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塩野七生 / 新潮文庫 (1件のレビュー)
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海外おやじ
このレビューはネタバレを含みます
塩野氏の作品と言えば、古代ローマやルネサンス期の歴史小説。 歴史好きとしてはいつか挑戦してみたい大作だとかねてより思っていました。ただそのボリュームにひよった結果、手にしたのが本作。 そして思ったことと言えば・・・。 やっぱり塩野氏とくれば歴史小説を読んだ方が良いのではないでしょうか。 という感想となりました。 初めての塩野氏の著作ですが、今更ながら読む順番を間違えたかもしれません。 始めに何らかの歴史小説作品を読んでいれば、作品の作風や著者の人となりを曲りなりとも感じ取ったうえで本エッセーを読めるかと思います。 ところが私は本作が初で、しかもこれがエッセーでした。第一章のどこぞで「最近の日本人は顔が幼児化してきた」とか「日本の女は女であることを放棄している」等々の発言を見て、なんかえらい口が悪いばあさんだなあ、と感じてしまった次第です(ごめんなさい)。 きっと他の作品を先に読んでいれば受ける印象も違ったのではと思った次第です。 その中でも第五章「仕事の周辺」は面白かったです。こちらは歴史小説を執筆する際の舞台裏の話でした。 歴史小説とはできる限り資料をあたり、史実に基づいてストーリを構成するそうですが、どうしても資料で埋めきれない部分があるそうです。その穴を埋めるための創作の呻吟はこうしたエッセーでなければ知る由もないなあと感じた次第です。
投稿日:2021.05.24
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