【感想】美麗島紀行

乃南アサ / 集英社学芸単行本
(14件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • NFCC図書館

    NFCC図書館

    人気作家・乃南アサが台湾各地をくまなく巡り、台湾と日本の深い関係性についてその歴史から思いを馳せる異色の台湾紀行。著者自らが撮影した、台湾各地の情緒あふれる写真とともに構成する。(e-honより)

    投稿日:2021.04.12

  • kojirok1222

    kojirok1222

    台湾の風土や人々を語るにはどうしてもその歴史に触れざるを得ない。

    30年近く前の司馬遼太郎の「街道をゆく」もそうだし、本書も。

    投稿日:2021.01.07

  • shimu2

    shimu2

    【私が出会った八十代になる男性は,植民地の子として暮らさなければならなかった少年時代を振り返って,「懐かしくて懐かしくて,悔しくて悔しくて」と遠くを見る表情で瞳を潤ませた】(文中より引用)

    その美しさから,美麗島とも称された台湾。その島と人々,そして歴史の魅力に惹かれた筆者による紀行文です。著者は,『幸福な朝食』や『凍える牙』等で知られる作家の乃南アサ。

    ほとんど何も知らないところから台湾を訪れ,そこで筆者が受けた衝撃や気づきを記録しているため,台湾を考える上での第一歩としても特にオススメできる作品。作家による紀行文ということも影響してでしょうか,流麗な文体とあいまって台湾にまつわる魅力が一層引き立てられていた気がしました。

    また訪れたいものです☆5つ
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    投稿日:2019.09.20

  • 中村宗悦

    中村宗悦

    歴史を知り、今を知ることが台湾という複雑な社会を理解するには必須であることを著者の乃南氏は2011年の東日本大震災に伴う台湾からの義援金の多さをきっかけに気づいていく。自分と乃南氏とは同世代だが、確かに学校教育の中で台湾のことをきちんと教わった記憶はない。その辺はよくわかる。台湾に興味関心をもつことによって日本とは何かも見えてくるという視点も大事なことはその通り。しかし、実際に著者が見聞きし、ここで書いていることはちょっと勉強すればすぐにわかること。その意味で、今後もっとテーマを絞って深く掘り下げて欲しいな、と上から目線ながら思った次第。続きを読む

    投稿日:2017.02.16

  • ちゃいなおやじ

    ちゃいなおやじ

    ★2016年7月23日読了『美麗島(イラ・フォルモッサ)紀行』乃南アサ著 評価B+
    私と同世代の作家、乃南アサが台湾へ旅した時に感じたことを綴る旅紀行。
    一過性の観光旅行ではなく、深く台湾という国の現在と過去を感じる紀行になっており、私もこの本を読んで台湾を訪ねてみたくなった。ちょうど一年前に読んだ吉田修一の『路(ルウ)』という台湾新幹線を題材にした物語とシンクロする部分もあり、日本人と台湾人という関係において興味深かった。

    また、日本人の大半が、時間切れと称して、全く習わない近現代史。日教組の意図的な教え方なのか、社会科教師たちの負けた国の歴史を教えたくないという心情的なものが作用しているのか?は分からないが、知らないことの罪はやはり大きい。
    近隣諸国との認識のGAPが広がっている点には、この国の歴史教育の大きな問題があるという彼女の指摘は全面的に正しく、この点をよく日本人は意識して教養として身に付けるべきだと私も思う。

    <備忘メモ>
    P90  台灣に遺してきた『日本』がその後どのような扱いを受け、処理されたかも分からないまま年月が過ぎた。すべてがやむを得ないことだった。台湾の人たちにしても時代の波に大きく翻弄されていた。それでも日本を忘れていなかった。多くのものが壊された一方で、遺されたものをこうして守り続けてきたのだ。

    P215 旅をしてことに日本から離れてみて、つくづく感じることは、何といっても教育の大切さだ。私たちの世代は、台湾がかつて日本の植民地であったことさえ学校の授業ではきちんと習っていない。そればかりでなく現在の日本に至る最も大切な近現代史全般について、学校教育の場では実に短い時間しか割かれてこなかった。そこに大きな問題がある気がしてならない。

    日本人がどのような状況下で、国を開く決断を迫られたのか。二百六十年以上続いた徳川幕府の時代に区切りをつけて、政府の仕組みそのものを変え、以降西欧列強と肩を並べるべく、どのような思いで近代化に突き進み、その一方でかつての日本の姿を切り捨ててきたのか。そこまで遮二無二猛進しなければならなかった理由はどこにあったのか?その結果として何を得て、何を失ったのか?

    そうして歩んできた道筋での台湾、中国、朝鮮半島、他のアジア諸国との関わりは何だったのか?それらのすべてが現代につながっていることについて私はあまりに無知だ。

    台湾はそのまま日本を知る重要な手がかりになる。。戦争を知らない世代が大半となった。現代の日本人がまともに教えられてこなかった日本の歴史を私たちは台湾で見ることになる。

    台南市安南区大安街 鎮安堂 飛虎将軍:杉浦茂峰
    台南担仔麺 度小月
    彰化県 鹿港 牛舌餅 蚵仔酥(クーザイシュク)蝦丸(シャーワン)蝦猴酥(シアホウショウ)
    鹿港文武廟 北白川宮能久親王 
    美濃 バンティアオ シャオティアオ シエンダンクーグア
    米粉、肉圓(バーワン)貢丸湯(ゴンワンタン)
    台北市 紅毛城
    宣蘭 八田與一(土木技術者) 嘉南大圳 烏山頭ダム 珊瑚潭
    喜隆(キールン)
    台南市 国立台湾歴史博物館 安平古堡 赤崁楼 台南孔子廟
    台湾総督 
    後藤新平
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    投稿日:2016.07.23

  • ロブはた☂

    ロブはた☂

    出たのを知って、文庫化されるまで待とうと思いつつ結局ハードカバー買ってしまった作品。台湾紀行だと思ってたが、中身は作者の台湾認識について、という方が正しかったかも。
    作者も含めて改めて多くの日本人が台湾のことを全く理解してないことを認識。その点においては、彼女のようなそれなりに影響力ある人がこういうものを表すのは、理解を含めるのにとても良い。一方で個人的期待感から言えばハードカバー買うほどではなかった。自分の中では既に身をもって体験したことの追認だったし、作者の視点が(敢えてなのかもしれないけど)限定的過ぎる気がする。理解することは大事だけど、これもまた偏った理解のひとつに過ぎないのと思う。それでも、日台の未来のためには、広く読まれてほしいな、という一作ではある。
    ちなみに乃南アサは僕は原則いまひとつ、「涙」以外はどうにも読みにくくて進まないのだが、本作も文章はあんまり得意じゃなかった感じ。相性いまいちですなあ。
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    投稿日:2016.06.01

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