【感想】決定版 EVシフト―100年に一度の大転換

風間智英, 鈴木一範, 吉橋翔太郎, 吉竹恒, 張鼎暉, 小林敬幸 / 東洋経済新報社
(5件のレビュー)

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  • ゆーき

    ゆーき

    体系的にまとめられていると思うが、2021年の今にとっては情報が少し古くなってしまっている(発行2018年)

    投稿日:2021.03.09

  • ikuodanaka

    ikuodanaka

    世界的な潮流となっているEVへの一大転換。

    これまでにもEVへのアプローチはあったが、
    なぜここにきてその動きが加速しているのか。
    発信源であるEUでは何が起こっていたのか。
    中国やアジア諸国の狙いや必然性とは。
    そして、HEVで先鞭をつけていたはずの日本がいまいち存在感を出せていないのは何故なのか。

    技術的側面、環境問題、そして政治的な思惑が複合的に絡んでいるこのムーブメントを読み解き、そしてどうかんがえ行動するべきかの参考になる一冊。
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    投稿日:2018.08.05

  • yoshiki0669

    yoshiki0669

    電気自動車の三種の神器=モーター・インバーター・電池

    各国メーカーのEVへの取り組みが良く分かる。
    HEV.PHEV.NEVについても理解しやすかった。
    テスラと中国が先に行っているなと感じた。

    投稿日:2018.05.06

  • pctr

    pctr

    EVの概観。この時間断面の各社戦略も参考になる。
    社会変革部分は今後。

    ・EVのコストの1/3は電池

    ・民生用LIBは韓国メーカー
    ・自動車用LIB
    パナ→トヨタ、ホンダ
    LG→GM、ルノー、現代
    サムスン→BMW、VW
    BYD→自社
    CATL→BMW、VW中国市場

    ・航続距離(最大400km、急速充電30分)のブレークスルー:ベタープレイス方式、全固体電池(2020年代前半?トヨタ東工大)、モビリティアズアサービスMaaS

    ・新興自動車メーカーの参入動機としての中国の推進ドライブ→ブームで終わらない可能性

    ・中国政策:補助金→NEV規制、燃費規制

    ・中国とドイツの共同歩調(中国製造2025、インダストリー4.0)

    ・水力大半のノルウェーはHPEV、EV約4割
    ・EU電池開発コンソーシアム

    ◯次世代モビリティトレンド「CASE」
    Connectivity
    Autonomous
    Shared & Service
    Electrification

    Mobility as a Servicen MaaS

    ☆ファクトチェック
    ・販売台数等の市場規模
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    投稿日:2018.05.04

  • yasz

    yasz

    欧米や中国において政府主導で電気自動車を普及させていこうとする政策が、この数年で矢継ぎ早に出されています。数年前に日産リーフをレンタカーで同僚と乗ったときに、あまりのバッテリーの減りの早さに、とても私は使う気になれないなと思ったのを覚えています。

    この本では、最近の電気自動車の技術についての解説も勿論ありますが、電気自動車への流れは、政府や技術の発展のみならず、スマホを始めとする周辺技術、および人々の車に対する意識の変化が、後押しするとしています。

    短距離にしか使用しない、また無人運転車に、今までのように所有する車ではなく、バス・タクシー等の公共機関を利用する感覚で使うようになる。さらには、電磁誘導タイプの充電器が、ショッピングセンター等に配置されれば、駐車時間に充電できるので、電池の性能をそれほど上げなくても実用上は使えるようになると思いました。

    この本を読んでいて気付いたのは、若い人達は、車を所有する、運転することにはあまり興味がなく、バスやタクシーの感覚でしか捉えていないということです。現在の電気自動車の実際の航続距離はまだまだ短く、普及するはず無いと思っていた私は、多くのことを考えさせられました。記憶に残る本となりました。

    以下は気になったポイントです。

    ・主要部品である、モーター・インバーター・電池(三種の神器)は外部から購入できるため、クルマとしての差別性が従来車ほど明確ではなくなってくると予想される、日本があまり得意とは言えないブランドやサービスの高付加価値化が競争要件となってくる(p5、13)

    ・電気自動車の課題として、1)車両価格の高さ、2)電欠、航続距離が短く、充電インフラが未整備、3)充電時間が長く、航続距離を延ばそうとすると車載バッテリーが大容量化する(p17)

    ・いままでEVがブームで終わった理由として、1)車の魅力が足りなった、2)EVに対するニーズの強さ、新興国において環境汚染のためニーズが高まっている、3)自動車メーカのEV販売に対するインセンティブ(p26)

    ・導電性の高い固体電解質は硫化物を含んでいるため、水と反応して有毒な硫化水素を発生してしまうなど取り扱いがむつかしい(p39)

    ・HEV市場が停滞している中で、PHEVは欧州、EVは中国市場がけん引している(p43)

    ・ガソリン車とEVの間における価格差が大きいので、ランニングコストでEVのメリットを享受できても、イニシャルコストの差を取り戻す前に買い替え時期を迎えてしまう(p59)

