【感想】ロック・オブ・モーゼス

花村萬月 / 角川文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • やぎたひろ

    やぎたひろ

    このレビューはネタバレを含みます

    天才が天才の原石を磨く小説。
    ワクワク感よりも焦燥感でジリジリしてくる。
    何も持っていない自分にジリジリする。
    若い時に読んでいたら腿のトコロをンギー!ってガシガシしたはず。
    渇望?
    憧憬?
    磨かれてゆく原石に待ち受ける栄光と
    時折顔を覗かせる破滅に残るページは僅か。
    思わず、本当に思いもかけず涙が流れたのが
    最前列で主人公「桜」を追いかけていた「ストーカー紛い」に思われていた男の発した
    「よかったです。最高です。その、もう、最高です」
    の言葉に思わず流れた涙。
    不器用で不格好でも愚直に吐き出す言葉。
    おそらく何も持たず希望も持てない中の僅かな、でも強烈な光に吸い寄せられた言葉。
    光を進む者には見えない悲しみと喜びに反応したんだろう。

    何も持たない僕だから反応したのだろう。

    悲しみはない。
    残り僅かのページに僕の偏屈で鬱屈した琴線(全音落とし)に触れるフレーズはあるだろうか?

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    投稿日:2019.03.10

  • anri0912

    anri0912

    花村萬月はこういう作品も書くのか、とちょっとビックリ。
    現代を舞台にしているのに、出てくる音楽がやたらと古い。
    (古い音楽が悪いという訳ではなく。ジミーロジャース、私も大好き!)
    いっそのこと、時代設定をもう少し前にしてしまえば良かったのになぁ、と。
    青春と音楽は本当に相性が良く、この組み合わせは大好きなのですが、どちらも上手く活かせていない印象。
    面白くなかった訳ではないが、音楽への熱さが今ひとつ伝わってこず、少し残念。
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    投稿日:2018.11.29

  • ヒューイチ

    ヒューイチ

    花村萬月さんの作品を読むのは本書が2作品目!
    一作目の作品『永遠の島』で性と暴力の表現に辟易としてしまい、10年近く花村氏の作品から遠ざかる。

    本書を手にした理由は題名がカッコいいから!
    ロック オブ モーゼスという響きが何故かしっくりきて良い!

    10年前に花村萬月氏の作品を勧めてくれた友人と久しぶりに会いたいと思った!


    主人公の朝倉桜は天才ギタリストのモーゼと出会う!モーゼに惹かれた桜は同時に音楽にも惹かれ、モーゼの下で着々と音楽の道を進んで行く青春ストーリー!

    所々に散りばめられた音楽の薀蓄も面白い!
    音楽知識が無くても楽しめます!
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    投稿日:2018.07.03

  • inutools

    inutools

    このレビューはネタバレを含みます

    勢いで読みきりました。桜の成長物語としては面白かったのですが、メイン題材の音楽に関するところはかなり冷めた感覚でしか読めませんでした。

    端的に言うと"オールド・ファッション”。スマートフォンが登場するような2000年代以降の時代設定なのに、語られている音楽のほとんどが60年代、70年代のもの。バンドメンバーの言動もヒッピー的なイメージのそれ。

    書き手の好みが現れているのでしょうけれど、比較的最近のバンドが好きな自分としては(被害妄想かもですが)それを否定されている気がしてしまいますし、登場人物たちに今の若い人っぽくない非現実さを強く感じてしまいました。

    また、著者は音楽の造詣が相当深いと思われるのですが、書き連ねられた音楽理論の話などは音楽素人の自分には全く面白みがわからなかったのも、正直キツかったです。

    自分程度の読み手には、もっと単純なお話の方が合っているようです。

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    投稿日:2018.05.28

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