【感想】論理哲学論考

ウィトゲンシュタイン, 野矢茂樹 / 岩波文庫
(61件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
26
14
9
2
1

ブクログレビュー

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  • のとくり

    のとくり

    このレビューはネタバレを含みます

    この一冊ですべての哲学を終わらせる、と聞いて憧れて買った。いまだに内容はよくわからないものの、自分の理解では「我々は当たり前のことしか語れない。その裏にあるものは語れない。だから哲学は無意味だ」。

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    投稿日:2024.03.16

  • 横

    論理哲学論考
    著:ウィトゲンシュタイン
    訳:野矢 茂樹
    岩波文庫 青689-1

    難書 雰囲気しかわかりませんでした、第一、数学に出てくる用語でも、意味がよくわからない
    論理式の展開についてゆけないで

    ■論理哲学論考(本文)

    第一感、岩波文庫にしては、行間がゆったりしていて見やすいというものでしたが

    次に、第二感、なんじゃこれは、番号と文章がひたすら、巻末までにならんでいる
    つまり、「論理哲学論考」はネスト構造(入れ子)になっている、一連の命題と思われる
     
    1世界は成立していることがらの総体である
    1.1世界は事実の総体であり、ものの総体ではない
    1.11世界は諸事実によって、そしてそれが事実のすべてであることによって、規定されている

    7語りえぬものについては、沈黙せねばならない

    そして、4.xxx ころから、数学の集合論と、論理記号が含まれるようになる
    数学ではなく、定義があいまいな言葉を対象として論理を扱うので、違和感がありました

    目次には展開されていないので、本書の構造を見出しのレベル1と2のみ記載すると以下のようになります

    1.世界は成立していることがらの総体である
    1.1 世界は事実の総体であり、ものの総体でない
    1.2 世界は諸事実への分解される
    2. 成立していることがら、すなわち事実とは諸事態の成立である
    2.1 われわれは事実の像を作る
    2.2 像は写像されるものと写像の論理形式を共有する
    3. 事実の論理像が思考である
    3.1 思考は命題において知覚可能な形で表される
    3.2 思考は命題で表現される
    3.3 命題のみが意味内容をもつ
    3.4 命題は論理空間の中に一つの領域を規定する
    4. 思考とは有意味な命題である
    4.1 命題は事態の成立・不成立を描写する
    4.2 命題の意味とは、事態の成立・不成立の可能性と命題との一致・不一致である
    4.3 要素命題の真理可能性は、事態の成立・不成立の可能性を意味している
    4.4 命題は、要素命題の真理可能性との一致・不一致を表現したものにほかならない
    4.5 いまや、もっとも一般的な命題形式を提示することができると思われる
    5. 命題は要素命題の真理関数である
    5.1 真理関数は、一列に順序づけられる
    5.2 諸命題の構造は互いに内的関係にある
    5.3 すべての命題は要素命題に真理操作を施した結果である
    5.4 ここにおいて、「論理的対象」すなわち「論理定項」は存在しないことが示される
    5.5 いかなる真理関数も、要素命題に次の操作を反復適用した結果である
    5.6 私の言語の限界が私の世界の限界を意味する
    6. 真理関数の一般形式はこうである [数式が入る]
    6.1 論理学の命題はトートロジーである ※トートロジー 同語反復
    6.2 数学とはひとつの論理学的方法にほかならない
    6.3 論理学の探究とは、(可能な)すべての法則性の探究にほかならない
    6.4 すべての命題は等価的である
    6.5 答えが言い表しえないならば、問いを言い表すこともできない
    7. 語り得ぬものについては、沈黙せねばならない

    もともと、哲学とは、論理であるから、わざわざ論理哲学としなくてもいいとおもっていましたが、論理記号をつかった哲学という意味なのでしょうか 数を扱う論理学が数学であるのに比して、言葉を扱う論理学が論理哲学論考と理解しました

    ウィトゲンシュタインの時代は以下とされています

    前期 論理哲学論考 略して論考
    中期 哲学的文法、青色本
    後記 哲学探究 略して探究

    ■ラッセルによる解説

    ・ウィトゲンシュタインが扱っている問題とは、ある事実が他の事実に対するシンボルとなりえるためにはそこにどのような関係が成り立っていなければならないのか⇒論理的問題であり、彼が扱いべき問題と解いています

    ・記号体系に関して論理学は2つの問題を扱っている
     ①いくつかのシンボルを組み合わせたときに、それが有意味なものとなりナンセンスにならないための条件は
    なにか
     ②シンボルないしシンボルの組み合わせにおいて、その意味あるいは指示対象が一つに定まるための条件は何か

