【感想】シリーズ<本と日本史>(1) 『日本書紀』の呪縛

吉田一彦 / 集英社新書
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • むい

    むい

    「『日本書紀』は天皇の命令によって編纂された国家の歴史書である。(略)それは天皇の歴史を記す書物であり、それによって日本の天皇の政治思想を明らかにしようとする書物であった」

    8世紀、編纂され完成に至ってから今日まで、日本書紀はその後のさまざまな歴史書や家牒、または歴史そのものへなど影響を及ぼし、日本書紀に倣うもの反発するものと、「歴史や政治の原点になる書物として君臨してきた」。

    その影響をひとつひとつ解説し、存在感を確かめていく。

    いかに日本書紀が、いまだに大きな歴史認識の壁となって立ちはだかっているのか。手軽に知ることができます。
    まさにそれは日本書紀の呪縛。
    続きを読む

    投稿日:2021.04.14

  • Στέφανος

    Στέφανος

    権威としての『日本書紀』
    『日本書紀』の語る神話と歴史
    『日本書紀』研究の歩み
    天皇制度の成立
    過去の支配
    書物の歴史、書物の戦い
    国史と“反国史”“加国史”
    『続日本紀』への期待、落胆と安堵
    『日本書紀』の再解釈と偽書
    『先代旧事本紀』と『古事記』
    真の聖徳太子伝をめぐる争い
    『日本霊異記』―仏教という国際基準
    『日本書紀』の呪縛を越えて

    著者:吉田一彦(1955-、東京都、日本史)
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    投稿日:2019.02.13

  • S.S. SHIYU NAR-1009-A

    S.S. SHIYU NAR-1009-A

    天皇家の権威を確立するため、創作と削除によって神代からの歴史を記し定めた『日本書紀』はその後の歴史の記述のあり方を呪縛し続けていくことになった。貴族たちは自らの家系の顕彰を図る歴史書を残そうとするが、日本書紀の記述に沿いながら都合のいいものを盛り込む〈加国史〉と日本書紀よりも古い記録を標榜して新たな歴史を主張する〈反国史〉、どちらかの方式になってしまって日本書紀からは離れることができなかった。それは聖徳太子の威を借りようとする仏寺も同じだった。続きを読む

    投稿日:2019.01.04

  • kazubook21613

    kazubook21613

    よく「記紀」と一括りにするが、「日本書紀」をきちんと読んだことがある人ってどれくらいいるのだろうか。かくいう私も読んでない。「古事記」は、近年でも三浦さんの親しみやすい訳が出たりして、かなりの人が読んでいるのではないだろうか。

    呪縛は確かに今も続いているような気もするが、「日本書紀」の書かれた背景や目的をしっかり認識すれば、かなりとけるような気もする。きな臭い現代社会に、本書が再び利用されないことを切に願う。
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    投稿日:2017.06.04

  • 大田別 稲吉

    大田別 稲吉

    ついに学界に属する研究者にも旧事本紀の編纂者であることが疑われるようになった矢田部公望。
    ぜひ考究をすすめていただきたい

    投稿日:2017.03.11

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