新刊・予約
ランキング
セール
特集・キャンペーン
ジャンル一覧
詳細検索
0
麻宮ゆり子 / 光文社文庫 (9件のレビュー)
レビューを書く
総合評価:
"powered by"
おのひろ
ブク友さんの本棚からタイトルに惹かれて。 敬語を使うぐらいの仲同士での旅行って、 これから仲間になって打ち解けていくのだとしたら ワクワク感があって面白そうと読み始めた。 4人がそれぞれの事情で主人公…となって4人で旅をする。微妙な距離感からちょうどいい距離感へ 「即戦クンの低空飛行」鳥取砂丘と最後の話がよかったかな続きを読む
投稿日:2023.09.03
なんてひだ
最初の真島が前面に出るのかと思いきや、4人全ての人が主人公で それぞれ違うキャラクターで斎木さんだけではない 全員が面白いって事。ラストでも3人が熱海に来ていてまるでそうなるだろう、斎木さんをアシスト…する感じがする それくらい友情が出来上がって深くつながっているんだな、お互いの内面には踏み込まないけど、どんな人物か、何をすれば良いのか最低限のマナーを守っているんだね。無神経に飲み友達だけでは斎木さんとは旅行なんか出来ない。4人とも父親に義父に嘘だらけな彼女に被害者だ。アルエのフェイントで全て救われたよ続きを読む
投稿日:2023.08.16
nami
このレビューはネタバレを含みます
面白かった。アラサー4人の男子、既婚、独身問わずに旅行するというシチュエーションはあまりないのではないか。知り合って間もなく旅行しながらも敬語で話すというのは不思議でありながら新鮮でもある。旅行の描写は自分も旅気分が味わえた。そして4人それぞれの置かれた立場や状況が1人1人明らかになっていき人間性も見えてきた。真島さんは斎木さんの良き理解者であり一生の友人なのだろう。バツイチ繁田さんの抱える状況も大変だ。仲杉さんの彼女にはちょっと怖いものを感じたけど無事に別れることができたホッとした。イケメンの変わり者斎木さんは憎めない魅力がある。フォレスト.ガンプが浮かんだ。そんな斎木さんの恋愛はどうなるのか期待しながら読了。読後感はよく誰かに勧めたい1冊だ。
投稿日:2023.08.15
Funya
ひょんなことから旅をともにすることになった4人のアラサー男たち。 全員に共通するのは不器用で世渡りベタなこと。 微妙な距離感。噛み合わないところを何とか噛み合わせながらの4人の不思議な友情を育…む旅を描く連作短編ヒューマンドラマ。第7回小説宝石新人賞受賞作。 ◇ 真島圭太29歳。会社員。母は圭太の高校時代に父と離婚して現在、佐渡に住んでいる。 その母に夏休みを利用して会いに行くつもりだということを、同僚で中高の先輩でもある斎木匡(30)に話したのが珍道中の発端だった。 旅行に誘われたと思い込んだ斎木が大学時代の友人の繁田樹(33)にも声をかけ、繁田も友人の仲杉幸彦(28)に声をかけして、真島のセンチメンタルジャーニーはゆるいつながりのアラサー男4人旅になってしまったのである。 親友と言えるような間柄ではない。だから、会話はすべて「ですます調」になる。相手の個人的事情にまで踏み込まないように気遣いながらのグループ旅行。 特に「母に捨てられた」という意識がある真島は佐渡上陸後しだいにナーバスになっていくが、3人の男たちの微妙な気遣いに触れるうちに……。( 第1話「敬語で旅する四人の男」)全4話。 * * * * * 一見お気楽そうな設定なのだけれど、実はいろいろと大変なシチュエーションが描かれていました。 例えば第1話の真島編。佐渡の旅。 真島の母に対する割り切れなさは、母が同性愛者だったことにあるのです。 LGBTQへの偏見がNGなのは当然です。モラリストの真島ならなおさらそう考えているでしょう。しかし息子としての思いは別物であるだけに大変です。 父から真実を聞かされた時の衝撃はさぞ大きかったでしょう。(息子に打ち明ける父の心情は察して余りあるし、息子を置いていかざるを得ない母の切なさもわかりますが。) 第2話の繁田編は京都の旅。そこで描かれる、繁田の親離れできない元妻とその実家である京都の旧家の「家」意識も大変です。 その実家。娘が男児を産み、繁田が研究者として東京での採用が決まると、離婚させて娘を幼児ごと引き取りました。孫だが大切な跡取りだって。変だろ、この一家。結婚は家のためにあるんじゃないぞ。(ああイヤだ。) だから京都の文化でもある、遠回しの皮肉や嫌味などを駆使しての「察しろ」攻撃に辟易する繁田や仲杉に対して、相手の気持ちやその場の空気を読めない斎木がズバズバ斬り込んでいくシーンにはスカッとしました。 