【感想】少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語

一肇 / 角川文庫
(18件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ホトケ

    ホトケ

    ボロアパートに住む二浪の青年が5年前から住んでいたという少女と邂逅する事で亡き友人の遺した映画に突き動かされるお話。
    浮世離れしたような人や世俗的な人、映画に情熱を燃やす人など登場人物が特徴的。話も意外性があって良かった。
    戦前の日本から転生してきたみたいな亜門がインパクトがあったと思う。
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    投稿日:2023.12.15

  • 大吉堂

    大吉堂

    友の遺した未完の映画、天井裏に住まう少女、映画に取り憑かれたものたち。
    主人公の迷走とともに物語は蛇行するが、はっきりとした目的が指し示されてからは一気呵成の盛り上がり。
    ミステリ要素も楽しい暑苦しくも爽やかな青春の物語。続きを読む

    投稿日:2023.04.24

  • うさぎ

    うさぎ

    いわゆる青春群像小説。NHKあたりでドラマ化しないかなーと思いつつ読了。
    主人公の妄想ならぬ暴想が楽しかったです☆
    主人公の十倉くんは二浪してまで東京のある大学に入学します。親からの仕送りはない苦学生。安いアパートに入居しましたがなんと天井裏から女の子が降りてきた!ってどんな展開!?
    癖強めの同級生たちにも囲まれて、これどーいうオチになるの⁇と、丁寧に読みました☆
    映画、ベスパ、苦学生、合コン、勉学の悩み、恋の悩み等々、ザ・青春☆でしたー♪
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    投稿日:2022.01.23

  • kyon

    kyon

    登場人物たちが個性的すぎて違和感を覚えつつも、男だらけの四畳半的物語を目指してるんだよな、と割りきって口の悪さやむさ苦しさを気にしないようにして読んだ。
    主人公が亡くなった友人の未完成の映画作品の続きを撮るに至るまでがちょっとうだうだ長く感じるけど、最後の怒濤の暴妄は勢いがあって楽しかったし、個性的すぎて受け入れがたかった登場人物たちが人間味を帯びたし、主人公へ力を貸す姿にいっきに嫌味がなくなり、終わりはすっきり良かったなって思えた。続きを読む

    投稿日:2019.12.25

  • 橘

    面白かったです。森見さんっぽい…と思うところもありましたが、終盤の映画にかける熱量がすごかったです。主人公の暴想も、ぐるぐる考えるところも好きでした。さちの現実感の無い夢のようなところも、古風な口調と相まって良かったです。大学時代って、こんな風に自分たちにしかわからないようなことに情熱を傾けてたな、と思いを馳せました。「少女キネマ」、観てみたいです。続きを読む

    投稿日:2017.09.19

  • しろコシオ

    しろコシオ

    このレビューはネタバレを含みます

    初読みの作家さん、書店で平積みされてるのに惹かれ購入、ジャケットも好み。
    この一肇(ニノマエハジメ)氏、ラノベ出身で『魔法少女まどか☆マギカ』のノベライズを手掛けているとのこと。

    まず文体と主要キャラ造詣、これには大きな既視感がある。ジャケットからも想像に容易いが「夜は短し恋せよ乙女」を連想せずにはいられない。今時の若者が決して使わないバンカラ言葉、ヒロインの容姿に言葉遣い、貧乏苦学生の暮らしetc…パクリ感は否めないものの、そこに「映画」に魅入られた人々がミックスされる。

    「映画」にかかわる作品として重い浮かぶのは「探偵映画」我孫子武丸著、海外版として「フリッカー、あるいは映画の魔」セオドア・ローザック著などを思い出す。主人公の秘匿されたる停滞の原因が、「映画」に魅入られ自死を遂げた親友の「死」の真相究明というミステリ的構造を謳っており、中盤までは延々と繰り返される苦学生バンカラストーリーに、どうやって解決(オチ)をつけるのか、半ば作品としての成立に疑いを持ちつつも我慢しながら読んだ。

    しかしながら親友の未完の短篇映画の最後のカットを撮りきる件にくると、スピード、サスペンス、キャラ立ち、全て停滞を感じていたものが急激に輝き出して、一気に解決へとなだれ込んだ。

    正直、いくつかの仕掛けは仕込まれていて、それは今さらの手法ではあるが、自分は気付けなかったし見事な着地、解決と評価した。時代を築いた一大コンテンツ「まどマギ」のノベライズを手掛けただけのことはあると納得した。(まどマギもミステリ的どんでん返しに富むストーリー構成であることは周知の事実でしょう)

    ただ残念なのは最後の最後、ヒロイン「さち」の在り様をファンタジー然として、無理やりなハッピーエンドで締めてしまったことである。ハッピーエンドは嫌いでないが、もう一捻りが欲しかったと思う。

    まぁ個人的趣味をあるが、そこそこ楽しめる作品でありましょう。

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    投稿日:2017.07.27

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