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橘玲 / ダイヤモンド社 (7件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
最近の橘玲ブーム(ニコだけの)の端緒になった本です。 日々の暮らしは恙ないけども、将来にはそこはかとなく不安がある。 この漠然とした不安が、本書を読むと多少なりとも解消されたわけで。 とにかく、まえがきからしてわかりやすいのですよ。 日本経済の未来には、以下の3つの可能性しかない(2012年末時点で) 1、楽観シナリオ…アベノミクス成功、高度経済成長再び 2、悲観シナリオ…金融緩和効果なし、デフレ不況継続 3、破滅シナリオ…国債暴落、金利急騰、高インフレで財政破綻 例え、最悪の3のシナリオになったとしても、危機は徐々に進行するのだから、回避する時間は十分にある、とのことなのですよ。 そして、およそ10年経過した今、どうよ?ってことです。 少なくとも3のシナリオではないでしょう。2から1への過渡期、だったらいいなぁ。 「金融業は市場を通してデータをやりとりする情報産業」であらゆる経済的リスクは金融市場でヘッジする(保険をかける)ことが可能。だから国家破産など怖くないってことです。んで、日本が財政破綻したとき、具体的にどんなことが起きるのか。 1、金利の上昇 2、円安 3、インフレ これだけ。 これらのリスクをヘッジしておけば無問題って、いったいどうすれば?? この本を読めばわかります。特に色分けされたコラムの部分を読めば基本的なファイナンス理論も学べます。消化できたか、身についたのかってのは、また別の話で。 お金に関することはなかなか難しいけど、ニュースにふりまわされちゃイカンなって強く思いました。オススメです。
投稿日:2023.04.05
あああら 1646886番目の読書家
国家破産はこわくない 日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル 改訂版 2013/3/14 日本の財政がたとえ破綻に向かっているとしても、当分は金融資産は 普通預金でもっていればいい 2015年7月25日記述 橘玲氏による著作。 題名にあるように日本の財政破綻の混乱から自分の資産を守るには何をしたら良いのかを示している。 ①日本の財政がたとえ破綻に向かっているとしても、当分は金融資産は普通預金でもっていればいい。 ②日本の財政が破綻したとしても、手近にある金融商品だけで資産のかなりの部分を守ることが出来る。 ③たとえ「海外投資」をする必要があるとしても、ネット銀行の外貨預金で十分だ。 今、国と地方の借金が1000兆円を超えている。 (2000年では500兆円ほどだった) 今までの所、深刻な事態にまではなっていない。 しかしこのまま永遠に国債を発行し続けることは出来ない。 どこかの段階でこの体制は行き詰まらざる得ない。 構造的な問題は現実化するのだ。 本書ではアベノミクスの楽観、悲観、破滅(1~3)ごとに今後のシナリオを設けてそれぞれどうしておけば良いのかというと破滅シナリオの第一ステージまでは普通預金が最強の資産運用なのだという。 財政破綻ときくと円が紙くずになりそうなイメージがある。しかし本書にあるようにある朝、目覚めたら日本円が紙くずになっていた、などということは絶対にない。 あと地味に重要なのは変動金利での住宅ローンはしないということ。 必ず固定金利でローンを組むことだ。 第一ステージ:国債価格が下落、金利が上昇する。 第二ステージ:円安とインフレが進行し、国家債務の膨張が止まらなくなる。 破滅ステージ:日本政府が国債のデフォルトを宣告、IMFの傘下に入る。 どう転ぶか分からない第一ステージでは、普通預金が最強の金融商品。 第二ステージに入れば、以下の三つの対策。 ●国債ベアファンド (日本国債が下がると、利益を生まれる) ●外貨預金 ●物価連動国債ファンド(インフレになるほど、価格が上がる) 可能性は極めて低いが、「預金封鎖」「新円切り替え」などが起こる 破滅ステージでは、以下の対策を挙げている。 ●日本国債ベアETF ●海外銀行の外貨預金 ただ個人的には一日中PC前で色々している事は難しいと思う。 混乱期は会社や家庭でやらないといけないこともきっと多いはずだ。 現実的に出来そうなのは第二ステージなら外貨預金。 破滅ステージでの海外銀行(HSBC等)の外貨預金くらいかな。 あとがきでも著者が指摘しているように、資産運用に成功する黄金率は「金融機関が熱心に勧誘するウマそうな話は全て無視する」ことだろう。 