【感想】「南京事件」を調査せよ

清水潔 / 文春文庫
(17件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • raga-movie

    raga-movie

    戦争は悲劇しか生まれない。命の尊厳や人権を蹂躙されて精神が蝕まれる。それは加害側・被害側双方であり、どうもこの国は被害側の視点でしか語ろうとしない。それでいいのか、日本の加害もしっかと過去に刻み込まれている。そこを看過するのは罪深い。私たちは加害の出来事を知る学びを大切にすべきである。それが歴史、平和につながる歩みではないか。民族という大雑把なカテゴリーに固執する思想に持続可能性などあるものか。続きを読む

    投稿日:2023.06.27

  • キョウヘイ

    キョウヘイ

    清水潔が南京事件(敢えてそう呼ぶ)の調査報道をしてるってそりゃ読むでしょう。素晴らしい一冊。 NNNドキュメントの該当の回も併せて観たのでわかりやすかった。南京事件は高校の頃に知って、歴史は語る側によって幾つもあるんだという事を理解できた思い出深い話題なので興味深く読んだ。まあ捕虜は1万人単位で殺してるなあというのが合理的な判断だと思う。この調査報道のスタイルはとても素晴らしいと思う。続きを読む

    投稿日:2022.03.30

  • Yukinao

    Yukinao

    南京大虐殺は中学校の時に5行ぐらい登場した。先生が「あまり深堀りしません」と、ほとんどスルーだった。

    大人になって、テレビで知って「嘘だ…信じたくない」と思って、祖母に聞いたのを思い出す。「日本人は悪いことしたの?」と。返事は「うーん、確かあったんだと思うよ。戦争は人が狂うから。」だった。

    それから「第二次世界大戦は、日本がアジア圏を守るための戦争だったけれど、勝者に歴史を書かれて悪者にされた。」という説を容易く信じた。
    おそらく、「信じたいものを信じてしまう」というやつだったと、この本を読んだ今は思う。かくいう私も、清水氏がいう「一点突破派」だったのだ。
    人数がありえないから「捏造に違いない」と。
    そして、日本人を何かと陥れようとしたり、敵視してくる中国人をどこか侮蔑の思いで見ていた。
    近場に中国人がいてもどこか「日本人に、憧れる下級民族」みたいな思いがあったと思う。

    そして、この本を手に取ったのも「捏造を肯定してくれるだろうから」という動機が潜んでいたのは否めない。

    だけど、だけど。
    読んでいる最中に、がっくり心が折れた。
    この中のことに一つ一つ裏付けがあるのも、否定しようがない。何より、日本が「なかったことにしたい」ときの方法が今と全く変わってない。
    愕然だった。

    「自分の見たいものを見たいように見たい」や
    「明確になっていないものを知りたい事実に基づいて早くジャッジしたい」という気持ちは、本当に「知る」ことに結びつかない、ということを、この本(清水氏)はしっかり教えてくれた。
    事実がしっかりと中立に明確になったとき、それは自分にとって不都合な事実かもしれない。だけど、それこそを受け止めるということ。それが「知る」ことなのかもしれないと感じた。

    日本人として、人間として、「過ちは繰り返せない」と痛切に感じた。心に残った1冊。

    YouTubeに、この本が映像になった番組が出ていて、リアルに目視で内容を確認出来て、戦争は本当に人間を人間ではなくしてしまう、と感じました。
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    投稿日:2021.08.17

  • あきやん

    あきやん

    【歴史に興味があっても、なくても読んでほしい】

    「事実は小説よりも奇なり」
    ぼくたちはすべてを見ることができなければ、聞くこともできない。残念ながら、自分自身の目で確かめられることだって限られてしまう。
    だからこそ、真実を得るための「優良な本」が必要なのである。

    様々な資料、調査を経て書かれたこの一冊は限りなく事実に近いものだろうと言わざるをえない。
    続きを読む

    投稿日:2021.03.07

  • Hideyasu

    Hideyasu

    南京が陥落したときの従軍兵士の日記などの一次資料をベースに、徹底的な裏取りを進めていく過程を記録した著作。もともとは民放テレビのドキュメンタリー番組制作のために行った取材の顛末をまとめている。取材を通じて出会う様々な年代の日本人と中国人との対話を通じて著者自身葛藤していく様子もわかる。なるべく多くの人が読むべき本だと考えた。続きを読む

    投稿日:2021.01.06

  • kamitako

    kamitako

    1937年12月、日本軍による南京大虐殺はあったのか、なかったのか。詳細な調査報道により事実を明らかにする著者の真骨頂がここにある。ただ、第5章以降は正直いらないかな...。事実を集積し、クリティカルに論ずることからは若干乖離している。また、他の虐殺についての言及もいらない。それは読者が考えるべきことだからだ。続きを読む

    投稿日:2020.05.31

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