    ・これまで哲学的なことについて書かれてきた命題や問いのほとんどは誤っているのではなく無意味である

    ・彼は、言語表現を幾何学における射影になぞらえている

    ・記号体系に関する理論を、「われわれは事実の像を作る」と主張するところから始めています

    ・事実の論理像が思考であると言っています

    ・哲学の目的は、思考の論理的明晰化である 哲学は理論ではない、活動である
     哲学の本質は、解明することにある

    ・ラッセル氏は、論理哲学論考を数学的に改良を必要なものとし、有限の数しか扱えないといっています

    ・困難が特に際立ってくる問題は、一般性の問題といっています

    目次
    凡例

    論理哲学論考


    バートランド・ラッセルによる解説

    訳注
    訳注補遺 論理記号の意味について
    訳者解説
    索引

    ISBN:9784003368916
    出版社:岩波書店
    判型:文庫
    ページ数:280ページ
    定価:850円(本体)
    発行年月日:2003年08月
    発売日:2003年08月19日第1刷
    発売日:2015年05月07日第20刷
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    投稿日:2024.03.11

  • planets13

    planets13

    「六・四一 世界の意義は世界の外になければならない」(p.144)
    ひとつひとつのセンテンスはとても簡潔。相当に考え抜いて書かれた本なのだろう。そのエッセンスはよくよく噛んで飲み込まねばもったいない。

    投稿日:2023.12.24

  • 1967828番目の読書家

    1967828番目の読書家

    言語哲学における重要文献

    フレーゲ、ラッセルの築いた礎に立ち向かうべく著された意欲作であり、出版のために解説を担ったラッセルですら十分に理解できていなかったという点も含め「ウィトゲンシュタインの衝撃」がいかに大きかったかを感じることができる。

    哲学論究まで時間をかけて今後分析を進めていこうと思うが、事実/事態の区別、すなわち現実と可能性の峻別という視点、語り得るものと語りえないものを明確化しようとする思索は、示唆的なものが多かった。
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    投稿日:2023.11.12

  • 栗

    語ることができない事柄の前では、沈黙しなければいけない。

    古代の人々は神と運命を前にして歩みを止めたように。

    明日太陽が上るというのは仮説でしかない…私たちはそれを知っているわけではない。

    地頭がちがうとここまでわけがわからないのか…
    私は勝手に私が閉鎖病棟にいた時に書いてた日記を思い出しましたよ、小難しいことを考えてしまう性格なのですよ、この人も!

    自然法則を説明できるなんて勘違いしないことだ、我々が持っているのはただの仮説でしかない?という?
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    投稿日:2023.07.14

  • Flooding Throne

    Flooding Throne

     ピエール・アド「ウィトゲンシュタインと言語の限界」後に再読。学生時代に1度、社会人のまだ若い頃に1度読んでいるが、今回改めて自分の読みの浅薄さを思い知らされた。丁寧に読むとかなりの時間を要する著作なのに、あまり読むのに苦労した記憶がないのだ。野谷茂樹氏の訳者あとがきに「『論考』という著作は妖しい光を放っている。読む者を射抜き、立ち止まらせ、うっとりさせる力を擁している。それはおそらくすばらしいことなのではあるが、危険でもある。うっとりしながら哲学することはできない。」とあるが、若い頃の僕はまさに『論考』の詩的かつキャッチーなセンテンスにうっとりし、それだけで何事か重要なものを把握したような錯覚に陥っていたのだ。それはもちろん僕だけではなかろう、本書からあの「語り得ぬものについては沈黙せねばならない」という命題のみを形式的に取り出し、「未だわかっていないものについては結論を出してはならない」などという陳腐で卑俗な読み替えを適用し、それをもって本書の主題だとする例に数多出くわすのだから。
     
     以前読んだ時は、クライマックスの命題6.4あたりからそれまでの理知的な論調から離れて、「倫理」「美」「神秘」「永遠」などの形而上学的な色彩の言葉が並ぶのに面食らい、なぜウィトゲンシュタインがそのような論理的なものから遊離した(と当時の僕には思えた)概念をこの段に及んで持ち出すのか、と訝しんだ記憶がある。だが上記「…と言語の限界」を経由した今ではそうは思わない。世界を「完結した総体」として「永遠の相のもとに」捉えると、そこには確かに論理では語り得ぬものが浮かんでくる。「倫理」や「美」「神秘」は、「物自体」のように全くリーチ不可能な形而上学的概念ではなく、言語の形式では表現できないが確かに我々に示されるものであり、だからこそ畏敬の念を伴って表されるものなのだ。
    続きを読む

    投稿日:2022.09.19

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