日本の財政破綻を気にしてよくわからない金融商品を買ったりしない事も資産防衛に必要な事に違いない。 2021/12/26(日)記述 文庫版(2018)も出ており、殆ど内容は2015年の書籍と同じなのだが、コラム欄などでいくつかの内容の追加があり、その中でもコラム9世界市場に効果的に分散投資する方法の項目は注目に値する。 特にETFで1554上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本というETFを紹介しており、個人の金融資本を日本国のリスクから完全に切り離した上で、なおかつ世界市場の成長に賭けることができるのです。と紹介している。 この1554のETFが出てきたのは2011年。ただしETFはごく一部を除いて自動積立投資ができない。面倒でも手動で再投資をしていく必要がある。これは小さいところだけれども、人間は面倒くさいことや下落時に平常と同じように積立投資ができるほと強くはない。 その点も踏まえると近年だとインデックスファンドという投資信託を積立投資していくことが最も合理的な投資と言える(橘玲氏もマンガ 投資のことはなにもわかりませんが、 素人でも株でお金持ちになる方法を教えてください2020)の中でインデックスファンドを推薦していた。1554のETFと同じような全世界株式(除く日本)や、S&P500や全米株式に投資するインデックスファンドも1554と値動きはほぼ同じである。その意味において本書が登場した時以上に日本国の財政破綻への備えをする為の金融商品は増えたと言える。もちろん幸運にも日本国の財政破綻はしないまま20~30年後を無事迎えた場合であったとしてもインデックスファンド投資をすることで金融資本を大きく増やす事につながるので、とりあえずはこのインデックスファンド投資はやってみると良い。 普通預金とインデックスファンドで金融資産を構成するのが現段階における日本国の財政破綻に備える個人にできることではないだろうか。銀行の外貨預金は手数料が多すぎるので外貨預金よりもインデックスファンド投資が良いと個人的には感じる。 印象に残った点 日本の財政が破綻すれば深刻な金融危機が起き、国内の株式市場は大荒れとなって日本株は暴落するでしょう。日本はGDPで世界第3位の経済大国ですから、その経済が大混乱に陥れば世界の株式市場も大きな影響を受けることは間違いありません。そんなときに株式に投資するのは自ら進んで損をするようなものではないか、そう思う人も多いでしょう。しかし、世界の株式市場が大きく下落するときこそ投資の絶好の機会かもしれません。 もちろん2008年のリーマンショック後は株価が50%も下落しましたから、「ACWIを買えば必ず儲かる」などということはありません。ただ「世界の株式市場の時価総額に合わせて通貨を分散投資する」などということを個人で(機関投資家でも)やろうとしても不可能ですから、それを勝手にやってくれるACWIはやはり画期的な金融商品なのです。 さらに2011年3月、東証に「上場MSCI世界株」(1554)が上場されました。これはACWIから日本市場を除いた株価指数に連動するETFで、日本の個人投資家のニーズに最適化されています。(日本人投資家はたいてい日本株を別に保有しているので、ACWIでは日本株の比重が高くなってしまうのです) これまでACWIに投資するには、アメリカの証券会社に口座を開設するか、日本のオンライン証券などで外国株取引をするほかありませんでした。以前に比べれば格段に敷居が低くなったとはいえ、大半の人にとっては外国の金融機関を利用したり、外貨建てで投資をするのは不安かもしれません。その意味で、日本株と同様に円建てで取引しながら世界市場に投資できるこのETFは、金融資産をグローバルに分散したい個人投資家にとって究極の金融商品ともいえるものです(円をドルに替える手間が不要なうえに為替両替コストがきわめて低く、ネット証券を使えば売買手数料も格安です)。 ここで改めて確認しておくと「上場MSCI世界株」は円建てで取引されていても、すべての資産が外国株で構成されています。(逆に円高で株価が下がります)これによって、個人の金融資本を日本国のリスクから完全に切り離した上で、なおかつ世界市場の成長に賭けることができるのです。 リスクを取りたくなければ普通預金、リスクを取るならシンプルに株価指数ETFに投資 それと当時に、日本人はあまりにも「合理性」を軽視しています。ネットでもマスコミでも、日本中のあちこちに「合理的なものは不愉快だ」と叫ぶ人があふれています。もちろん合理性は幸福な人生を約束しませんが、その一方で、(ギャンブルで一発当てるような事を別にすれば)市場では合理的な行動からしか富がもたらされないことも確かです。 