【感想】裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

上間 陽子 / 太田出版
(110件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
35
36
21
1
1

ブクログレビュー

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  • ゆちゃん

    ゆちゃん

    このレビューはネタバレを含みます

    貧困や暴力に苦しみ育ってきた沖縄に住む6人の少女のお話。
    彼女らが育ってきた環境は目を背けたくなるものばかりだが、そんな中で現状を少しでも変えようと自身で努力した1人の少女のお話は唯一のハッピエンドかに思えた。その少女の家庭環境は父親は居ないが、母親からの愛情を人並みに貰って育ったのが読み取れた。
    幾つになっても家庭環境は人生において大きく影響するものだと考えさせられる一冊だった。

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    投稿日:2024.04.10

  • 人生≒本×Snow Man

    人生≒本×Snow Man

    6人の沖縄の少女の物語。
    丁寧で誠実な仕事・研究。
    ハーマンが一箇所だけ脚注で触れられている。
    正解はない。一筋縄でもない。みな幸せになって欲しい。暴力がなく、安心がありますように。

    投稿日:2024.04.07

  • ミラク

    ミラク

    このレビューはネタバレを含みます

    今までと同じような貧困や虐待などの本と思って読むと……中身があまりにもからっぽで唖然としてしまう。私が今まで読んできた本は実態を書いた後に著者の『社会に対する視線や社会に求める支援、また当事者たちの苦悩や苦痛、読者たちに訴えたい事』のようなものに続いていた。

    この本は本当に『インタビューしたことを書いてある』『インタビューの時の状況と著者の心境を書いてある』だけで、その次の話がない。

    6つのインタビューが載っているけど、何を目的にインタビューをしてるのか分からない。ただ『子どもの頃の話や、今までの事を聞くだけ』で、それをただ書いてあるだけ。
    あとがきに『私も子供時代は沖縄で暮らした』『貧困の子がいたけど理解できなかった』と書いてあったけど、今、理解してるのかというと首を傾げる。

    ただ、『自分はそうじゃなかったから、理解できない人たちを研究したい』という事は分かった。『語るだけで救われる』みたいなことも書いてあって、いや。それは友人や身近な人間がやる事で、大学にいる人間がわざわざそれをやるのは嫌味だぞと思ってしまった。


    話が、『インタビューした相手に起きた事』『インタビューした相手に対して思った事』で終わってるので、最終的に……だから何だというんだと思ってしまった。
    あと、どの話も『頑張っている女の子』の話になってるのもおかしい。そんな状況にしてしまう環境因子はどこにあって、少しでもこの状況を変えるにはどうしたらいいか……みたいな話を期待したのにそんな話は一つもない。
    こんな話で終わるなら、ケータイ小説を読んでた方がまだリアルな貧困が書いてあったと思う。

    さらに沖縄の方言で書かれているので、話が入ってこない。リアルを伝えたいのだろうけどそこで伝わるのは沖縄の人に対してだけでは。

    こんなに軽くて肩透かしを食らう本だとは思わなかった。
    あと。こういう本は一歩間違えると『ただの娯楽作品』になりかねないんだなと。評価がやたらいいけど「こんなひどい現状があるなんて」というレビューを見てると、知らない人が見たらそうなるんだな……としか。
    酷い現状にだけ目が言ってるってことは『だから読者は何をしたらいいのか』まで考えてないし、もっと他の事例があるかもしれない。とも意識が行かない。ただの『こんな見たことがない衝撃的な世界があるんだ』というショックに興奮してるだけ。
    だから、こういう本はもう一歩『読者と当事者を繋ぐための言葉や章』があるのに……。この本、それがないので娯楽作品に落ちてる。
    貧困について考えたい初心者に勧める最初の本としてはいいかもしれない。

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    投稿日:2024.04.04

  • momo

    momo

    まさに当時自分と同世代であった沖縄の女の子たちが、閉鎖された苦しみの中を自分だけで生きてきたことを初めて知りました。
    こんなつい最近に、ましてやきっと今も、女の子たちにここまでの困難が強いられていることは、本当に心が苦しいです。

    知ることから始まるけど、知るだけではだめだなと思いました。
    上間さんの、海をあげるのインタビューをよく思い出します。丁寧に選び取って、慎重に心に重ねていくような、重みのある言葉。あとがきの一つ一つの言葉も頭に残っています。
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    投稿日:2024.03.13

  • hasema

    hasema

    上間陽子さんの作品、「海をあげる」に続き2作目。この作品の方が早く出版されたのだが。
    「海をあげる」を読んだ後、しばらくしてNHKの100分de名著フェミニズム編で上間陽子さんが出演していた。
    落ち着いた、とてもいい印象だった。
    で、その後の読書なので、前回よりも好意的に読むことができた。沖縄の少女たちに寄り添うことを決意した生き方を応援したい。

    研究者の本としては、自分の感想がゆるゆるに書かれているのが、前回違和感があったのだが、今回は、ま、いっか、と思いつつ読めた(笑)
    上を向かないと涙がこぼれる、といった筆者の気持ちが挿入されるのが、どうも苦手ではあるが、こういう書き方が必要なのだな、とは思うので。
    ちょっと緩いところもある、研究者然としていない本だからこそ、多くの読者がこの本を手に取ることになったのだろうし。

    ところどころ、映画の「遠いところ」と重なった。(この映画は本当によかった)この映画で描かれているシスターフッドがここでも描かれている。殴られた後2人で撮る写真のシーン、まさしく同じようなやり方で、笑い泣きしながら、女たちは励まし合ってきたのだよね。


    「ハーフザスカイ」の直後に読んだので、何度も「ハーフザスカイ」で書かれた性虐待のことを思い出した。沖縄の出来事も重く苦しいものであるのに、それが軽く思えるほどに、世界で起こっている女性の性虐待は悲惨で酷い。
    この胸の痛みは知ることでしか感じることはできない。
    これらの本を書いてくれる人たちに感謝です。
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    投稿日:2024.03.10

  • papikoism

    papikoism

    白状すれば私は偏見の塊で、生きる為にその選択肢しかなかった女の子達のことを考えたこともなかった。終始胸を抉られるような気持ちだった。
    このジャンルはこれからも読み続けていきたい。そうしなければならない続きを読む

    投稿日:2023.12.28

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