【感想】私たちはどこから来て、どこへ行くのか

宮台真司 / 幻冬舎文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • aishiy

    aishiy

    進む社会の分断、台頭する排外主義、ポピュリズム。我々が依拠する基本的人権や民主主義の価値が足元から揺らいでいる今、社会を構築する一歩を踏み出さなくてはならない。

    投稿日:2023.03.08

  • こーせー

    こーせー

    注釈が充実。議論は正直難解だが、伝えたいことを繰り返し記述していて、切迫感が伝わる。中間項の消失という問題は、本が書かれて数年経った今も変わっていないと感じるが、また新しい議論も気になる。

    投稿日:2023.01.17

  • jerico

    jerico

    出版されてからだいぶ経つが、2022年の現在迄に、この当時に想像できなかった事が起こっている。
    そして宮台氏自身の身にも。
    果たして宮台氏はこれからどんな論説を発表するのだろうか。

    投稿日:2022.12.23

  • izusaku

    izusaku

    このレビューはネタバレを含みます

     本著者の本は「日本の難点」に次ぐ2冊目だ。
     なるほど、著者はずっと学問的な根拠によって社会現象を説明し、学問的根拠をもって社会に働きかけているんだ。
     実は図書館で借りて2014年第1刷発行版を読んだのだが、2022年のいまとなって著者が危惧する民主主義の危うさがより顕著になっている印象だ。
     「自立した共同体」が「自立した個人」を育み民主制を充実させる。なるほど。「自立した共同体」を建設するべく内発的な動機に基づく「参加」、それに、地域(共同体)による「包摂」(つながりによる共助?)を進めるべきであると。
     学問に立脚しながら実社会を見つめながら透徹した思考を展開する著者に脱帽、眼を開いてもらった。ありがとう。

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    投稿日:2022.11.26

  • mamo

    mamo

    宮台社会学35年分のエッセンスが講演記録などでわかりやすくまとめてある。

    袋小路に入り込んだな〜と感じる日本社会について、社会学という視点でするどく分析した論考のかずかず。

    わたしが思っていたより、状況は絶望的だったのだ。。。。と暗い気持ちになる。

    さて、ここからどう進むのか、が問題だ。
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    投稿日:2022.06.27

  • 海外おやじ

    海外おやじ

    このレビューはネタバレを含みます

    端的に言えば、本書は宮台氏による日本論であると思います。
    あとがきに「衒学的」とある通り、確かに時に言葉遣いは思想業界用語のクロスオーバーとなり思想・哲学・社会学に馴染みのない方には到底すんなり理解できるものではないと思います。しかしながら、良くも悪くも短編集の寄せ集めの体を成すことから、筆者の主張したいこと・思いは、繰り返し語られることでおおよその理解ができる形になっていると思います。

    ・・・
    宮台氏の若者論はブルセラや売春などの事象を取り上げることで「いろもの」の感がありました。しかし論の根っこは日本社会論があると思います。

    とどのつまりは日本社会が若年層を滋養する<生活世界><中間世界>を失ったということです。なぜこうした中間組織がなくなったかと言えば社会が自由主義的になり、ヒトモノカネが自由に行き来するようになったからだと思います。過剰流動性により「まともに生きること」と「うまく生きること」に乖離が発生し、うまく生きるだけの自己に自ら価値観を見出せなくなる傾向。あるいは「こんなはずじゃなかった」という落胆。

    その落胆の先にかつては北朝鮮であったりデモであったり、いわば埋め合わせる思想や理念(中間世界ですかね)が存在した。しかし今はあらゆる相対性の中で何でも選べるので何も選べない。自己の揺らぎ。

    かつては地域や学校や或いは会社や、それこそ家族(生活世界ですかね)が受け止めていた包容力を失い、若者は「居所を失った」結果、承認を求めて売春やブルセラ、ネトウヨ、うボランティアに走る、と言うような論調だと思います。ここ以降が良くわかりませんが、きっとこうやって何物かの”他”なるものによって自己を埋め合わせるようなことを「終わりなき日常」と言っているように見えました。いわば、自分探しは否定的な意味で終わりのないゴール、と言っているように思いました。

    ・・・
    では承認されづらい不安定な社会、「うまく生きる」だけの納得のいかない社会でいいのかと言うとそうではありません。<中間社会>に代わる新たな解として、氏は「包摂」というワードで希望を表しているように思います。

    ここでバラバラになった人たちをいわば、巻き込む。対立があってもなくても、ともに居る。連帯感や共通性は事後的に得る。なんとなればお見合い婚の夫婦の得る連れ添ったからの愛情のような? そうすることで当事者性を各人が持ち、変革の兆しを生む、という事のようです。そのための手段として「祭り」だったりインターネットだったりがキーとなることが示唆されます。

    こんな感じで読みました。

    ・・・
    全般的にはやはり難解だと思います。乱暴にとらえれば、我々は人間資本(ヒトとの繋がり)をより強くし、そうした繋がりの団体として政治に関わるべき、という事を主張しているのでしょうか。総論は賛成です。

    国を頼りにするのではなく自らを頼りに隣人をたすけ(たすけられ)、そしてそこから国や自治体を変えていく。あれ?これってひょっとしたら私がやりたい事と似てるかも!?

    そうそう、あと少し疑問に思ったのは、「終わりなき日常」を生きた若者のこと。90年代の彼らって、そのままブルセラや売春をし続けて老いていくわけではないと思います。私も今は立派なおっさんになりました。そうした過去の若者たちがどうやって自己を「受容」する、ないしは社会に飲み込まれていくか、その仕組みや過程を知りたいと思いました。その飲み込まれ方がポジティブであれば、それはそれで今を生きる若者へのなにがしかのメッセージになるのかも、とふと思いました。

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    投稿日:2021.10.02

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