レイシズム

小森陽一 / 思考のフロンティア 第II期
(3件のレビュー)

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  • 別府

    別府

    【版元】
    〈https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b257312.html〉

    【目次】
    はじめに [iii-vii]
    目次 [ix-x]

    I 「人種差別主義〔レイシズム〕」とはなにか 
    1 「差異」が「差別」に転換するシステム 001
      「生物学的」差別の後に
      狭義の人種差別
      差異の価値づけ
      一般化と全体化
      差別する側の暴力性
      自己正当化と思考停止
      存在論的な還元
      特権の擁護と暴力の記憶
      不在の優越性への欲望
      罪悪感と罪障感
      同等性と優越性
      擬似論理としての差別

    2 「異質性嫌悪」発生の回路 017
      恐怖と暴力
      暴力を制御する言葉の力
      攻撃と逃亡のエコノミー
      記号論的世界の発生

    3 言語が形づくる「アイデンティティー」 024
      植民地主義と「人種」概念
      アイデンティティーという用語
      自らを根こぎにした人々
      代替的な拠り所
      暴力の記憶を消す「アイデンティティー」の概念


    II 言語と差別 
    1 子どもの言語習得過程と差別 035
      穢れと差別
      慈愛の声と叱責の声
      善悪の非対称性
      言語習得と因果論
      肛門期の危機
      「キタナイ!」「クサイ!」の攻撃性
      「なぜ?!」という根源的な問い

    2 言語システムと差別のメカニズム 050
      隠されたメカニズム
      囲い込みと排除
      「見下し」と「他者化」
      「偏見理論批判」
      「われわれ」のカテゴリー化
      「われわれ」の一員になること
      価値体系の逆転
      「同化」への強迫観念

    3 『オリエンタリズム』にみる主体と客体の「非対称性」 064
      「書く人間」と「書かれる人間」
      「異文化」をめぐる表象
      「紋切り型」の呪縛からの脱出
      「疑う」という戦略


    III 人種差別主義の言説 
    1 「大日本帝国」への自己オリエンタリズム 073
      永井荷風の『悪感』
      植民地主義文学の記憶
      大日本帝国の現実
      「ひどい力役の国」としての植民地
      「脱亜入欧」の欲望

    2 〈われわれ〉=〈かれら〉という転倒 084
      同じ日本人への悪感情
      野蛮を体現する母と子
      性差における文明と野蛮
      二度「外向け」られた顔
      認識と感情の転換
      「日本の婦人」への嫌悪
      〈われわれ〉と〈かれら〉の転倒

    3 「ミュッセの詩集」が象徴するアイロニー 101
      翻訳できないフランス語
      言語システムの崩壊
      オリエンタリズムの転倒
      日本語とフランス語の間で
      教育勅語と紋切り型言説
      言説上の力関係の解体
      〈われわれ〉を突き崩す
      『悪感』は意識的に書かれたのか


    IV 基本文献案内 117

    あとがき(2006年9月11日 小森陽一) [123-125]
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    投稿日:2015.09.30

  • ujikenorio

    ujikenorio

    小森陽一『レイシズム』岩波書店、読了。21世紀に入ってより強化されているレイシズム(人種差別主義)。本書は現代におけるレイシズムを自他の「差異」「優劣」をねつ造するメカニズムと捉え、差別意識の発生に言語システムが深く関わっていることを明らかにする。現在の差別と対峙する思考導く1冊。

    著者は『エンシクロペディア・ウニヴェルサリス』(アルベール・メンミ執筆項目)に採用された人種差別主義の定義を導きの糸にしながら、差異が差別に転換するメカニズムの不当性(自己正当化と思考停止、不在の優越性への欲望)を概観する。

    定義は次の通り~
    「人種差別とは、現実の、あるいは架空の差異に、一般的、決定的な価値づけをすることであり、この価値づけは、告発者が自分の攻撃を正当化するために、被害者を犠牲にして、自分の利益を行うものである」(エンシクロペディア・ウニヴェルサリス)。


    異質なものとして「表象する」ということは「表象する」たえに使用している言語システムを共有する者たちの間で、「表象する」対象が「われわれ」とは「異」なっているということを、言語として定着する行為の実践が不可欠になる。

    差別意識の発生には「言語システム」が果たす役割が不可欠。著者は言語獲得の構造から解き起こし、ジラール、赤坂憲雄の議論から暴力と排除のメカニズムの特色とその欺瞞を明らかにする。後半の永井荷風のテクスト分析はその経緯を補完する。現在手に取りたい一冊だ。
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    投稿日:2014.05.30

  • radio24km

    radio24km

    1章で人種差別について、2章で言葉について分析をして、最後に永井荷風の「悪感」を使って、テクスト分析をする流れは最後に1章と2章が結びつく感じして好きだったなぁ・・・!分析とか批評って難しいけど、読んでて単純に面白いなー!続きを読む

    投稿日:2013.11.06

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