【感想】彷徨える艦隊 ジェネシス 先駆者たち

ジャック・キャンベル, 月岡小穂 / ハヤカワ文庫SF
(1件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ゆうだい

    ゆうだい

    アメリカでぼちぼちヒットしてそうなSF『彷徨える艦隊』の外伝…と言っても、正式な外伝はもうあるので「ジェネシス」という名前が振られています。原題は"THE GENESIS FLEET - VANGUARD"というもの。
    正編の主人公ギアリーの祖先が、グレンリオン星系に移住してくるタイミングの話。よって正編より前の時代なのに、出版が後なおかげでドローンとかオンラインステータスとか新しい技術が出てくるのは、SFの悩ましいトコですね(笑

    正編第1巻の「危機的状況下での指揮権委譲」と似たような事態が本著で同時多発的にポコポコ発生し、いきなり与えられた権限と責任にとまどいながらも、登場人物たちが限られたリソースを使いつつ、斬新な発想も繰り出して何とか乗り切っていく…という展開。
    しかし、新しい星系に人類が進出していくのにあたって、ここまで何の防衛手段を持たずに出ていくものなんだろうか…。(何も宇宙での軍事力が無い時代ならいざ知らず、地球艦隊なんてのがあるのに)

    正編ほどではないにしろ、本著の登場人物も魅力的で、正編と一緒の苗字の方が出てくるのは嬉しい限り。「ナカムラ」氏にここまでスポットライトが当たるとは、邦訳が出ているコトへのサービスでしょうか。
    本シリーズの魅力と言えるセリフ回しは相変わらず奮ってます。↓以外にもたくさんありますが、この「よき市民」感、アメリカ人には特に刺さりそうです(笑
    「そのあとは、また二人で銀河系を救う仕事を続けよう」
    「だが、おれの命令で運命が変わる者もいる。おれは、その者たちに対して責任がある。」
    「正しいことをして何度も煮え湯を飲まされてるのに、それでもまだ気にするのよね。」

    ちなみに、本著では孫子やクラウゼヴィッツが一応は知られて(もしくは、まだ覚えられて?)いる設定です。遥か後世の正編ではあまり出てこなかったような…これは正編では長い戦争で人類が疲弊したコトを示す表現なのかなと思いました。
    全3巻だそうで、残りが早く出ないかな…と思う次第です。
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    投稿日:2024.01.20

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