「司馬遼太郎」で学ぶ日本史

磯田道史 / NHK出版
(60件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
13
28
12
4
0

ブクログレビュー

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  • そらくも

    そらくも

    司馬遼太郎さんの描く歴史小説を、冷静に分析しつつ、そのエッセンスを熱く示してくれていると思います(^^)

    投稿日:2021.02.07

  • Chocolatte

    Chocolatte

    このレビューはネタバレを含みます

    第二次大戦中、陸軍の戦車(走る棺桶)連隊に配属され終戦を迎えた司馬遼太郎が、終戦後「なんとくだらない戦争をしてきたのか」との思いに悩む。これが、司馬の日本史に対する関心の原点となったという。
    その陸軍を作り上げた権力体のもとを辿っていくと、織豊時代に行き着く。その戦国から、幕末、明治の小説を取り上げながら、司馬遼太郎が「鬼胎」と呼んだ昭和初期の「日本人の姿(メンタリティ)を見つめ直す」構成になっている。

    日本人には2つの側面(p.54)があるという。
    ○合理的で明るいリアズムをもった、何事にもとらわれない正一面
    ○権力が過度の忠誠心を下のものに要求し、上意下達で動く負の一面
    歴史を動かす人間」とは、もちろんひとつ目の人間である。「思想」で純粋培養されたひとではなく、医者のような合理主義と使命感を持ち、「無私」の姿勢で組織を引っ張っていくことができる人物(例えば大村益次郎)である。

    なぜ日本の陸軍では不合理がまかり通ったのか。深く考えないという日本的習慣はなぜ成立するのか。明治時代の日本の軍隊は常に新しい強力な武器を持って相手を圧倒する精神があったかもしれないのに、いつからそのような国になってしまったのか(p.71)。
    司馬が「鬼胎」と呼んだ時代の萌芽は、日露戦争の勝利(日比谷焼討事件)にあるという。「日本国と日本人を調子狂いにさせた」(p.149)。多くの軍人が「華族」になり、隣国など他者を貶めて優越感を感じる「歪んだ大衆エネルギー」にも繋がった。もし勇気あるジャーナリズムが日露戦争の実態を正しく伝えていれば、これ以上の長引く戦争は日本を自滅させることがわかったはず(他にも、日本に大きな負の要因要員をもたらした。太平洋戦争で、ソ連が仲裁に働くという期待から、戦争を長引かせ被害を甚大にした。北方領土問題も作り出した)。

    時代を変革するために必要なのは、「合理主義」と「客観性」。そして「リアリティ」と「変化に対応できる柔軟な頭」。こうして、国・集団を誤らせない、個人を不幸にしないリーダー像を司馬遼太郎は描く。
    そのリーダー像の対極にあるのが、伝統(形式)に囚われた人物や組織の在り方、合理主義とは相容れない偏狭な「思想」にかぶれて仲間内だけしか通用しない異常な行動を平気で採ってしまう人や集団。「思想」は人間を酩酊させる。この結果が、敗戦(300万人を超える不条理な死)であった。

    最後に、日本人の最も優れた特徴は「共感性」(いたわり)だという。日本語に主語がないのは「無私の心」があるからだともいう。相手の気持ちになりやすい。気持ちが溶け込んでいる。異文化の人にも適応し理解できる能力、そして「自己の確立」。これらが21世紀に生きる人に重要だと締めくくる。それにしても、司馬遼太郎の小説から受取るメッセージは、現代と未来の日本人に向けた強烈なメッセージでもあると改めて痛感する。

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    投稿日:2020.12.11

  • charichari2004

    charichari2004

    何となく知っていて、頭のなかで整理したかったことが、明瞭に分かりやすく書いてあり、とても良かった。何で敗戦へと突き進んでいったのか、何を学ぶべきか良く理解できる。

    投稿日:2020.09.26

  • みんみん

    みんみん

    新書はほとんど読んだことがない。学生時代に仕方なく課題として読んだぐらいで。実は「司馬遼太郎」さんの本も未読。少し恥ずかしいなと思い、「いざ!」読む前に初心者の心構えが知りたくて読んでみた。読みやすくて、わかりやすくて、作品と歴史の関わりも知ることができ、司馬遼太郎さんの考え方も少し知ることができ、読んでよかった。続きを読む

    投稿日:2020.05.18

  • yokoyokoyoko1981

    yokoyokoyoko1981

    司馬遼太郎の小説は、明治前後のものが多いが、本書を通して昭和という時代をどのように捉えていたかを知ることができる。青春時代を戦時中で育ったゆえに、原点は昭和にあるのかもしれない。

    投稿日:2020.04.22

  • ゆーなり

    ゆーなり

    このレビューはネタバレを含みます

    「なぜ昭和の戦争で陸軍が暴走したのか」というテーマのもと司馬遼太郎が作品を書いていたことを説明し、その作品を紹介する形で日本人がたどってきた歴史を振り返り、今後私たちが同じ誤ちを繰り返さないように何をすべきか、本書の最後に司馬遼太郎の言葉を引用して締めている。
    それはずばり共感性と自己の確立。
    本書で紹介されている司馬遼太郎作品を読んでみようと思った。

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    投稿日:2020.03.03

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