投資の世界では、感情だけで動く人は”カモ”と呼ばれます。日本という国の経済的リスクが顕在化したときに、感情でしか考えられないひとたちが真っ先に犠牲になっていくでしょう。私はこれは、ある意味、仕方のないことだと考えています。日本人の全てが正しいフィナンシャルリテラシーを持つようになる、などという荒唐無稽な理想を掲げても意味がありません。 インフレ対策なら金を買えばいいのではないかと考える人もいるでしょうが、金投資についての私の考え方は、ウォーレン・バフェットやジム・ロジャーズと同じです。すなわち、金は鉄や銅などの金属と違って工業用としてはほとんど用途がなく、地中から掘り出されて退蔵されるだけで、株式や債券のように配当が得られるわけでもありません。 金に価値があるのはひとびとが「金に価値がある」と思っているからで、貨幣と同じでその実体は共同幻想です。この幻想が続く限り価格は上昇するかもしれませんが、人々が王様は裸だと気づけばただの石ころになってしまうでしょう。 金投資は純粋なギャンブル(投機)なのです。
投稿日:2021.12.26
asaitatsuya
たとえ将来、日本の金融や経済が「破綻状態」になるとしても、ある日突然起きるわけではなく、いくつものステップを経て少しずつ破綻に近づくことを、過去にデフォルトを起こしている国々の実例をおさらいしながら分…かりやすく説明してくれる本。それだけでも少し安心できるし、自分の財産を守るために、どのタイミングで何をすればいいのか明確に書かれており、具体的なアクションに結び付くのが良い。続きを読む
投稿日:2019.05.25
isosilver
意外な普通預金最強説。まぁ、言われれば確かに。となるとほとんどが普通預金と言われる日本は深いダメージにはならない?!
投稿日:2019.03.26
yasz
今までに資産運用・保全関連の書籍を読みましたが、この本の著者である橘氏にはお世話になりました。この文庫本も、オフィス近くの本屋さんで偶々目に留まったものです。前書き(2017年12月に執筆)の情報によ…れば、2013年に単行本にて出版されたものの文庫化されたものです。 第一章の「近未来小説=日本人を待っていた浅い眠り」は面白かったですね、まだ面白い、と言えるのは、ここで書かれていることは起きない(起きないで欲しい)と思っているからなのでしょうね。 そのシミュレーションの通りの未来が訪れたしても、それに対して、自分なりに納得した形で、対応(リスクに対するヘッジ)をしておきたいと思いました。 以下は気になったポイントです。 ・あらゆる経済的リスクは、金融市場でヘッジする(保険をかける)ことが可能である、資産に対して最適なヘッジをかけさえすれば、国家破産は何もこわくない(p10) ・日本経済の未来のうち、1)楽観シナリオ、2)悲観シナリオ、3)破滅シナリオの第一ステージまでは、普通預金こそが最適の資産運用である、第二ステージにおいても、銀行・ネット証券で売っている金融商品だけで対応可能である(p11)」 ・(未来小説)中国の不動産バブル崩壊で日本の株価は大きく下落、急激な円高となった、4割上昇して1ドル=70円を切った(p31) ・(未来小説)新政権の課題である財政健全化により、消費税率30%、年金受給年齢は70歳、医療介護サービス保険料は大幅上昇、自己負担は5割、歯科治療が健康保険から除外された(p38) ・(未来小説)以前勤務していた電機メーカは、インドの会社に買収、同一労働同一賃金のもとで、日本人社員もインド人社員と同じ給料で勤務している、若い個人投資家は、1ドル60円から300円に暴落したなかで巨額の外貨資産で大きな利益を得た(p39) ・日本国の財政が破たんすると、経済的には以下の3つが起きて、それ以外は起きない。1)金利上昇、2)円安、3)インフレ(p57) ・平均的な65歳日本人の資産ポートフォリオは、6500万円で、金融資産は1500万円、年金3000万円、不動産2000万円、一方で40歳の場合は、不動産2000万円に対して、人的資本が1億3000万円である(p169、182) 2018年8月12日作成続きを読む
投稿日:2018.08.12
deki
最初の近未来小説はあり得るなあと この本は後半になるにつれテクニカルな部分が出てくるので理解が難しくなりますσ^_^; まあ普通預金が最強の投資というのは読まないとわからないと思いますd(^_^o)
投稿日:2018.07.07
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
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