    ・中国において二輪車の電動化が進んだのは、1990年代の後半よりオートバイの総量規制(ナンバープレート規制:新規登録禁止)が導入され、これを機に二輪車の電動化が始まった、1994年の天津のオートバイ登録禁止からナンバープレート規制が始まり、現在では中国の150以上の都市で規制が導入されている(p65)

    ・大型、中型都市では、中央政府だけでなく地方政府からも補助金がでるので、地域によっては1台あたり最大11万元の補助金が支給された、新車登録規制では、NEV(新エネルギー車)を購入すると、ナンバープレートが無料で支給される。従来クルマの場合は、オークションで取得する、北京では10万元、上海では8万元(p67)

    ・2017年3月には、トランプ大統領がオバマ大統領時代に決まった自動車の燃費基準を見直すと表明、2022年以降の基準値に関しては、見直される可能性が高い(p87)

    ・HEVが日本で有利なのは、走行環境に関しては、日本は信号が多く渋滞も発生するため、ストップアンドゴーが多く、燃費低減においてHEVが有利となっている(p89)

    ・大手メーカの中でいち早く電動化を宣言したVolvoを買収した Geelyグループ、中国系EVメーカのトップランナーとして名高いBYD、米国という両巨頭とのJVを保有するSAICグループがある(p119)

    ・Geelyのパワートレイン戦略の特徴は、PHEV、EVだけでなく、HEVにも注力している。これは他のローカル自動車メーカとは戦略は異なるものである。2017年11月には、Geelyは、空飛ぶ車の市場投入を2019年に目指す、米テラフージアを買収した。(p121,123)

    ・トヨタで行った大きな組織改革とは、1)2016年12月に、社内ベンチャー組織として、EV事業企画室を立ち上げた、2)2017年9月に、デンソー・マツダとともに、EV C.A.Spiritである、スズキ、スバル、ダイハツ、日野自動車も合流を決めている(p147)

    ・ホンダの八郷社長は、電動化比率を3分の2にすると宣言した際に、2030年時点での各パワートレーンの比率は、HEV・PHEVが50%、燃料電池車・EVが15%としている(p154)

    ・車づくりのコア技術はエンジンであり、ほとんどの自動車メーカはこのエンジンを社内開発し内製している。このエンジンに対して対して自動車部品メーカに「すり合わせ」を求めたり、部品メーカに用意級を出したりすることで、自動車メーカはイニシアティブを持っている(p162)

    ・電気自動車では、自動車メーカは最適な部品を調達してきて組み立てるだけの役割に縮小していく、その結果、自動車メーカからコア技術を提供する部品サプライヤーに付加価値が移行する、これが自動車産業の水平分業化であり、これが従来クルマメーカにとってのホラーシナリオである。コンピュータ、携帯電話、時計業界が有名である(p163)

    ・産業構造の水平分業化の第1ステージは、水平分業に向けたトリガーが引かれる段階、新たな製品が登場する、それをきっかけにゲームチェンジが起きる、第2ステージは、水平分業が拡大される段階、専業メーカによる中核部品の規格化・標準化が促進されて、専業メーカは業界内での主導権を獲得する、第3ステージは、水平分業が一般化される段階、他業界からの新規参入が活発化する、この段階で既存メーカは中核部品の内製をあきらめる(p164)

    ・日本でのすべての自動車をEV化して一斉に充電したと仮定した場合、電力量は足りているが、電力は足りない、従って電力マネジメント(需給マッチング)がビジネスチャンスとなる(p191)

    ・電動化、自動運転・コネクテッドカー、シェアリングサービス、は相互補完関係にある、これにより自動車メーカは、クルマをエンドユーザーに販売する、から「移動サービスとしての車の提供」へと転換を迫られる(p204)

    ・自家用車の平均稼働率は4%であり、残りの時間を他者に貸し出すことで初期コストを回収できる可能性がある、EVは一部の高級車格を除き、まずはカーシェアリングから普及する可能性が高い、ウーバーは96%に目を付けたシェアリングサービスとも捉えることができる(p217、221)

    ・自動バレーパーキングシステムを搭載したEVが自動で空き駐車スペースを探し出し、駐車スペースに設置されたワイヤレス給電システム(電磁誘導)によりバッテリーを充電する(p219、220)

    ・車のシェアリング化は、クルマが「個人が所有するもの」から「移動サービスを提供するもの」へとシフトしたことを意味する(p222)

    ・ロボットタクシー化すると、1)ドライバーの人件費ゼロ、2)休憩不要による稼働率の向上、3)車両事故減少による保険料減少がある(p225)

    ・自動車の利用は基本的に休日のみ、平日は自宅に停車している場合、この自宅に停車しているEVは、夜の時間帯に充電して昼に売電して収益を得る、これが「V2G(EVから電力網へと放電する」サービスであり、日産が商品化した(p235、238)

    2018年4月30日作成
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    投稿日:2018.04.30

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