【感想】悲素(下)(新潮文庫)

帚木蓬生 / 新潮文庫
(13件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

"powered by"

  • hiromiyanase

    hiromiyanase

    このレビューはネタバレを含みます

    和歌山カレー事件の、ほぼノンフィクションのようなフィクション。
    報道などで物的証拠、直接的証拠は無いが、圧倒的な状況証拠で判決を導いた、という印象を持っていた。素人からすると「そういうこともあるのかな」という感じではあるのだけれど、本書を読むと各種証拠から、犯人が囲い込まれ・浮かび上がってくるという状況はよくわかる。
    もちろん「疑わしきは罰せず」点がある、という原則を裁判所が一種のプライドを持って守るのも、それはそれで納得ができる。(本書はそれを「誤謬」というけれど)

    もちろん、本書は追及サイドの資料をもとに描いたものだろうから、そこは差し引いて考える必要はあるのだけれど。

    あと、「和歌山カレー事件」の本筋の話だけだと、本書の分量は半分にまとめることができそう。砒素の歴史の話。過去の毒物の話、オウム真理教の話、などなど。直接は関係しない、要素の解説が非常に豊富です。これを冗長と考えるか、重厚と考えるかは人それぞれな気がします。

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    投稿日:2022.08.30

  • mokamoca

    mokamoca

    実際の事件の裏側。
    毒物研究者として捜査に協力し、犯人の非道な行いに戦慄する。
    カレー事件以前には、身近な人たちに多額の保険を掛け、それで裕福な生活を送っている。
    実際の事件には冤罪も囁かれていると聞くが、とてもそんな風には思えないほどに周到というか、人の命を金に変えることに躊躇していない部分が多く窺える。
    いずれにしても、恐ろしい人がいるものだと思わずにはいられない。

    2022.7.5
    続きを読む

    投稿日:2022.07.05

  • hiiiin6969

    hiiiin6969

    和歌山カレー事件に関与して、現在までの十七年間、私はカレーを食べていない。おそらく今後も口にすることはあるまい。(394ページ)

    投稿日:2020.08.10

  • korosk

    korosk

    面白かった。和歌山毒物カレー事件の捜査に取材した小説で、実在した衛生学教授を主人公にしている。
    何度も同じような記載が出てきて、ちょっとしつこく感じる所も多々あるが、非常に読ませる。最後の刑事からの手紙の下では思わず目頭が熱くなり、非情な事件を扱っていながらも読後感は良い。著者の他の作品も読みたくなった。続きを読む

    投稿日:2019.11.16

  • sam

    sam

    和歌山毒カレー事件の取材がベース。
    捜査に協力した中毒学が専門の大学教授の目線で書かれており、容疑者を逮捕・起訴するにあたっての綿密な調査の過程が描かれている。
    が、医学の専門用語が多く、被害者全員が砒素中毒だったことから病状の説明も同じことの繰り返しになり、小説として物語を楽しむ感じではない。ルポとかドキュメンタリーな感じ。続きを読む

    投稿日:2019.09.21

  • h-nagisa

    h-nagisa

    毒物学を基軸としたミステリーだと思ってはいたが、ここまでゴリゴリに毒物学押しだとは思いませんでした。
    もう、これ以上の毒物学のペダンチックな小説はかけないでしょう。

    ペダンチックでありながら、ひけらかし感が強くなかったのは、主人公の紳士的なキャラクターのおかげでしょう。

    犯人にとって砒素はデスノートみたいなものだったのかもしれません。
    続きを読む

    投稿日:2019.04.09

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