【感想】お話はよく伺っております

能町みね子 / 文春文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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ブクログレビュー

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  • 四木

    四木

    「文庫版まえがき」で著者さんが語っているように、テンションが高い文章なので、好き嫌いは分かれると思います。(びっくりマークが多い、太字を多用している、くだけた口調の語り……等)
    噂話で盛り上がるお昼の情報番組をゆったり眺めるような気持ちで、気楽に読むと良いかもしれません。


    2024/03/08 p.3-135

    p.3

     と、政界に進出したい私は、崇高な理念を掲げておるのであります!
     政界に進出したいというのはウソであります。

    高速手のひら返しにびっくりしました。こういうノリの本なのですね。

    目次
    “ギャル自治区”がその1〜3まであるのが気になります。そんなにギャルがいる場所があるのですか。

    p.15

    今回の熱い言葉:役立たずでも、生きていて
    いいんだよ。

    不覚にも、ちょっと泣きそうになりました。

    p.72
    “近所の裏通りの民家の壁に、貼り紙がありました。”
    (中略)
    “[上を見てください/「藤」が咲いています]”
    こんな貼り紙があったら、きゅんとしますね。季節の移り変わりを1人だけで楽しむのではなくて、周りに共有する優しさが好きです。
    これはもしや、ご高齢の方のSNSでは? と思いました。わたしたちも良いと思ったものを「見てください」と投稿することがありますから。

    p.105
    “ひとりはガングロ。”
    (中略)
    “ガングロってまだいるんだなあ、でもだいぶソフトな色になったなあ、”
    ガングロってまだいるのかぁ、と思ったら著者さんも同じことを考えていたようです。現代のガングロはほんのり焼けているのですね。

    p.122
    “なんと、ハート形の花火が上がった。”
    (中略)
    “「あ、ほらっ! 今ハートの……! あれってさあ、オッ……オレたちがラブだからかなぁ」”
    ハートの花火を見て咄嗟にそれを言える小学生、凄いです。がんばった! えらい!

    p.122
    “成人男性には絶対言えない最高の告白だ!”
    確かに成人男性は言えないですね。この時期ならではのことばです。

    p.134
    “社長は若社長にも声をかけ、いつの間にか若社長は社長のテーブルへ。ビールのおごりあいをしながら終始なごやかにお互いの話をしていたのである。”
    良いと思ったものをシェアして穏やかに過ごす社長(仮)さん、すてきです。前のエピソードに出てきた貼り紙の方と似た優しさを感じます。

    知り合いですらまともに話せないことがある身としては、お店で知らない人に声をかける勇気があるのは、本当に凄いです。奢るなんて、なおさら。
    心が広い方ですねえ。


    2024/03/09 p.136-280

    p.137

    A「てへんにね、妻って書きかけてやめる。で、下が走ってる感じ」
    『捷』か‼︎

    (中略)

    今回の豆知識:『捷』は、はやい、すぐれている、などの意味を持ちます。よい字です。

    へぇ〜! この字、初めて知りました。
    音読みで「ショウ」(今回作中で出てきた読み方)、訓読みで「かつ・はやい」だそうです。確かに速そうな見た目です。

    漢字を見たら、確かにAさんの説明は素晴らしいです。ただ、わたしも咄嗟にこの字が出てこない気がするので、この素晴らしさに気付けない気がします……。申し訳ないです。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.09

  • brazil-log

    brazil-log

    能町みね子「お話はよく伺っております」https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167909680 雑踏でカフェで電車内で、耳に入ってくる他人の会話の断片を拾って妄想をひろげるエッセイで、くだらなくてすばらしい笑。特に「捷」の字のくだりは声出して笑ったよ。ゴシック体を混ぜて強調するレイアウトに時代を感じるぜ(おわり続きを読む

    投稿日:2021.02.27

  • haru2012

    haru2012

    人間観察エッセイ。名もなき市民の声なき声に耳を傾けてみたい。知らない人の会話をひとまとまり、ただ隣にいて盗み聞きし、集めて、ほくそえみたい。たまにそこから勝手に妄想を繰り広げて。私はいまもこの趣味を続行しております。

    楽しく面白くピックアップ。そっかー、私もやってみようって思えるほどに。
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    投稿日:2020.03.02

  • violinprince

    violinprince

    街中でふと耳にした会話から、たくましく妄想をふくらましていく。そんな内容の本です、はい。

    とはいえ、他者をおとしめるようなことはなく、どちらかというと、そうした見知らぬ人々へのエールにつなげていくような、そんな妄想の展開の仕方です。筆者いわく一種の“脳トレ”であるとか。

    今度電車に乗ったら、周囲の見知らぬ人たちの会話にちょっと耳を傾けてみようかなと、そんな気にもさせてくれる1冊です。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.10

  • ta23

    ta23

    知らない人の話を電車の中や飲み屋なんかでこっそり聞くのは面白い。能町みね子さんもそうだったんだ。だけど買うまでの本じゃないよね、と図書館に予約したら半年以上待たされました。
    多分私と同じような趣味で同じようにけち臭い人が多かったのだろうし、図書館側も予約待ちは多いけど複本揃えるほどでもないねってことだったのだろう。
    能町みね子さんはタモリ倶楽部やお相撲番組でよくお目にかかる。「散歩の達人」のエッセイも楽しい。これからもご活躍をお祈りしますということで、星の評価はいらないんじゃないかな。
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    投稿日:2018.08.24

  • nari-aki

    nari-aki

    喫茶店、カフェ、電車…。

    他人にちょっとした話に聞き耳を立て、話をふくらませる。

    これはこれで、すごい能力。

    軽く読めるエッセイだった。

    投稿日:2018.08.10

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