【感想】ざんねんな日本史 ~武田騎馬軍団はポニーに乗ってやってきた~(小学館新書)

島崎晋 / 小学館新書
(4件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
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ブクログレビュー

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  • eichan7

    eichan7

    -2019/04/10
    日本歴史のあるあるネタ。「武田騎馬軍団はポニーに乗ってやってきた。」は目新たしかったが、ほとんどのものは旧聞に属する。それならそれで、イメージを広める記述にして欲しかった。「ざんねんな日本史」は、残念だった。続きを読む

    投稿日:2019.04.13

  • mendako

    mendako

    日本史の授業では、淡々とその事実(あくまで仮説であったとしても)が語られ、伝記、伝承では人物は偉大なるヒーローとして描かれる。
    どちらも歴史を学ぶという目的だけなら良いが、退屈すぎたり、風呂敷を広げすぎて眉唾であったり。
    本書はその中間をうまく取った。
    面白く、興味を持って歴史を楽しめる。

    「鉄砲傷は馬糞汁を飲めば治ると信じられていた」(72頁)
    果たして効果のほどは。
    別のところを悪くしそうだが、どんな地域、時代でも怪しげな「効果」はあるものだ。

    「鬼平はインサイダー取引に手を染めた」(133頁)
    白川の清きに魚の耐えかねて、元の濁りの田沼恋しき なんて歌を思い出す。
    正しいことをしたければ偉くなれ、は湾岸署の刑事の言葉だが、正しいことをしたければ金をくれということだ。
    単純に良い悪いは言えない。

    「廃藩置県は大名たちから歓迎された」(182頁)
    面白い。
    されど、サラリーマン武士たちは.....。
    今でもこの構図は変わっていない。
    上は良かれと思っても、下の者たちは現場の気持ちをわかっていないとぼやく。
    「ざんねんな現代史」はざんねんながら笑えない。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.28

  • yasz

    yasz

    以前はテレビなどで放送される戦国時代の映画・ドラマ等を見て、昔の武将は勇気があって素晴らしいなと感動していたのと同時に、親から私達の祖先は武士であると言われたときに、私なら敵陣に向かって顔をさらけ出して、馬に乗って切り込むことは到底できない、先祖に対して申し訳ない気持ちになったことを記憶しています。

    しかし近年になって、武士の実態はこうであった、という本が何冊か出版され、その中には実に人間らしい武士の姿が書かれていました。それを読んで、戦国時代の武将も私達とあまり考え方が変わらない人達であったとわかり、親近感を覚えたています。

    従って、タイトルにある「残念な日本史」は、私にとっては残念ではなく、安心して読める日本史でもありました。また、戦国時代の映画を作る場合、自分たちの撮影したいシーンを再現するのは仕方ないことかもしれませんが、もう少し時代考証を考えてほしいものだと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・持統天皇が禁断令を出したにもかかわらず、双六に夢中になるものは後と絶たず、第45代聖武天皇、50代桓武天皇などは、螺鈿(らでん)細工の華麗な双六盤を愛用、所有していた、第72代白河法皇が、意の如くならざるもの、として「鴨川の水」「山法師(僧兵)」「双六の賽(さい)」を挙げている(p16)

    ・正史は、唐の「漢書」「後漢書」に倣おうとしたはず、これらの書は、帝室の歴史を編年体で記した「紀」、有力者の伝記を記した「列伝」、系図を記した「表」、制度や地誌について記した「志」の4つで構成される。養老4年に完成したのは、「紀30巻と系図1巻」なので、「列伝・志」は完成していない。「志」は「風土記」という、日本書紀から独立した別個の書物として扱われるようになった(p22)

    ・摂関政治とは、藤原不比等の次男房前を祖とする「北家」の誰かが天皇の外戚という立場に乗じ、幼少の天皇に代わって政務を執り行う摂政の職、もしくは天皇を補佐する関白の職にあって朝廷を牛耳った政治体制のこと(p26)

    ・日本の朝廷と宋王朝の間には外交関係がなかったので、交易はあくまで宋の海商による私的貿易として行われた、宋商船が出入りを許されたのは博多のみ、大宰府が一切の窓口業務を請け負った(p27)

    ・鳥羽上皇の崩御により、貴族や武士で不遇のものたちが崇徳上皇のもとへ結集、こうして起きたのが「保元の乱」あっさり負けたが、崇徳上皇は讃岐国へ流された(p35)

    ・平家全盛の時期であっても、宋から来航した唐船がそのまま瀬戸内海に入った例は極めて少ない、海賊の跋扈する瀬戸内海を水先案内人や護衛なしに航行するのは極めて危険であった(p41)

    ・壇ノ浦の戦いで、義経は平家方の船頭や水夫を射殺するように命じたが、これは当時の常識からすればどんでもない禁じ手であった(p45)

