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マーク・トウェイン, 西田実 / 岩波文庫 (13件のレビュー)
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Στέφανος
訳:西田実、原書名:ADVENTURES OF HUCKLEBERRY FINN(Twain,Mark)
投稿日:2019.03.10
yutakaarai
【ハックルベリー・フィンの冒険 上・下】 マーク・トウェイン作、西田実訳、岩波文庫、1977年 面白かった。 「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の主人公ホールデンが「20世紀のハックルベリー・フィン…」と呼ばれると知って、初めてちゃんと読んでみたが、面白かった。 作者マーク・トウェインは1835年生まれで、日本で言えば「幕末明治の時代」に生きた人。 日本で若い志士たちが「黒船襲来」「尊皇攘夷」と立ちまわっていた時代のアメリカで、トム・ソーヤーやハックルベリー・フィンといった少年たちが見る社会と自然を余すことなく描いた作家。 本書は浮浪児で自然を愛する主人公ハックフィンは暴力的で怠惰な父親から逃げ、逃亡黒人奴隷のジムと共にミシシッピ川を筏で冒険をする、という話。 刊行は1855年。6年後に奴隷制度の是非をめぐりのアメリカでは南北戦争が起きる。 アーネスト・ヘミングウェイが以下のように書いている。 ーー あらゆる現代アメリカ文学は、マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィン』と呼ばれる一冊に由来する。……すべてのアメリカの作家が、この作品に由来する。この作品以前に、アメリカ文学とアメリカの作家は存在しなかった。この作品以降に、これに匹敵する作品は存在しない。 ーー 読み終えたときに、子どもの時にみた映画「スタンド・バイ・ミー」を思い出したのも、そんなに外れていない気がする。(死体が鍵だったり) そして、「翻訳夜話2 サリンジャー戦記」で柴田元幸が、「ハックはまだ下半身が目覚めていない。ホールデンは目覚めかけていてそれをすごく怖がっている。そこの違いは大きいですね。」と語っているのも1776年に独立したアメリカをなにか象徴する気がした。 2017年の今年は、 Change! を唱えた初の黒人大統領に代わり Make America Great Again! をスローガンにする70歳の実業家が国民により大統領に選ばれた。 #優読書続きを読む
投稿日:2019.01.06
tcryu
このレビューはネタバレを含みます
ネタバレありです。 つまるところ、トム・ソーヤというキャラクターが好きかどうかで、この巻の好き嫌いは分かれるのではないでしょうか。ジムとハックのロードムービーからうって変わって2巻中盤からはトム・ソーヤ劇場です。決して面白くなくはないんですが、悪のりがすごいんです。まあ王様と公爵もひどかったので、言ってみれば2冊あわせて大半を悪のりが占めているとも言えなくもないわけですが、なんでしょう、トムは基本的にもっと安全なところにいてサバイバルではないので鼻につくのでしょうか。その、周囲の人間も読者をも唖然とさせるような悪のりこそがトム・ソーヤの持ち味なわけなので、良い悪いではなくて本当に好き嫌いの問題なんですが、僕は真面目なハックが好きです。 小4息子の感想「冒険いっぱいだった!」。小6娘の感想「 でもトムや公爵や考えること・やることがおかしすぎてついていけない部分もあった」。トムや公爵には子供たちも「なにやってんだよ!(*゜Q゜*) 」って感じで笑いながら呆れてました。
投稿日:2015.05.10
chiakikiki
この物語は、黒人奴隷であったジムと父親に虐待をうけていたハックが自由を求め冒険に出る物語です。この物語の中ではハックの父親の死体が川から流れてくるシーンがありました。死体は道端や街中、家で見つかった方…が自然であるような気がしますがそうではなく川であったのにとても不思議な気がしました。何故川である必要があったか少しですが私なりに考えていきたいと思います。 ハックとジムが旅に出るのもこの川からでした。いい代えると日常的な自然である川が非日常的な世界の入り口でありました。そこで、ハックは父親から虐待をうける恐ろしさから、ジムは奴隷という立場など自分の回りの環境がもたらす抑圧から解放されて自由を手にいれることができたのです。これは、自然の中に自分の存在を置くことで社会の中に自分の存在を置くときに生まれる選ぶことが出来ない環境から与えられる苦悩から、解放されたからではないでしょうか。川でなければ成らなかったのは、ハックにとって大きな存在である父親が川によって簡単に流されることにより、社会の中で与えられる存在や位置付けは自然の中では無意味だということを示したかったのではないでしょうか。続きを読む
投稿日:2014.06.04
本≒人生
P112のハックが人間として生きるため、悪へと向かうことを決める場面。P246のトムのジムは人間発言。
投稿日:2012.11.15
うんげつぃ~ふぁ~
傍からみたら最低限の教育も受けていないガサツでしかない浮浪少年ハック。だけれど、その内には勇気と誠実さと、ありのままの自然を愛する豊かな感受性が隠されている。 これらのことが第三者の視点からでなく、す…べてハックの行動や独白から読むものに伝わるようになっている。 これが実に見事で、まるで本当に独りの少年が語っているかのようなリアリティがある。 物語の展開を云々することは容易だが、この作品の本質は"冒険"にはなく、あくまで一人の孤独な少年の内面を描き出すことにあると思う。 結末はいかにも創作だが、実はこれはハックの願望を具現化した妄想であるとしてもなんら矛盾しないように思う。 とにかく、少年の心理をここまで鮮明に描き出している作品はなかなかないと思う。素晴らしい作品です。続きを読む
投稿日:2012.07.14
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