【感想】十津川警部 特急「しまかぜ」で行く十五歳の伊勢神宮(十津川警部シリーズ)

西村京太郎 / 集英社文庫
(1件のレビュー)

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  • おじまゆうや

    おじまゆうや

    ○伊勢神宮を守らんとする子供たちの物語を読む
    七十年ぶりに伊勢参りをすることになった野々村は、孫とともに特急「しまかぜ」に乗って、友人の木島と阿部に会うことになった。野々村は戦時中に伊勢に彼らと住んでいて、実際に焼夷弾で燃え盛る伊勢の街を見ているが、終戦を機に上京し、その後古代史の研究者として活躍することになる。
    野々村は数々の遺構を巡る中で七十年前の様子を脳裏に浮かべるが、もう一人いた加藤という男のことも同時に思い出す。すると、その加藤の弟が現れ、体験談を集会で話してほしいと依頼をうけ、話す。その後本の賞を受けた後、謎の脅迫状が届くようになり…

    結局殺人事件が起こるまでの間が長く、終始伊勢神宮を守らんとする校長先生たちの思いにより敵からの攻撃に備える野々村たちの様子が描かれている場面が大半である。
    しかし、よく考えてみると、これだけありありと敵からの攻撃に備える現場で頑張ろうとする学生たちの姿を描くというのも珍しい。タイトルのわりに鉄道がほとんど出てこないものの、十五歳の彼らの回顧譚としては、戦争に過ごす子供たちの苦悩を浮かび上がらせる作品でもある。
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    投稿日:2020.09.29

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