    ・武士の時代の本格的な到来を周知徹底させ、各人に統治者としての自覚を促す、そのための手引書として制定されたのが、1232年「御成敗式目」、逆に言えばそれまでの東国がいかに物騒な社会であったかが伺える(p50)

    ・足利尊氏は、武士や庶民に過分な負担をかけるわけにいかないので、天龍寺造営に目的を特化した貿易船(天龍寺船)の派遣を強行した、1回の派遣で十分な資金を調達できた(p58)

    ・実在した一休禅僧は、第100代の後小松天皇のご落胤とも噂されている、権力者や金持ちばかりにすり寄る、京都五山(朝廷が住職を任命する臨済宗最高位の5寺)を嫌い、清貧と反骨に終始した庶民目線の生涯を送った(p59)

    ・応仁の乱以降、長禄3年(1459)春に始まった西日本一帯の干ばつは夏になっても続き、9月には台風、西日本一帯が深刻な飢饉となった、寛正元年(1460)の春夏も干ばつ等が続いた(p63)

    ・1477年に京での戦闘は収束する、足利義政は東山での山荘づくりを優先させて、1489年に建造させたのが銀閣寺、この背後には大飢饉・戦闘で命を落とした人が多くいる(p64)

    ・駿河の今川家で後継者争いに起因する内紛が起きると、特使として派遣された、太田道灌はまだ無名に近い伊勢新九郎(のちの北条早雲)と出会い、一致協力して調停による内紛の収拾を成功させ、外交家としての手腕も発揮していた(p67)

    ・1543年の鉄砲伝来とは、ポルトガル船の種子島漂着ではなく、漂着したのは中国・明の船、船長は島民と砂上で筆談を交わした(p68)

    ・戦国大名の多くが女性の口説き方、恋愛の過程までもが詳しく描かれた「源氏物語」というフィクションに浸ることで満たされぬ心を癒した(p75)

    ・現在撮影に使われるのは、サラブレッドやアングロアラブなどの洋種馬で、その繁殖は明治40年(1907)、岩手県小岩井農場が輸入したことに始まる。サラブレットは当時の軍馬より、20センチ以上大きい(p77)

    ・秀吉は、本来であれば、秀吉の父・弥右衛門か秀吉側親族の誰かの姓を用いるべきなのに、秀吉はできなかった。秀吉の実家は武士でなければ、村落や都市の上層でもなかった(p83)

    ・本能寺の変で、確かに言えるのは、入念な計画や準備がなされた形跡はないこと、殺したあとの行動については何一つ決められていなかった(p85)

    ・寛永寺を開き、総本山としての権限を喜多院(川越)から寛永寺に移した、寛永寺のある場所は江戸城から見て鬼門(邪悪な鬼が出入りするとされた北東)にあたっていた(p112)

    ・巌流島の決闘において、武蔵は遅刻などしておらず、小次郎と同時刻に到着した(小倉碑文)、小次郎は一対一の勝負を守ったが、武蔵は数人の弟子が決闘の様子を中止してきた。武蔵は小次郎を破りながら命を奪おうとしなかったが、弟子たちは小次郎にどどめを刺した(p119)

    ・イギリスが北米大陸を重視したが、オランダは最初からアジアに的を絞った、インド洋・南シナ海・東シナ海はポルトガルの独壇場であったが、息切れが始まり、それに乗じたオランダは、スリランカ・マラッカ・台湾を奪取していった、次の目標は日本であった(p122)
    ・高輪は、町奉行の管轄外であり、関東郡代となる(p132)

    ・吉原と宿場の女郎屋は合法的な遊び場、吉原の場合は、遊郭または廓と呼ばれた。宿場の女郎屋は、品川・内藤新宿・板橋・千束に設けられた、吉原の場合は、当初は人形町付近、明暦の大火以降には、現在の台東区千束に移された、違法営業の女郎屋は、岡場所と夜鷹(個人営業)があった、根津・深川・築地・品川・新宿・音羽・赤羽に岡場所にあった(p144)

    2018年6月10日作成
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    投稿日:2018.04.15

  • tagutti

    tagutti

    このレビューはネタバレを含みます

    <目次>
    第1章  飛鳥・奈良・平安篇
    第2章  鎌倉・室町篇
    第3章  戦国時代篇
    第4章  信長・秀吉・家康篇
    第5章  江戸時代篇
    第6章  幕末維新篇
    第7章  明治篇

    <内容>
    「本当の歴史はね」の本。ちょっととした裏話と根本的な部分が混ざっている。最近、「教科書の内容が変わったよ」の本もよく出ているが(こないだテレ東でもやっていた)、それよりはちょっと下等な感じ。まあ、読んでおくと雑談ネタになるかな?授業には使えないなぁ。

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    投稿日:2018.04.11

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