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島田 裕巳 / 朝日新書 (1件のレビュー)
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過去、皇統の連続は側室が多くの子供を産むことにより維持されてきた。過去の女性天皇は、そうした環境を前提とした幕間つなぎであった。 皇統の連続性を維持するには、大正天皇が廃止した側室を復活させる以外に方…法がない。 以上のことが本書を読むとわかる。 粛清が大好きな某国の王様が婚姻相手を秘匿するのは、地位を確実に世襲させることが理由であろう。 世間から受けないし、欧米先進国の価値観からも逸脱する側室制度を政府・与党は採用できない(側室に関しては、イスラム諸国からは理解が得られるかもしれない、サウジにはたくさん皇太子がいるみたいだからね)。 日本人の悪い癖だが、本質的な問題の解決はだらだらと先延ばしされる。 結果として、近い将来に天皇制の存続は重大な局面を迎えることが予想される。 本書は過去の日本の3つの憲法が、いずれも外交政策上の必要性から作られたことを主張している。また、日本国憲法をわび状としてとらえている。いずれの議論も説得的である。 保守派勢力が皇室典範の改正を徹底して嫌い、憲法違反の可能性が高い特別法で対応しようとする理由も本書を読めばすっきり理解できる。 2016年8月の「お言葉」や女性天皇など、天皇制の問題を考えるうえで、本書はまず最初に読むべき必読文献である。続きを読む
投稿日:2017.02.21
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