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倉本一宏 / 講談社現代新書 (11件のレビュー)
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ktsubaki1012
h10-図書館2018.2.12 期限延長3/6 読了/ 返却3/5h10-図書館2018.3.9 期限3/23 読了3/21 返却3/22
投稿日:2024.04.26
smatoga
対外戦争を行っていたのは古代と現代しかないというのが、世界史で見ても稀なのだなとつくづく感じる。古代にあっても戦場となるのは多くが半島であり、せいぜい九州の一部となっている。こうした現場から遠く離れた…ところで国としての判断がされていくという構図は、第二次大戦に繋がるものがあるように感じられてならない。 常に正しい情報が伝わらず、自分に都合のよいように解釈してしまうという文禄の役の原型がすでにここにある。 NHKの半藤さんの番組で、日本はWWⅡまで負けたことがなく、負け方を知らなかったというのを見て、古代であっても日本の国内に攻め込まれ、負けたという事実がないことが、いびつな半島への感覚を育ててしまったのだなと感じた。続きを読む
投稿日:2022.11.19
ゴンチャロフ
明治維新以降を除けば、日本が海外での戦争を経験したのは①5世紀の対高句麗戦、②7世紀の白村江の戦、③16世紀の朝鮮侵攻の3回である。本書の対象である古代史に限ると①②の2回になるが、著者によれば実はこ…の遥か昔の戦争が近代日本のアジア侵略にまで影響を与えたのだという。 古代朝鮮は分裂と統一を繰り返し、各国は超大国中国に朝貢して冊封を受け、軍事指揮権の叙任を求めた。同時に一部の国は日本(倭)にも援助を求め、そしてその日本も中国に朝貢し朝鮮での軍事指揮権認定を求めていた。主要な舞台は朝鮮半島であったが、これに北東アジア全体が関わっていたのである。 当時、中国(宋)から新羅と加耶諸国への支配権を認められたことは、その後の日本の対外認識に極めて重大な影響を与えた。朝鮮半島を統一した新羅、ついで高麗に高圧的態度で臨み、これに新羅海賊の入冦、元・高麗軍の侵攻(元寇)が加わって新羅・高麗を敵国視する心性は否応なく増幅されていった。 一方、朝鮮にとって日本は中国の冊封を受けていない化外の地であった(李氏朝鮮は1897年まで清朝の冊封を受けている)。結局、中華帝国の下でいずれが上位かをめぐる日本と朝鮮との相剋が、現代の日韓関係にも強い影を落としているわけだ。当否を論ずる以前に、事実を「冷静に、そして正確に理解」する必要がある。続きを読む
投稿日:2021.02.21
his360
古代日本における対外戦争の歴史、というよりは戦争も含む外交史といった趣き。この時期に形成された対外認識が、近代日本における侵略戦争の思想的淵源となったとする叙述は興味深いものがあった。
投稿日:2020.09.01
ドラソル
日本古代史において、いかに朝鮮半島と関係があったかをつづった一冊。 現在の日本史では大陸と断絶してるように感じることが多いが、そうでないことがよくわかった。
投稿日:2019.12.16
kantamrt
このレビューはネタバレを含みます
7世紀の東アジアでは、地域覇権国唐が、朝鮮半島において新羅を援け、高句麗と百済と対立する展開を見せていました。 ここに、かねてより百済と関係の深い倭国(日本)が、百済の救援要請にこたえる形で半島に出兵し、唐・新羅連合軍と一戦を交えることとなるのが、白村江の戦い(663年)です。 百済・倭連合軍は敗れ、中大兄皇子や藤原鎌足は倭国の中央集権国家としての求心力を強化することに尽力し、唐からの脅威に備えるため、各地に防衛施設を整備します。 この過程で、地方豪族の力が削がれ、中央権力が地方に行き届く律令国家成立の素地が作られたようです。これを最終的に完成させたのが、天武天皇です。 白村江の一戦は、日本が国家としての発展を加速するカタリストの役割を果たしています。島国である日本が大陸の情勢と無縁でなく、東アジアのダイナミズムの影響を受けていたことが良く分かる良書でした。
投稿日:2018.11.10
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