【感想】新約聖書 1

新共同・訳, 佐藤 優・解説 / 文春新書
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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ブクログレビュー

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  • Nanamam73

    Nanamam73

    はじめてキリスト教を知ろうと手に取った。
    100分で名著の新約聖書と合わせ、挑んだが、やはり難解。わかるようで、わかったふりをしたくなるが、やはりよくわからない言葉が続く。
    また時間を置いて、開いてみよう。続きを読む

    投稿日:2023.08.23

  • よっしい

    よっしい

    生まれて初めて通読した聖書は、佐藤優氏による新書となりました。

    現代語訳で書かれる、ここまでわかりやすくなるのか、と驚きます。
    また、これまで忌避していたのは、その内容以上に
    「版が古すぎて文字が小さ過ぎる」とか、
    「かなの遣いが自分の感覚にしっくりこない」というような副次的な要因だったかもしれません。

    何より、読む理由がなかった。

    今回は参加する読書会のテーマ本ということで手にしましたが、そうでなければ手に取ることも無かったでしょう。周りでも、読まずに一生を終える人も多いに違いありません。

    読んでみてどうだったのか、と問われたら。

    一番は、「宗教を信じるか、信じないか」という究極的な対決を始めるのではなく、彼の言い回し、人間への洞察が鋭い点にうなりました。

    宗教書としてではなく、ビジネス書としての観点です。私がいま仕事をしているという理由もあるでしょう。

    例えば、福音書の中に、「なぜあなた(イエス)は、人に話す時に例え話ばかり使うのか?」と聞かれる一節があります。

    彼はこたえて、
    「神(私は「真理」と書き換えたほうがしっくりきます)に近い人間は、それを言葉通り理解できるが、神(真理)に遠い人間にはそのまま話してもちっともわからない。自分たちが普段触れているモノを用いた例え話でなければ伝わらないのだ。」と弟子たちを諭す。
    自分が葡萄やパンや、らくだを真理を伝えるための道具として使っていることを認めるのです。

    その中でも、私の中では「時が経った葡萄酒が全て酸っぱくなるわけではない。」というセリフが心に残りました。自分に「酸っぱい」中年としての自覚があるからでしょうか。


    相手の理解のために例え話を使う。宗教を抜きにして、コミュニケーションに必要不可欠な要素です。

    概して宗教意識が低い私や身の回りの人間からすると、宗教書を眉唾なフィクションとして軽視してしまいがちです。しかし、そういう観点ではない見方がありました。

    一人の人間は「人の生き方はかくあるべき」と万人伝える時。自らインフルエンサーを名乗る時の思想や手練手管は、東西問わず、学ぶことがあるのです。


    そして、もう1つ。私の誤解として読んでいただきたいのですが、
    新約聖書は、
    「いい生活を送るための100の小さな哲学」
    (ナザレ出身のイエス著・●婦の友社刊)と受け取っています。

    すでに述べたとおり、聖書は、一般の人にもわかるように、例え話や、誇張したエピソードをふんだんに盛り込んでいます。
    ただ、そのフィクションがあまり秀逸で、人の心に刺激的であったため、虚構が、実際の話と同等の価値をもってしまった。
    結果、「実用書コーナー」に並ぶはずだった本が、「宗教書」に格上げされてしまったのではないか、と受け止めました。

    余談ですが、「クトゥルフ神話」という概念は、ラブクラフトという人が基礎を組み立てた近代フィクションなのですが、本屋によっては、「神話・宗教」カテゴリーに関連本が陳列されている時があります。あれは冗談のつもりなのか、本気なのか・・・気になります。

    さて、アドラー心理学本のベストセラー、嫌われる勇気の著者、岸見 一郎さんがこんな言葉を使っています。
    「宗教が、ある1つの真理を見極めたら、そこから先には進まない。先の見えない橋を降りるような生き方だとしたら、哲学は少し違う。哲学は、先が見えない橋から降りず、ずっと歩き続けることである。」

    聖書の言葉にも同じ感覚を覚えました。
    新約聖書にテキストとして残っていることは、イエスが哲学をする上で用いたレトリック(手段)の切り抜きであって、それが宗教化している。実はその先にもっともっと深いなにかがあるのではないかと思うのです。
    そして、もっともっと先の「何か」最後まで突き詰めようとするのが、「哲学」。逆に人にはわかりようが無いものとして受け入れるのが「神」という考え方。
    こう自分の中で注釈をつけながら読んでいくと、初めて手にした聖書が少し飲み下せる何かに変わっていく気がしました。

    この初めての1冊を通じて、「神」「真理」といった、知っているけれど、使いこなせていない語彙の意味が深まった気がします。よい1冊でした。


    ちなみに続刊は、友人からは「難解だからあまりすすめない」と言われています。
    どうなんでしょうか・・・気になります。
    続きを読む

    投稿日:2022.12.18

  • kei2007jp

    kei2007jp

    個人的に尊敬している方に、「初めて聖書を読むならどれがいいですか?」とお尋ねしてこちらを購入しました。
    「ヨハネによる福音書がいちばんおもしろかったです。

    投稿日:2020.12.21

  • もちべえ

    もちべえ

    新書の聖書で、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネによる福音書と、佐藤優氏の解説が載っています。各福音書はイエスの生涯を描いていますが、同じストーリーを4回読むことになります。聖書は初めてですが、結構読むのに時間がかかってしまいました。続きを読む

    投稿日:2018.10.13

  • ikuodanaka

    ikuodanaka

    新共同訳での新約聖書のうち4つの福音書を収録し、
    それぞれに佐藤優氏の解説が添えられている。

    通常、聖書と触れ合う機会というのは教会での説教で断片的にーというのが多いため
    通読を前提とした(その結果、新書という体裁をとった)本書は新鮮だった。

    ゴルゴダの丘でのセリフひとつとってみても、悲嘆にくれながら絶命するマタイ/マルコの福音書と聖人然とした態度を貫くルカの福音書で全く印象が異なる。

    ルカ、ヨハネによる福音書が物語としての肉付けもされており、初読者にはとっつきやすいと感じた。
    続きを読む

    投稿日:2018.09.18

  • ホトケ

    ホトケ

    佐藤優氏監修の新書版新約聖書。イエスのカエサルのモノはカエサルにとかのエピソードも今までは気にもしなかった。しかし佐藤優氏の解説でYESNOどちらでも駄目な答えをぶち壊す一流の解答という事が分かった。
    この本に限った事では無いが弟子の裏切りが心に残る。ユダではなく鶏が3回鳴くまでに貴方は私の事を知らないと言うというエピソード。絶対に裏切らないと言っている奴ほど信用できないという事か。むしろ裏切りを指摘されて売り飛ばしたユダに漢気を感じなくも無い。
    続きを読む

    投稿日:2017.08.04

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