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田中 康弘 / 山と溪谷社 (17件のレビュー)
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総合評価:
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puttyhama
山で起こった不思議な話を集めた本。 オチなどが特にないところがリアル。 それゆえ得体のしれない怖さを感じる。
投稿日:2023.10.22
さぼてん
このレビューはネタバレを含みます
マタギを取材するフリーランスカメラマンが採録した山の怪異。 最近流行りの所謂実話怪談などのように派手な話はほとんどなく、人魂の話、野焼きされる遺体の話、山に呼ばれて行方不明になった話などが飾らない筆致で語られる。怪談というよりは民俗学でいうところの世間話の方が近く、取材先が実名で登場するなど資料として貴重である。読者を怖がらせてやろうというケレン味がないだけにリアリティも高い。 山で見た人魂を、あれはきっと蛍の塊なんだよと説明する話者を前に筆者は考える。山が生活の場になっている人間にとってそこは日常である。そこで起きたことは説明がつくことでなければ生活の足元が崩れてしまうと。 本文中にもそうやって自らが体験した怪異を日常に落とし込もうとする話者はたくさん見られた。 日本人の境界意識の中で山は異界であり、人里とは決定的に異なる。そこに隣接して暮らす人の思いと覚悟に平地人である自分はただ戦慄するしかない。
投稿日:2023.09.05
はは
2巻目だが、1巻と同じくらい、怖かった。 幽霊?と妖怪?と狐?狸?とUFO? いろんなものが出てくる。 なぜこんなに怖いのか…霊感は全くないのだが、育った地域が山の中だから、と思う。 2巻では自分の故…郷の逸話も出てきて、さらに怖さが増した。 読むのは2度目だが、最初の時と同じくらい新鮮に読めた。続きを読む
投稿日:2022.08.29
towa
マタギ、林業関係者、山間部にある集落の住民から語られる不思議な音や声の話、人魂の話、神隠し、狐や狸といった動物にまつわる話などなど。 現在形の聞き語りからは、山には人智を超えた存在があるのだと感じさせ…る説得力があった。 山小屋の話はどれもゾーッとする……。続きを読む
投稿日:2022.01.12
あしはら
狐や狸、目に見えない何かなど様々な話がありましたが、火の玉についてが特に印象に残りました。 本作にも書かれている通り、科学的に火の玉は獣の死骸もしくは遺体から発生したリンが発生したものだとされています。 語り部として登場された方々もただの自然現象だと捉えている方もいらっしゃいました。 しかし読み進めるうちに、『山』という空間では 人知の及ばない不可思議なことも起こり得るのではないか、そう思えてしまうようなお話ばかりでした。 山に入ることを日常とされている方々にしか分からない感覚や経験のお話もあり、とても興味深かったです。
投稿日:2021.10.12
papalonia
「犬を入れた訳」というタイトルがなんかすごく良かった。 地味に怖い山の話がつらつらと並ぶ。もちろん謎が解けるわけではなく、ただただ色々な人が体験した色々な不思議な話が並ぶだけ。 内容としては良かったのだが、霊感があるとかないとかいう話をされると一気にうさんくさくなるから、語る人が言うのは仕方ないとしても著者まで乗ってくるのはやめてほしかった。
投稿日:2020.07.04
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