【感想】八月の光

フォークナー, 黒原敏行 / 光文社古典新訳文庫
(13件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • itomona

    itomona

    戦間期のアメリカ南部。黒人や女性を抑圧する社会の空気に縛られつつ抗う。そのあり様は登場人物によって様々で、彼らが織りなす物語に福音書のイメージが重ねられもする。訳者は後書きで読者に再読を勧めているが、確かにそうすることによって汲み出すことができるものは多いように思う。ただ結構長い作品なので、実際再読するかと言われると考えてしまう。続きを読む

    投稿日:2023.01.01

  • アン

    アン

    「普通」の人生などないと改めて感じさせる。なかでもクリスマスのアイデンティティの拠ってたつもののなさに一滴混じった悪意の果たすものの大きさ、それがもたらした複雑な生き様、そして悲劇には深く考えさせられるものがあった。人生において繰り返し読むに値する一冊。それにしても米国南部の歴史が抱える深い深い業よ。続きを読む

    投稿日:2022.09.23

  • ミスターエレクトリック

    ミスターエレクトリック

    出だしの美しさにピンと来たら、読んで見るべきだ。
    映画業界に参入する事で、小説家としての立ち位置が
    微妙になった感のある、フォークナー。

    だが、月の光がどこへ導くのか。

    村上春樹の、ねじまき鳥クロニクルのような、
    ある種行き着く先の知れない感じを楽しみたい人にお勧め。

    あまり難しく考えないで読んで、時が来たら意味を調べるのが良いと思う。
    続きを読む

    投稿日:2022.04.13

  • ロキソニン

    ロキソニン

    白人と黒人という相反するアイデンティティを抱えてしまったクリスマスはそれぞれの属性を持つ人々を攻撃していく。彼は自分の出自に悩んでたことはもちろんだが、その悩みすら受け入れてくれない近代に馴染めなかった一匹狼の男だ。彼の不気味でこの世全てに悩めない感じはハンターハンターのジャイロを彷彿とさせていた。

    登場人物の多くが過去の出来事や祖先に囚われているのも近代に馴染めないということであろう。また、その状態から救われるためにキリストに救いを求めているのだろう。

    小説の描写から、南部の貧乏白人や黒人が暮らしている治安の悪い雰囲気を体感できる。
    続きを読む

    投稿日:2022.03.01

  • こんぐ

    こんぐ

    フォークナーをこんなに面白く読めたのは初めて。翻訳が素晴らしい。各登場人物のこだわりが凄まじく、おかしくなるほど。執念に近い強い意志で、周囲がなんと思おうと自分の思い通りに行動する。でもその源には、祖先や両親や慣習などの影響力が働いていて、結局のところ、本当に自由には生きられない。シンプルな考えで動くリーナが一番力強くて明るい。続きを読む

    投稿日:2022.02.07

  • 日曜日

    日曜日

    錯綜するそれぞれの登場人物の過去と思想。
    それらはまるで繊細な毛糸のような絡み合い、解けてゆく。
    シェイクスピア
    ワインズバーグ、オハイオ

    投稿日:2021.11.02

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