第3話の仲杉編は鳥取砂丘の旅。仲杉は人の良さにつけ込まれて大変です。 会社では無能上司からのパワハラ。この上司、言いやすい相手には容赦なく責め立てるくせに、ウルサ型の部下には何も言えないクズ中年男です。 プライベートでは束縛型の依存心全開彼女。親から愛情を受けなかったことで愛情飢餓がエスカレートしたとは言え、はっきり拒絶できない仲杉につけこんでのことです。 どちらも現実にいそうなくだらないタイプでゾッとします。(メンタルを病んでいる女性にはかわいそうな気もしますが。) そして、物語の中心人物でもある斎木を描く第4話の熱海の旅。アスペルガーゆえ能力は高いが人間関係構築に難がある斎木は、人生そのものが大変です。 斎木は障害者枠で会社に採用されているため、それなりの配慮もなされています。それでもやはり働きづらそうです。なにせ生活ルーティンが少しでも狂えば、まったく仕事ができなくなるのですから。 共感力の低い斎木にはプライベートも困難を伴います。斎木にしては珍しく女性に惹かれるのですが、相手は会社が契約する派遣の清掃員の女性。そして斎木が魅力を感じたのは、彼女の作業の完璧さとムダのない動きの美しさ。 2人はデートもするし、お泊り旅行にも出かける仲になるのですが……。( 自分の法則でしか動かない斎木は愛想を尽かされるに違いないと思います。) でも困ったときや行き詰まったとき、敬語で会話するこの4人で過ごす旅の時間は何と言っても格別です。 それぞれが自身を見つめ、現実と自分との折り合いをつけていく、いわば人生に節目をつけていくきっかけに、男4人の敬語での旅はなっているのです。 斎木でさえ(比較的)過ごしやすそうなこのパーティー。その後の4人の人生を見てみたいと思いました。続きを読む
投稿日:2023.08.03
湖永
30歳前後の男性4人の話であるが、それぞれの特徴をよく捉えていて面白い。 好き嫌いでいうと個人的に好きな物語である。 まず、敬語で旅する四人の男ってのが不思議で、成り立つのか、楽しめるのかが実に興味…深かった。 いや、スッーと入り込んできたのに驚いた。 よくできている、というかこの四人に好感が持てる。 それぞれが四つの短編小説の主人公になっている。 敬語で旅する四人の男〜両親の離婚はとても複雑な事情だったことから母とは高校卒業後に会ってなくて、旅行というかたちで佐渡島に行く真島。 犯人はヤス〜離婚した妻の実家の京都へ行き、2歳の息子を連れて愛宕山に登る繁田。 即戦クンの低空飛行〜恋人との軋轢や会社でのトラブルでも病み気味の仲杉が、鳥取砂丘に行った理由。 匡のとおり道〜コミュニケーションを取るのが下手な自閉症スペクトラムの一種だとか、高次脳機能障害だとかで特別枠で会社勤めをしている斎木は、人との距離感がわからない。そんな彼が気になる女性と熱海へ。 どれも最後は、男四人の旅のようなかたちで終わるのだが、とにかくゆる〜く温かい気持ちになるのがいい。 男ばかりの旅⁈に偏見を持ってしまったのを恥じたい気持ちだ。 差別も偏見もないその人なりの人格をきちんと認められる世の中になりつつあることは喜ばしいことだと思う。 完全になくなることは難しいかもしれないが、一人一人の意識を変えていくことも大切だと思った。 続きを読む
投稿日:2023.07.09
osugis
旅したいなぁ〜と、読んでみた。 ひょんな事から、旅に出る事になった4人の男。彼らの関係性が何とも言えず、面白い。 斎木の行動には驚かさせるものがあるけれど、今では多少なりとも認識されてきているよう…に思う。 難しいものだけどね。 何だろ、こんな風にある程度歳を取ってからも旅に出てみたいものだ。続きを読む
投稿日:2023.02.02
ポイントが追加されました。ポイント明細ページからご確認いただけます。
クーポンコードの形式が正しくありません。半角英数12桁で入力してください。
エラー(エラーコード: )
本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック
スマートフォンの場合
パソコンの場合
このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?
ご協力ありがとうございました 参考にさせていただきます。
レビューを削除してもよろしいですか? 削除すると元に戻すことはできません。