような指導者を育成する必要があると思います。


    続きを読む

    投稿日:2021.08.17

  • 原口攻太 Cota Haraguchi

    原口攻太 Cota Haraguchi

    今後の学生スポーツを考える上で、大事なテーマが多く考察されています。関わる多くの人がこの本に書かれているようなことを、考えるべき大事なテーマだと認識することが必要だと感じました。

    投稿日:2020.12.28

  • WASHY

    WASHY

     「甲子園至上主義」の高校野球に対して,もっと高校生らしい野球,部活動,ひいては若者の育成を行うよう,警鐘を鳴らすルポ。けっして甲子園で身体を壊した悲劇のヒーローに焦点を当てるだけではなく,現代にふさわしい監督の指導方法とは何か,文武両立に対する高校生の取り組み方はどんなものか,著者は,複数の事例を挙げながら,提唱する。
     第1章では,2013年に木更津総合高校のエースだった千葉投手を紹介。高校生のがむしゃらさを止められるだけの大人の意見や環境づくりの必要性を訴えかける。千葉投手の「異常な」投球は,ネット動画にもアップロードされているので,それを見ながら本章を読むと,問題の大きさを把握しやすい。
     第2章は,いわゆる指導者のエゴを問うもの。ここにケガに泣いた選手として,岸潤一郎選手が紹介されているが,彼は2019年のドラフト会議で埼玉西武に8巡目で指名された。右肘の靱帯を損傷しながらも,プロ入りが叶った同選手には,著者も今後さらなる取材をしたかろう。
     第3章では,松坂大輔と黒田博樹から考える”早熟化”がテーマとなっている。選手生命の末路として,どちらが良かったのか,横浜高校の恩師の言葉も交えて陳述している。
     第4章では,メディアが潰した「スーパー1年生」として,酒田南高校のスラッガーだった美濃一平選手のエピソードを語る。地方都市においては,おらが町にヒーローが突如誕生すると,それを周囲が持ち上げてしまう傾向にあるが,やはり10代の若者に背負わせる期待はあまりにも大きい。こうした高校球児の学校生活に対して,大人の責任を投げかける。
     第5章では,野球の指導方法や指導者の在り方について論説。プロ・アマを問わず,「しっかりと指導者が勉強をする,研修を受けるような機関を作って,段階を踏んで指導者になるべき」(94頁)と持論を展開させる。
     第6章では,「プレイヤーズ・ファースト」の概念が,とりわけ高野連に欠如している点を追求する。高校野球の制度自体も近年タイブレークを導入するなど,変わりつつはあるが,それでも,その変革の遅さを痛烈に批判する。
     第7章は,「楽しく」野球をやる原点を,福知山成美高校の事例を通じて紹介。とくに「食事トレーニング」に対しては拷問であるとして,厳しく批判する。
     第8章は,沖縄県立美里工業高校の指導者を事例に,高校生に対して求められる野球以上教育的観点について言及。高校のレベルに応じて,生徒たちが野球だけでないものを高校全体で身に付ける重要性を訴える。
     第9章では,安田尚憲選手(履正社→千葉ロッテ),根尾昂選手(大阪桐蔭→中日)へのインタビューをもとに,野球を身に付ける下地になったものを紹介。とくに安田選手は歴史書の多読から勉強への理解力を修得し,根尾選手はスキーで鍛えた体幹が野球にも活かされていることを謳った。
     最終の第10章では,近年の高校野球が形式的なものにとらわれ過ぎて,高校生の個性やエネルギーの発動にブレーキをかけている物足りなさを批判し,本来の高校野球が「教育」の一過程に過ぎない点,そして大人の都合で彼らの可能性を狭めている点を強調している。
     読書前は,現行の「甲子園」,すなわち春夏の高校野球制度自体への批判かと思っていたが,本書を読み込んでいくうちに,話題は日本の中等教育の現状と改善点への進化していく。これは,野球なり,部活動なりで収まる範疇ではなく,肝心の勉強面自体が大学受験至上主義になっていることとも重複してくるだろう。勉強も,部活も,プライベートも,楽しいと思えるような高校生を増加させる努力を,「大人」は今後さまざまな場面で考えていかなければならないだろう。
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    投稿日:2019.10.24

  • gym64741

    gym64741

    15年のフリーランス取材経験があるスポーツジャーナリストが、日本の高校野球界に身を置いたことのある選手や指導者たちへのインタビューを通し、日本の高校野球界にまつわる不合理なシステムや問題点についてあぶりだす。続きを読む

    投稿日:2019.10.20

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