【感想】五時間目の戦争(4)

優 / 角川コミックス・エース
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • command+X

    command+X

    戦争の目的は「新地球が旧地球を古き良き地球としてコピーするため(新人類が旧人類を削除することが新地球では義務化)」だった。

    戦争の発端は、旧地球の人類たち(※生殖活動をできない欠陥あり。新人類が旧地球をコピーした際に、その設定を組み込む。)の中に、バグ(※生殖活動ができる)が生まれたから。新地球らの人類が旧地球の神社に“みのかみ様”と称した安全装置を設置し、進化や人口増加を防ぐ仕組みも設けていたがバグが生まれたことで崩壊した。

    主人公とメインヒロインが出征できないのは彼らが生殖活動ができるバグ(※旧人類にとってセックスが唯一無二の武器)であり、唯一、新地球の人類に対抗しえるものだからだった。新地球の人類らは、そのバグ持った旧人類の自分を削除しようとしていた。その様は、まさに戦争(知恵の輪を模した怪物が印象的。)だった。

    結局、主人公はサブヒロインを追うために新地球に出征。ヒロインは主人公との生殖活動の上に子が生まれたが、旧地球にはヒロインとその双子しか残っていなかった。メインヒロインらは旧地球で生活することを決意した。

    主人公の選択「サブヒロインを追って新地球に向かうこと」に父親としての無責任さを感じ、胸糞悪さを抱えてしまった。主人公が旧地球に残って、メインヒロインらと終末的に生活していく展開であれば、胸糞悪さは拭えたはずだ。
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    投稿日:2023.01.17

  • bukuawa

    bukuawa

    都と朔の物語も最終巻。
    戦争は最終局面へと急速に歩みを進め、物語は悲壮感を深めてゆく。そして明かされる真実、都と朔の選択は。

    真実が明らかになってからおしまいまでの流れは、朔の駄目男っぷりも含めて、女の人の感じ方だなあと思った。男には書けない。

    設定の突っ込みどころは多々あれど、そんな細かいことは置いておいて、ほろ苦い青春の物語を味わえばよし。お父さんのかぼちゃと、お母さん(のお母さん)のから揚げ。母は強し。
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    投稿日:2022.06.20

  • kuma0504

    kuma0504

    全四巻いっき読み。瀬戸内の青島に突如落とされる「蜘蛛の糸」と言われる正体不明の敵からの攻撃。もう五年も人間は戦争を続けていて、この田舎の島でも、金曜日には中学生の彼らも一日づつランダムに戦場に行くことになった。

    毎週訪れる軍国調ではないけど、当たり前のようにお国に命を捧げる生徒たち。やがて、次第と歯が抜けるように級友たちがなくなってゆく。

    全体の世界観に、どうしても不自然さが目立つ。最後の方の展開で「彼ら」が残るわけだが絶対生活していけない。ラストは相当無理しないとやっていけない。また、そこに至るまでの大人の対応がおかしい。また、敵の論理も破綻している。

    ということをおいといて、2014年6月号「ヤングエース」から今年の3月号に至るまで、こういう作品が連載されていたことに驚きを禁じ得ない。優はこれが人生初のオリジナル漫画連載だったらしいが、絵柄は誰かの影響をモロ受けているし、ストーリーは「進撃の巨人」のソフト版のようにさえ感じる。それでも、赤紙到来から出征、戦死、遺族の今後のことなどが、当たり前のように漫画化されている現代という時代を、10年前の私は想像出来ただろうか。2014年連載ということは、戦争法成立以前なのである。作品は決して褒められた出来でない。作者に現代を批判的に観るトータルな世界観があるのかも疑問だ。けれども、漫画は時代のカナリアなのだということをヒシヒシと感じる。カナリアはなぜ自分が炭鉱の奥で死ぬかは知らない。けれども、その存在が我々に未来を知らせてくれる。
    2017年4月23日読了
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    投稿日:2017.04.29

  • kwr3rd

    kwr3rd

    (ネタバレします)
    申し訳ないですが一つ星。
    帯に高橋しん(『最終兵器彼女』の人。自分は『サイカノ』大好き)が推薦コメントを寄せていたんですが、まあ確かに通じる部分が結構ある。けれど、うーん、これは正直ダメだった。
    元々『戦争』は非現実的なものとして描かれていたけれど、この巻で戦死者オンパレードになって、あれよあれよと主人公二人だけ残されることに。まずここが急展開すぎてえって感じ。在庫処分のように殺されるキャラたち…。その過程でキタムラくんが自殺しちゃうのもえーって感じだし、二人だけ残されて明かされる世界の真実もちょっとあまりにも荒唐無稽というかぶっ飛びすぎで、ここまで壮大な設定を持ってくるならもうちょっと伏線張るなりなんなりしないといけないんじゃないの?と思った。ヒニンヤクだけじゃ弱いでしょう。
    んで二人だけになったら朔はあっさり都とセックスするし。んでヤリ逃げするしで、本当に胸糞悪いんですが。
    それで残された都は子供を産んで…って、子供産むって(しかも双子)大変よ?一人でどうやったの?(しかも子供を産むってこと自体理解してない世界観なのに。お腹が膨らんだことをどう頭の中で処理してたの?)
    それで一人であそこまで育てるって可能なのかな…最近親族に子供が生まれて、ちょうどその子の成長を見守ってる時期だから、そこらへんのリアリティにシビアになってしまう。
    なんというか今までの巻は、良くも悪くも雰囲気で押し切れていたんだと思うんですが、まあ予想はしてたけど風呂敷をたたむのに見事に失敗したな、という感想です。その雰囲気は好きだった(そう、やっぱり確かに『最終兵器彼女』っぽい感じだったのか、と帯を見て納得)けど、結局何を焦点にしたい作品だったのかが最後の最後でぐちゃぐちゃになってしまったのかなと思います。残念。
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    投稿日:2017.03.09

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