【感想】公共性

齋藤純一 / 思考のフロンティア
(28件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
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9
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ブクログレビュー

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  • こん

    こん

    今年1番の読書体験。刊行当時(2000年)の日本の現況に触れながらアーレントの思想を語っていくのでどんどん頭に入ってきた。さらに、社会から疎外されている人々の存在と自分の関わり方とあるべき姿について考える言葉が沢山で何度も読み返したい。人と人の間に世界があるのであって、誰かがいなくなると世界が一つなくなってしまうということ。そして誰とも世界を共有できない人がいること。もう一度原典に当たってみる。何を言ってるのか考える。一つのテーマになる。続きを読む

    投稿日:2024.03.24

  • ヨーダ

    ヨーダ

    「誰」と「何」の話はとても面白かった。
    公共性を出発点に個人が持つ姿勢の話まで書かれていて、割と作品鑑賞にも通ずる話(特に現れの空間)もあり、楽しく読めた。

    投稿日:2023.07.10

  • Matatsugu SHITARA

    Matatsugu SHITARA

    公共性とは何なのか、逆に、公共性とは何でないのか。著者はアーレント、ハーバーマスらの記述を用いて、国家と市場の双方から区別される市民社会の領域を描き出す。人々が互いの生と彼らの間に生起する出来事への関心をメディアに結びつく領域としての公共性。しかし、それはユートピア的空間ではない。著者は、その内部に存在する権力的非対称や周辺化の圧力に触れつつ、ハーバーマスやアーレントの「公と私の境」に関わる主張を批判的に汲んで公共性の概念に新たな解釈を付け加えている。続きを読む

    投稿日:2018.10.23

  • キじばと。。

    キじばと。。

    ハーバーマスやアレントによって論じられた「公共性」の概念のもつ現代的な意義についてわかりやすく紹介するとともに、著者自身の立場から批判的に検討をくわえ、公共性のもつあらたな可能性を切り開こうと試みている本です。

    著者は、ハーバーマスの公共性が言説の政治的なレヴェルに限定されていることを批判し、アレントの公共性の議論により高い評価を与えています。しかしアレントに対しても、フーコーが生権力の問題としてあつかった広大な領域を公共性の空間から切り離し、もっぱら行政権力に預けてしまったことは大きな問題をのこしていると指摘します。そのうえで、公共圏と親密圏がどのようにかさなりあっているのかという問題を提起し、その具体的な絡みあいのなかから公共性をよりダイナミックな機能をもつものとして把握するような思索の道筋を示そうとしています。

    「思考のフロンティア」シリーズは、比較的執筆者の問題関心に引き付けたかたちでそれぞれのテーマがあつかわれており、本書も著者自身の考えがある程度明確に打ち出されています。その一方で、主にアレントの公共性の概念が現代の政治哲学・政治思想に与えたインパクトについてわかりやすく解説がなされており、このテーマについてこれから学ぼうとする読者にとっても有益な手引きとなっているように思います。
    続きを読む

    投稿日:2018.06.01

  • saihou 55

    saihou 55

    公共性の概念がこれほど重要なものであるとは全く知らなかった。人間という存在を理解するためのキーポイントであり、石工が石目を発見したような感じである。再読、再再読が必要だ。

    投稿日:2017.03.23

  • yuzuringo102

    yuzuringo102

    公共的空間は、そうした始まりとしての自由が、言葉や行為という形をとって私たちの前に現れる空間である

    公共性とは、閉鎖性と同質性を求めない共同性、排除と同化に抗する連帯である

    公共的空間は、人間が有用かどうかで判断する空間ではない
    、複数の価値や意見の(間)に生成する空間

    思考を「内的対話」としてとらえるならば、思考とはそれ自体ある種の公共的空間である。なぜなら、異質の「自己」が存在するのでなければ、対話は成り立ちえないからである。

    他者の思考に触れ、それによって現状の思考習慣が動揺するとき、私たちの思考は始まる

    世界はあらゆる「間」がそうであるように、人々を関係づけると掃除に切り離す「間」である
    続きを読む

    投稿日:2016.01.13

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