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門田隆将 / 角川文庫 (3件のレビュー)
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総合評価:
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ysdnekomomo1984
このレビューはネタバレを含みます
戦時中、旧日本軍の輸送船が米軍の潜水艦に数多く沈められ、十万人以上の日本人が犠牲となったバシー海峡の存在を本書を読んで初めて知ることができた。 この魔の海峡で、中嶋秀次氏は十二日間も漂流した。漂流の描写は壮絶であった。 また、日本人にはお馴染みのヒーロー「アンパンマン」の生みの親である、やなせたかし氏には、戦時中バシー海峡で亡くなった千尋という弟がいたことも初めて知った。 千尋は幼いころは丸顔で、優しく、京帝大卒で海軍将校になり、前途有為にもかかわらず国のために犠牲になった。千尋は「アンパンマン」のモデルなのだろうと自分も思った。 本書は、埋もれていた歴史事実を教えてくれた。 当時の国家体制から自己犠牲を強いられ、無念の死を遂げた多くの若者のことを考えるきっかけとなった。 だからこそ、作者の「アンパンマンを通じて、自己犠牲という日本独特の価値観であり、生き方が、世界に広まっていくことを願わずにはいられない。」という件には、納得できないものを感じた。
投稿日:2021.10.17
べすこ
パシー海峡の戦闘で奇跡的に生還し後の人生を戦友たちの鎮魂に捧げた中嶋秀次氏と同じ戦闘で弟を亡くしたやなせたかし氏のノンフィクション。いまの平和な時代はこうした数多の方たちの犠牲の上にあることに感謝しか…ないです。そして、自分より優秀な下のきょうだいを亡くしたやなせ氏の無念が痛いほど分かります。アンパンマンの自己犠牲の精神は弟さんだったのですね。続きを読む
投稿日:2019.09.10
tom555
人としての出来の良し悪しというのは、命の重さに関係はないけれど……、それでもやはり大変優秀な若者が亡くなったという悲惨な事実。忘れ去られて行っているという厳しい現実。 大正5年生まれのおじいちゃんと同…世代だから身近に感じることもあり涙が止まらない。 戦争は否定してもいいけれど、命を懸けて日本を護ってくれた英霊には、ただただ感謝しかない。 あとがきにあるように、歴史は事実と体験。現実としてそのまま受け入れる鍛錬が必要。決して遊び道具にしてはいけないと怒りと共に思う。続きを読む
投稿日:2018.06.18
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